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照「……ねえ京ちゃん」 京太郎「なんですか?」 照「…………好き」 京太郎「……照さん」 照「……うん」 京太郎「このクッキー、そんなに気に入ったんですか?」 照「……そうじゃない。や、クッキーはすごく美味しいけど」 京太郎「いやー、この前テレビで見たやつだったんですけど、ちょっとアレンジしまして」 照「うん、相変わらず京ちゃんが作るお菓子は美味しい。でも、私が好きなのは…」 京太郎「あ、照さんが好きそうな味もありますよ?」 照「……もらう……美味しいよ、京ちゃん」 照「……という訳で今回も駄目だった」電話中 咲『えー……この前校舎の裏に呼んでからも駄目だったよね?』 照「『俺も好きですけど?あ、新しいアイス屋できてましたよ』は、さすがに予想外」 咲『やっぱり京ちゃん鈍いね』 照「うん……でも、そのおかげでまだ取られてない」 淡「キョータロー!クッキー美味しかったー!ありがとー!」 京太郎「おう。いや、抱き着くなって」 淡「もー、大好きだしいいじゃーん!」 京太郎「はいはい。いつも言ってんな」 淡「……本気なのに」 菫「こら淡、その辺りにしとけ。しかし、本当に美味しかったぞ」 京太郎「菫先輩、ありがとうございます」 菫「その礼と言ってはなんだが……今度この映画でも見に行かないか?」 京太郎「これって最近話題の……」 菫「ああ……その、恋人や好きな人と見るラブストーリーとか言われているが……」 京太郎「じゃあ俺なんかじゃ駄目ですよー。菫先輩ならすぐにいい人見つかりますって」 菫「……私は君がいいんだがな」 尭深「あの……お茶、どうぞ」 京太郎「ありがとうございます……ふぅ、やっぱり尭深先輩が淹れるお茶が一番です」 尭深「ありがとう……京太郎くんさえ良ければ……毎日でも淹れてあげるよ?」 京太郎「え?そんなの悪いですって。そりゃ美味しいですけど先輩が大変ですし、たまにでいいですよー」 尭深「……そういう意味じゃないのに」 誠子「京太郎!私と付き合ってくれ!!」 京太郎「いいですけどまた釣りですか?この前美味しい魚料理のレシピを見つけまして…」 誠子「あ、いや、付き合うってそういうのじゃなくて…」 京太郎「この前釣ってすぐ捌いたのも美味しかったですよね?またすぐにできるやつなんで期待しててくださいね!」 誠子「あ、あぁ……京太郎の料理は美味しいから楽しみだよ……真正面からでも駄目なのか……」 照「また被害者が増えてる」 咲『昔からそうだったよねー』 照「もうどうすればいいんだろ……」 咲『うーん……いっそ押し倒す?既成事実ゲット!……なーんてね』 照「……それだ!」 咲『……え?あの、お姉ちゃん?冗談だよ?』 照「咲、ありがとう。今度こそ、成功させてくる!」 咲『お姉ちゃん!?ちょっと待って!冗談だって!!お姉ちゃーん!!』 カンッ?
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トシ(この卓も、一筋縄にいきそうにはないねえ) トシ(様子見しながら、和了っていこうかね) トシ「……ロン、3200」 東二局 咏 100000 親 漫 96800 トシ 103200 良子 100000 漫(東発から直撃とかあかんやろ) 漫(こう見えても私はもう姫松の主将!) 漫(ここで負けとったらみんなに示しがつかんわ!)タンッ! 良子「ロン、8000です」 東三局 咏 100000 漫 88800 親 トシ 103200 良子 108000 咏(ここまで焼き鳥かよ……) 咏(私は勝たなきゃいけねえっつうのによ!)タンッ 咏(この局、でっけえの和了ってやるよ!) 漫「ロン!12000!」 漫「これで原点戻しや!」 咏「う……」 咏(マジかよ……) トシ(次が戒能プロの親か……) トシ(ここで、使っておこうかねェ) 東四局 咏 88000 漫 100800 トシ 103200 親 良子 108000 良子(…………) 良子(手が進まない、ですね) 良子(さっきからムダヅモばかり、これではまるで、インターハイのハツミのようです) トシ「…………」ジロッ 良子(宮守の監督……彼女の師) 良子(おそらく、パワーのソースはあのモノクル) 良子(目的は私の親流しでしょうから、乗っておきましょうか)タン トシ「ロン、12000だね」 トシの【隻眼の老王】の効果が変更されました! 【複合】より、【爆撃】をコピーされました! 【爆撃】(下位) 発動可能回数1回 発動した局のみ、自分の聴牌判定+20、和了判定+70、翻数最低4翻 南一局 親 咏 88000 漫 100800 トシ 115200 良子 96000 トシ(姫松の子はチャンタを軸とした高火力な打ち筋) トシ(私たち相手ならそろそろ爆発してもいい頃だとは思うんだけど……) トシ(こちらの方が、早いみたいだねぇ) 咏「――――ツモ!」 咏「混全帯、小三元、混一、發中、ドラ2!」 咏「12000オール!」 良子(…………) 良子(ここからは、押していきましょうか) 南一局一本場 親 咏 124000 漫 88800 トシ 103200 良子 84000 同コンマのため、流局 南一局二本場 親 咏 124000 漫 88800 トシ 103200 良子 84000 漫(先鋒戦……長いなぁ) 漫(倒してきた先輩方の思いの重圧) 漫(こんなん、インターハイ以来や) 漫(緊張するけど、ここで和了らな!) 漫「ロン!6400は7000!」 漫(この三人に呑まれてまうやろ!) 漫の【爆撃】が発動されました! 南二局 咏 124000 親 漫 95800 トシ 96200 良子 84000 漫(入った!) 漫(混全三色、後はこれでドラが乗ればもっとええんやけど……) 漫「カン!」 漫(うー……ん、乗らんかったか) 漫(他家はまだ誰も動いとらんようやし、リーチはかけずに……) トシ「…………」トン 良子「…………」トン 咏「…………」トン 漫(早速来たな!) 漫「ロン!12000!」 漫(まだまだ続くで!) 【連鎖爆撃】が発動されました! 南二局一本場 咏 112000 親 漫 107800 トシ 96200 良子 84000 良子(……ふむ) 良子(ボンバーガールの流れは、ここで止めておきたいところですね) 良子(…………)ゴッ 良子の【悪待ち】が発動されました! 漫「リーチ!」 トシ(今度は二巡目リーチ……) トシ(塞いでおいた方がよかったかもねぇ) トシ(……どの道、次の局で止まるだろう)タン 漫「ロン!24300!」 トシ(ここが、正念場さね) トシの【防塞】が発動されました! 南二局二本場 咏 112000 親 漫 132100 トシ 71900 良子 84000 良子(……今度はウタに大きい手ですか……) 良子(他の2人に託してみましょう) 良子「チー」 良子「ポン」 良子「……カン」 トシ(なんだい、この鳴き……) トシ(一二三萬をチーして、四索をポン、暗刻の白を大明槓) トシ(切羽詰まりすぎじゃないかね……?) 良子「ポン」 トシ(九索……これで最大でも三翻ってことかぃ) トシ(……?この打ち方、確かインターハイで……) トシ(…………この辺り?)トン 良子「イグザクトリー――――」 良子「ロン、1900」 トシ(他家の大物手を警戒しての鳴き、ね) トシ(一応乗ってはあげたけど、次も成功するとは思わない方がいいよ) トシの【爆撃】が発動されました! 南三局 咏 112000 漫 132100 親 トシ 70000 良子 85900 良子(プロフェッサー熊倉のターンですが……) 良子(挑ませてもらいましょうか) 良子「リーチ」 良子の【大回転リーチ】が発動されました! 良子(また、ムダヅモですか)トン 漫(……なーんか、急に有効牌が来るようになったなー) 漫「カン!」 漫(嶺上牌まで有効牌か……私も捨てたもんやないな!) 良子(また、ですか……)トン 漫「ロン!16000!」 南四局 咏 112000 漫 148100 トシ 70000 親 良子 69900 良子(最下位で次に繋ぐのは極力回避したい……ので) 良子の【悪待ち】が発動されました! 咏(プロと四万点差で勝って、二年生に三万点差をつけられてる) 咏(こんなんで、あのバカに任せられるかよ!) 咏「リーチ!」 恒子「おーっと!ここで三尋木選手がリーチ!」 えり「三暗刻、混一、中で跳満、裏が乗れば倍満まで届くでしょうね」 恒子「学生に好き勝手やられて、大人は何してんでしょうかー」 えり「福与アナ、自重してください」 咏「ロン!12000!」 漫「…………最後の最後で……」 先鋒戦終了 二年生B 136100(+36100) 一年生B 124000(+24000) 教員 70000(-30000) プロ 69900(-30100) 咏「たっだいまぁっー!」 穏乃「おかえりー咏ー!」 淡「次は私の番か~一番だったらもっと楽だったんだけど……」 淡「そっちの方が目立つからいっかー!」 咏「つまり私はお前の温め役だってことかよ、あぁん!?」 淡「実力の面からしてもとーぜんだよ!」 京太郎「はいはい、二人ともそこまでにしとけー」 京太郎「咏は頑張ったんだし、淡は負けないように頑張って来い、喧嘩はひとまず中断だ」ナデナデ 咏「……ちっ、しゃあねえな」 淡「うん、頑張る」 京太郎「よし、じゃあ行って来い!」 淡「リーチ!」 はやり「それロン、12000!」 淡「ちょっ!ってかそれ人和じゃん!二回目じゃん!」 霞「――――ツモ、16000オール」 次鋒戦終了 一年生B 124900(+900) 二年生B 123600(-12500) 教員 83400(+13400) プロ 68100(-1800) 淡「あ、きょうたろー!」 淡「逆転してきたよー!」 京太郎「おう、よく頑張ったな」ナデナデ 淡「んへへ~凄かったでしょ~」 京太郎「ご苦労さん、後は俺と咲が頑張って来る」 京太郎「淡たちは、応援していてくれ」 淡「うん!頑張ってね、きょうたろー!」 京太郎「……あんがとな」 京太郎「んじゃ、行ってくるわ」 淡「行ってらっしゃい!」 京太郎「……あ」 淡「どしたの?」 京太郎「ほんと……さっきはごめん」 淡「もう赦したんだからいーの、じゃあね!」 京太郎「ああ、じゃあな!」 京太郎「さて……っと」 京太郎「俺が一番乗りかな……?」 尭深「…………」ズズッ 京太郎「お久しぶりですね、渋谷さん!」 尭深「……あ」 尭深「久しぶりだね、お兄ちゃん」ニコッ 京太郎「」 京太郎(まだそのノリ続けるの!?とか) 京太郎(今は大人しめなお姉ちゃんキャラがいいです!とか色々ツッコみたいけど) 京太郎(それ以上に可愛いぃぃぃぃぃいいいい!) 京太郎(こちとら先輩ばっかだから後輩とか年下との絡み無いし、あったことないし!) 京太郎(それ故に新鮮、それ故に可愛い!) 京太郎「ブフォッ」 尭深「あ、え、あ……大丈夫、須賀くん?」 京太郎「ええ、大丈夫ですとも……」 京太郎(良かった、お兄ちゃん呼び止めてくれて) 京太郎(さもないと鼻血で死にそうになるわ) 京太郎(……少しさみしいけど) 尭深「席、決めたら……?」 京太郎「そうですね、まだ誰も来ないみたいですし……」チラッ 理沙「!」ピクッ ガクガク 京太郎「の、野依プロ?ドアの前で何を……」 理沙「兄妹水入らず!」プンスカ 理沙「じっ、事情はいろいろある!」プンスカ 京太郎(何か誤解されてた!?) 副将戦開始 東一局 親 京太郎 124900 ※体力9 理沙 68100 ※体力9 善野 83400 ※体力9 尭深 123600 ※体力9 京太郎(……最初っからラッキーだな) 京太郎(ダブリー清一ってなんだこれ) 京太郎(偶に自分が恐くなるぜ) 京太郎(……今回もやってやろうじゃあねえか) 京太郎「リーチ!」キィィィン 京太郎(いきなりクライマックスだぜ!) 善野(須賀くんがダブリー……) 善野(今朝の一件のときもそうやったけど、この子は途轍もない) 善野(このダブリーも、大物手みたいやし) 善野(何とか凌ぎ切ればええな……っと) 京太郎「――――ツモ」 京太郎「ダブリー一発清一、三暗刻」 京太郎「12000オール!」 理沙「!?」 理沙(リザベーション、成功!) 対局者の能力レベルが下がった! 東一局一本場 親 京太郎 160900 ※体力9 理沙 56100 ※体力9 善野 71400 ※体力9 尭深 111600 ※体力9 京太郎(この一年間、いや、八か月か) 京太郎(俺はほぼずっと麻雀をしてきた) 京太郎(色んな人と対局したし、いろんな本も読んできた) 京太郎(その本のうちの一つに書かれてた技術) 京太郎(他の人の力を真似る技術) 京太郎(俺はまだ、全然できていないけど) 京太郎(力を貸してください、憩さん)ピキィィィィイイイン 京太郎(……この手) 京太郎(もうちょい粘れば平和一盃口ドラ2くらいにはなるんじゃないか?) 京太郎(とりあえず聴牌だけでもしとっかな)タン 理沙(須賀……京太郎……) 理沙(いつものツキが無いのも、この人のせい?) 理沙(……そんなわけないっか) 京太郎「……ツモ、600オール」 東一局二本場 親 京太郎 162700 ※体力8 理沙 55500 ※体力8 善野 70800 ※体力9 尭深 111000 ※体力8 京太郎(結局ツモのみで和了しちまった……) 京太郎(連荘狙いってことでいいよな、うん) 京太郎(じゃ、次もそれで行ってみるか!)ゴッ 理沙「カン!」プンスカ 理沙「カン!」プンスカ 理沙(カンドラ二つとも乗らず……!) 善野(野依プロは確か、新道寺の白水鶴田コンビと似たようなオカルト持ちやったっけな) 善野(和了者と翻数を予想するリザベーション、リザベーションというよりかはエクスペクテーション) 善野(なんにせよ、気をつけなあかんやつや……)タン 理沙「ロン!8600!」プンスカ 善野(うっわ……) 東二局 親 京太郎 162700 ※体力8 理沙 64100 ※体力6 善野 62200 ※体力9 尭深 111000 ※体力8 理沙「ツモ!700オール!」プンスカ 理沙(リザベーションは失敗……) 善野(あかんなぁ……白糸台の子がどんどん潤っとる) 善野(なんとかして途切れさせたいんやけど……) 東二局一本場 京太郎 162000 ※体力6 親 理沙 66200 ※体力5 善野 61500 ※体力8 尭深 110300 ※体力6 理沙「けほっ」 理沙「……」タン 善野(ようやく回り始めたかー) 善野(私と打つ人は打てば打つほど体調が悪うなる) 善野(それにつれて配牌やツモも悪うなっていく) 善野(いわば不幸のウイルスみたいなもんや) 善野(このことを知ってるのは郁乃ちゃんか愛宕さんしかおらへん) 善野(まだまだ、私の勝負どころやないんやで) 京太郎「ツモ!500・900!」 東三局 京太郎 163900 ※体力6 理沙 65300 ※体力5 親 善野 61000 ※体力8 尭深 109800 ※体力6 善野(……ん、ツモってもうたか) 善野(ピンピンロク、毎度毎度中途半端な点数やなぁ) 善野(毎局連荘で危ないけど……) 善野(和了っとかな損やろ) 善野「ツモ、3900オール」 理沙(四翻……成功) 東三局一本場 京太郎 163900 ※体力5 理沙 65300 ※体力4 親 善野 61000 ※体力8 尭深 109800 ※体力5 善野(……にしても、やっぱりおかしいのは須賀くんや) 善野(普通、プロともあろうものやったら持っとるはずの一般人とはかけはなれた豪運) 善野(しかし、野依プロが和了ったのはあまり高くないものばかり) 善野(早さも何もない手ばっかやった) 善野(白糸台の子にそんなオカルトがないことは確認済み、有り得るとすれば須賀くんしかおれへん……) 善野(……っと、ホンマか) 善野(また連荘やないか……) 善野「ツモ、6300オール」 東三局二本場 京太郎 157600 ※体力5 理沙 59000 ※体力4 親 善野 79900 ※体力8 尭深 103500 ※体力5 善野(まだ東三局やのに八局も使うとる) 善野(こっからやと少なくともオーラスまで十二局) 善野(あらかじめ国士無双十三面とか仕掛けられとったら危ないなぁ) 善野(……十四牌揃ってまえば、防ぐことのできひん天和) 善野(せやったら、それよりも多く稼くべきやね) 善野「ツモ、2800オール」 東三局二本場 京太郎 154800 ※体力3 理沙 56200 ※体力2 親 善野 88300 ※体力7 尭深 100700 ※体力3 善野(これを和了れば、9600の二本付け) 善野(……さすがにこわいな) 善野(このまま流してみるのもありやろか……) 善野(他の二人もテンパイしてるみたいやし、もうええか……) 東四局二本場 京太郎 156300 ※体力3 理沙 57700 ※体力2 善野 89800 ※体力7 親 尭深 97700 ※体力3 京太郎(善野さんの連荘がようやく終わったか……) 京太郎(……っ) 京太郎(さっきから頭痛がするな、こんなときに何だって言うんだよ) 京太郎(お、っと) 京太郎「ロン、1000は1900です」 京太郎(ようやく折り返しか) 南一局 京太郎 158200 ※体力3 理沙 55800 ※体力2 善野 89800 ※体力7 親 尭深 97700 ※体力3 京太郎(開いてきたリードは、ちゃんと守らないとな) 京太郎(親だし、本気で行くぞ!)ゴッ 京太郎(く……っ) 京太郎(久しぶりだな、この感じ……) 京太郎(力の波に、もまれていく) 京太郎(憩さんの力使った後だっての忘れてたな……) 照『京の力は、海みたいなもの』 京太郎『海?』 照『そう、金色の光を放つ海』 照『京と打っていると、懐かしい気持ちになる』 京太郎『懐かしい気持ち?』 咲『麻雀を始めたころの初めての気持ち』 京太郎『なんだそりゃ?そんなオカルトありえねえっつーの』 桃子『それが京太郎のわけのわからない強さなんっすよ』 京太郎『強さっつっても大して勝ててないし……』 照『それは京の運が悪いだけ』 京太郎『えぇ……』ズーン 照『たとえると、私たちは海の中にいて、京は海の上に立っている』 照『私たちは、麻雀の深みに嵌っていくほど、その奥底で宝物を見つける』 照『だけど、そこから出ることはできなくなる』 照『深みは、高み』 照『高い所を目指せば、色々なものが見えてくるけれど』 照『足元は、見えないんだよ』 照『原点の気持ち、初めての気持ち』 照『京はいつも麓に立っていて、水平線に立っている』 照『京と打っていると、京に呼び止められるような感じがする』 照『そうして、私たちは京に連れ戻されて水平線に立つんだ』 照『海の底から放たれる宝の金の光』 照『水平線を伝い、海に放つ、始まりの朝焼けの金の光』 照『私の鏡から見た景色は、金色を放つ海』 照『それが、京の力』 京太郎(……とか、昔言われた気がするな) 京太郎(俺だって潜ることはできるけど、その時間は短く限られている、とか) 京太郎(よくわかんなかったけど、見てみたいと思った) 京太郎(宝の金色と、朝焼けの金色に挟まれた海) 京太郎(金色を放つ海) 京太郎(俺を、鏡から見た景色) 京太郎(…………ここは、ダメっぽいな) 善野「ツモ、2000・4000」 南二局 京太郎 154200 ※体力2 親 理沙 53800 ※体力1 善野 97800 ※体力7 尭深 95700 ※体力2 理沙「げほっ、ごほっ!」 尭深「ずずっ」ズズッ 京太郎「っ……」 善野(三人とも、もう判断力も十分鈍っとるやろ) 京太郎「カっ、カンっ……!」 善野(須賀くんの手、低そうやな……) 善野(早めに差し込んどこか) 京太郎「ロン、えっと、2900です」 南三局 京太郎 157100 ※体力2 理沙 53800 ※体力1 親 善野 95900 ※体力7 尭深 95700 ※体力2 善野(ああ……でっかいのが迫って来てる感じ、するわ) 善野(こっちのオカルトのが負けそうやな……) 善野(流しとこか) 南四局一本場 京太郎 157100 ※体力0 理沙 53800 ※体力0 善野 95900 ※体力6 親 尭深 95700 ※体力0 尭深(今日は……豊作) 尭深(豊穣は民を癒す) 尭深(癒された民は、土地を豊かにする) 【収穫の時】が発動されました! 京太郎(確か、ここまでの渋谷さんの捨て牌は、白、南、中、白、發、南、中、中、白、發、發、南、南) 京太郎(最大で天和四暗刻単騎大三元字一色の六倍役満……!?) 京太郎(この大会はダブル役満無しやからいいものの、なんだよそれ) 京太郎(オカルトにも程があるだろ!) 尭深「……」トン 善野(案の定、南捨てか……) 善野(字牌一つもあらへんし……こんなん当たっても事故やん)タン 尭深「ロン、48300」 補正が弱くなりました! 南四局二本場 京太郎 157100 理沙 53800 善野 47600 親 尭深 144000 尭深「……」 尭深「カン」 理沙(リーチは無し、今回は引ける牌と、一つでも捨てられる牌を増やそうってことね) 理沙(手牌バレがあるとはいえ、待ちは狭いがわからない) 理沙(……まあ、プロを舐めないでほしい) 理沙(一巡目聴牌は、あの日に見飽きたから!) 理沙「ポン!」 ポン:二筒 尭深「……っ」 理沙(ムダヅモ、その手牌、一巡目の捨て牌でムダヅモになる牌なんて決まっているよね) 理沙「ロン、清一のみ!8600!」 善野(二筒鳴いて地獄間張待ち……か) 京太郎(なんつー豪運……) 理沙「終わり!」ムフー 副将戦終了 一年生 157100 (+32200) 二年生 135400 (+11800) プロ 62400 (-5700) 教員 47600 (-35800) 京太郎「はぁ……疲れた」 京太郎「最初の三倍満のほかに和了ったの小っちゃいのばっかだったし……」 京太郎「俺の三倍満なんて渋谷さんの役満と野依プロの満貫、善野さんの連荘で薄れちゃっただろうし……」 京太郎「春のおっぱいに癒されよう……」 咲「なに落ち込み気味に変なこと言ってるの!」 京太郎「うげぇ、咲ぃ!?」 咲「頑張ってたから褒めようと思ったのに……」ムスッ 京太郎「俺、頑張ってるように見えてたか?」 咲「放銃も少なかったし、良かったと思うよ」 咲「最初の三倍満、かっこよかったよ」ニコッ 京太郎「あ、ああ、そう言われると……なんか照れるな」ポリポリ 咲「じゃあ、ちょっと……」ギュッ 京太郎「さ、咲さん?なんで抱き着いてるんですかね?」 咲「京ちゃんのパワーを……こう、吸うというか……」ムギュー 京太郎「……お前、力弱いな」 咲「昔より握力2kgくらい増えたんだからね!」 京太郎「うわぁ、咲さんったら凶暴ー」 咲「グーで殴るよ?」ニコッ 京太郎「それ恐いんでやめてください、いやマジで」 京太郎「……ねえ、いつまでこうしてるの、お前」 咲「もうそろそろ、かな」 京太郎「鼻水つけたりしたら承知しねーぞ」 咲「京ちゃんは私のこと何だと思ってるの!?」 京太郎「ちんちくりん」 咲「何その評価!?」 京太郎「まあほら、咲は小っちゃくって撫でやすいな、と」ナデナデ 咲「むぅ……」 「各チーム大将の選手は対局室に集合してください」 咲「じゃあ、行ってくるね」 京太郎「ん、任せた」ナデナデ 咲「頑張って来るから、見ててね」ギュッ 京太郎「おう、行ってこい」 /. . . \ /... . . . ヽ . . . . /. . . ヽ . .. /. . . /. . . . /l ハ. . . l. . . /. . . . / | l . . .l. . .| |八{. . .fレ'\ |. . /j. . . . /i. . . | . . .l. . .| ,...---ミ //∧. ハ_〉ぅ `l. . {/. . . ,'斗―|. . . . .リ. . ′ / ̄ ̄⌒>=弍犲ハ 斧ミメ乂 彡イ ./ /. . . . /. / / / ` ̄`} `''’ f斧ミメ イ/./ } 「お待たせいたしました」 _ -―へ ' `''”.∠/// / / / / . 个 ー <r< / / .{ / j i { ¨¨´/' /j 「 \ 二年生Bチーム 大将 r'⌒ | // | ヾ 〃_彡リ | ヽ / ̄` ー--rヘ { 乂〃. ヽ/ ̄/ ̄ ̄`7 / ∧ 神代 小蒔 / /⌒ヽ __/ У / /Y ./ / / У / ./ / ト、 / 〉. / r'  ̄ / / { / / } V 厂ヽ 厶斗- ' __彡 / 乂 / / / ト---<ソ⌒ ./ / }ト、/ / / 〉こ{ / }三ニ=-- --=≦ / } ___ , . . .´ . . . . . . . . . .`丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ / . . . / . . . / /| . . .ハ . . . . . . . . .ヽ ′ . . | . ./}/ |/ V}∧ . . . . . . i . | . . .Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ . | | . | . . .| ー‐'_ __ | . . | | . | . . .| ,ィfチ芋 斧テ式.| . . | | . | . . .|《 V ソ V ソ 》 . . .| (おっぱい、大きいなぁ) | . | . . .ハ , } . . .| | . | . . .l .{ ノ . . | l . . . . | . ヽ. ⊂⊃ / . . . . | プロチーム 大将 | i| . .i . . | . . .i ___ ..ィ .i . i . | . .| {八 . . | . ..| . i .| | . }ノ ./| . | .,′ 小鍛治 健夜 ヽ{\|斗' ー i/._|/|/ -┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ / | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / } --……-- r―‐⌒ヾ \ |∨ \ \ |/゚ 。 \. . . . . . . . . . . . . . . / \ . . . . \ . . . . . . . . . . . . . . 。 // / \ . . . . . . . . . ` .o。 . . . . . . . . . . . i ゚. /イ / . . .イ . . ー┬--- . . . __ .` . .o。 . . . . .|. ..。 i{ | ′ . .'{_|_ . . . | リV . . . . . . } .>匕、 \j--i || |/ . . ∧}リ≫┘o。v――'’xr示=ミト、 . .\}、 リ { . . . .|! ‘, ィ芹≧ュ ’|イi//| 》、 。 . . .ぃ、 「お久しぶりです、小鍛治プロ!」 | . . . . .「`ヽ《乂_゚ツ ゞ= '゚ リ/リ゚。 . .ト、i | . . . .小 , , ' , , / . . .∧ .} リ l. . . . . | }ゝ-! jハ . . . j/} .| 教員チーム 大将 。. . . { { j 八 -==ァ イ }/ j ノ ゚ 。.リ \{≧ュ。. ィ jソ ″ / 赤土 晴絵 ゞ イニ} ` ´ {ニヽ ィニ// ゝ|ニ\_ ┬==≦ニ/ニ7____ __,.|ニニムニニニニニlヽ /ニ|ニニニ/ニニニ|`-―――‐一´|ニニニムニニニニ|ニム. /ニニ |ニ7ニニニニニ| |ニニニニ}ニニニ=|ニム _....................._ ,. ´ ` .、 , ´ ,. \ / / , ´ ヽ / / / , , . .' / / / / ,.イ / | | . | 〃 / /- /-、/ ' ' ' | | | ∧ }'.' /^/ / { / { / / / / } | | | . { | { | , /' /' /イ//' -/、 ' ト . Ⅵ 、{/ィ=ミ、 /' / イ / , | \| 「よろしくお願いします!」 | 从 . . . . . _ /イ / , .| / Ⅵ ' `ヾ / イ /} / ______| 、 「 v . . イ / イ/イ 一年生Bチーム 大将 /<_ \_ `ーr---- =彡j/ {¨7=ミ、< 、 \___〉>、 宮永 咲 _| , ∨、 ` < 、 ∧ | ヽ / ̄ // | }、 . . . \、 . | /〉、 \___ 〃 | / \ . . .\、 Ⅵ /イ ∧  ̄¨/ ∨ `ー ≧='-´ / ハ . / / {二「 } | ' ∧ / . ∧ , / / } / . .〈 .∧ { | , / | / . . . .∧ . | | | 恒子「いよいよ!いぃよいよ!いよいよ!」 えり「なんで三回も言うんですか」 恒子「え……大事なことだから?」 えり「まもなく、プロ・アマ合同戦、決勝戦、大将戦開始です」 恒子「それ私が言うつもりだったのに!」 起家 健夜 62400 小蒔 135400 咲 157100 晴絵 47600 東一局 小蒔(この小娘の身体に憑くのも久しいのう) 健夜「…………」トン 小蒔(……ほう)トン 晴絵「…………」トン 咲「……」トン 小蒔(中々腕の立つ者がおるではないか) 小蒔(あの巫女共に感謝せねばならぬなァ) 小蒔(いざ、行かんや)ゴッ 咲「!」 晴絵「!」 健夜「……」 小蒔「ツモ」 小蒔「3000、6000」 東二局 健夜(永水、霧島の巫女さん……名前は……確か……) 健夜(…………) 健夜(わからないし、無理に思い出す必要もないよね……) 健夜(これは……時間稼ぎに徹しようかな) 健夜「流局です、九種九牌」 東二局一本場 咲(京ちゃん、咏ちゃん、淡ちゃん、みんなが作ってくれた点差、これを守り切れば) 咲(たとえ、勝てなくても) 咲(……負けなければ、いいんだよね)ゴッ 咲「――――ツモ」 咲「700、1300の一本場は800、1400」 東三局 晴絵(宮永咲に神代小蒔、どうやら神代は最高のコンディションみたいだし) 晴絵(宮永の方も、あのチャンピオンの妹だから、下手に攻めたら負けるだろ) 晴絵(堅実に攻めるしかないよなっ!) 小蒔「リーチ」 咲「チー」 晴絵(一発消し、か?) 晴絵(小賢しいけど嫌いじゃないね……うっと、裏目っちゃったかー) 晴絵(神代の和了りパターンとしては染め手が多い) 晴絵(筒子の染め手に直前に出した九萬なら……)トン 小蒔「……ロン、16000」 晴絵(いや……マジか) 東四局 晴絵(ようやく来た親番!) 晴絵「リーチ」 晴絵(和了らせてもらいますよ、小鍛治プロ!) 健夜(今の和了り……) 健夜(狙ってやったのかな……?)トン 晴絵「ロ……ロン!」 晴絵「一発ドラドラ!12000!」 健夜(何してるの私ー!?) 東四局一本場 小蒔「……」ウツラウツラ 小蒔「ハッ」 小蒔(え、もう東四局、ですか?) 小蒔(また、たっぷり寝ちゃっていました……)タン 健夜「ロン、8300です」 小蒔「え……まだ一巡目……ですよ、ね?」 健夜「はい、それが何か?」 南一局 健夜「リーチ」 晴絵(人和に続いて、小鍛治プロのダブリー……マズイな)ゾクッ 晴絵(あの頃を、思い出す……っ!)タン 健夜「ツモ、8000オール」 南一局一本場 健夜「リーチ」 小蒔(初めから……)トン 咲(…………)タン 晴絵(……ふふっ) 晴絵(嫌だな……) 晴絵(まだ、体が怯えている……)ゾクッ 晴絵(来年からまたあの舞台に立つってのにさ……!) 晴絵(今日、克服してやる!) 晴絵「リーチ!」 健夜(一発……ならず)タン 小蒔(な、なんだか、雰囲気が恐いです……)タン 咲「カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「……嶺上ツモ、5200は5500の責任払いです」 南二局 健夜「リーチ」 咲「ポン」 咲「……」タン 晴絵(また一発消し……か?) 晴絵(まあ、無筋の三萬が通るのは、ありがたい!)タン 健夜「ツモ、3000・6000」 南三局 健夜(さっきのは掴まされたツモ) 健夜(あのポンは、ずらすため、その捨て牌は赤土さんのものも通るようにするため) 健夜(……だろうけど、どうしてそんなことをする?) 健夜(そこまで感じたなら、赤土さんか神代さんが振り込むのを待てばいいのに……) 咲「カン」 咲「もいっこ、カン」 咲「ツモ、1500オール」 南三局一本場 晴絵(小鍛治プロも神代も一段落ついたみたいだな……) 晴絵(……もうオーラスまで一歩手前) 晴絵(できれば、このチームで勝ちたい) 晴絵(……どうしても、小鍛治プロには勝ちたい!) 晴絵「リーチ!」 晴絵(十年前の借りを、今ここで返す!) 咲(…………) 健夜(赤土さんとインターハイで打ったのはもう十年前……) 健夜(あのときにへし折ったと思ったんだけど、プロとして復活していて、安心した) 健夜(私が目標だったのかな) 健夜(……そう簡単に、負けてあげるつもりはないよ) 咲「ポン」 晴絵「……」タン 健夜(宮永さん、また……?) 健夜(……赤土さんのツモを狙っても、自分が親被りするだけなのに)タン 咲「ポン」 咲「カン」 晴絵(かき回されてるな……) 晴絵(とは言え、一気にドラ3!さっきからありがたい!)タン 健夜(赤土さんのツモは無かった) 健夜(ツモ狙いでないとすれば、私に振り込ませようとしている……?) 健夜(そんなことするくらいなら、神代さんにした方が有利になるから、違うか……)タン 晴絵「ロン!」 晴絵「リーチ一通、赤2ドラ4……裏裏!」 晴絵「24300!」 健夜(三倍満……!?) 健夜(伍六七筒の一順子に併せて索子の六面張) 健夜(油断しすぎた……っ) オーラス 晴絵(小鍛治プロから倍満と三倍満の直取り!) 晴絵(……よくやったな、私) 晴絵(あの子たちにも、感謝しないと) 晴絵(みんなのおかげで、私はここまで来れた) 晴絵(最後まで勝ち続けてやるよ!) 咲「……」タン 晴絵(混一まで見える手だけど、この白を逃すのは勿体ない……) 晴絵(連荘するか……) 晴絵「ロン!3900!」 オーラス一本場 晴絵「……テンパイ」 健夜「テンパイ」 小蒔「テンパイです」 咲「ノーテン」 オーラス二本場 晴絵(なんとかノーテン罰符で稼げたし、あの二人の満貫も受けずに済んだ……か) 晴絵(まだ……連荘!) 晴絵「ロン!1500は2100!」 オーラス三本場 健夜(宮永さんがしてきた不可解な鳴き) 健夜(東三局のそれは、おそらく赤土さんの危険性を考えたから) 健夜(南二局は、神代さんの収支を減らすために親被りにさせた) 健夜(唯一わからないのが、南三局の鳴き) 健夜(……今まで亜空間殺法の使い手とは打ってきたけど、宮永さんは違う) 健夜(牌を自分の思うように動かすだ、なんてとても私にだってできない) 健夜(それも、全盛期から力を落とした私には無理……) 健夜(まるで全ての牌が透けているかのようなオカルトと、鳴きで牌を動かす技術) 健夜(オカルトと技術から成る完全結晶) 健夜(それが……) -=ニ二ニ ニ二二二二二二二 二二二二 二二 二二ニ ニ二二二 ニ二二二 ニ二 ニ二二ニ ニ二二  ̄ ____  ̄ニ二二ニ ニニ 二二 ニ二ニ ニ二二二二二ニ 二二ニ ニニ 二二 ニ二 ┐  ̄ニ二二二二ニ= ニ二 二ニ 二二 / /  ̄ニ二二二ニ ニ ニ ニ二二 / / /...-―≠ニア{  ̄ニ二ニ ニ二ニ ニ二 /{ / -=<.. 二ニ 二ニ ニニニ ニ ニ二 二{ ∨ -=く \二ニ ニ二 二二二二 二ニニ 二二〉 / \⌒ ニ ニ二二ニ 二ニニ= 二/ / \ \二ニ ニ 二二ニ ニニ= / / / .⌒丶ニ __二二二二ニ ニ= ⌒i | | | | | | | | |乂__ / . |二二ニニ =ニ ニ二| | | l | | l l | | l | l | l l | ̄/ |二二ニニ ニ二. 二| | | l | l l l | l\从 l | l l l/ /二二ニ 二二二ニニ 二|从 | 从八从乂{´廴}乂 从劜 ./二二二二二ニ 二ニ=- 宮永咲…………!! ニニ. 二二)イ 圦 , ∧/---- __ _/二二二二二ニ 二二ニ= 二ニ= =ニ二 ニ= 二}//> . - . イ /´ ̄∨ ̄ ̄\二ニニ 二二ニニ=ニ二二ニ 二二二 ___∠{ | ̄ _」 ./ l| | |__ 二二二ニ ニニニ ニニニ // ∧ .ー―. /} ___ } リ リ =ニ二二二ニニ 二ニ= =ニニニ ノノ \{ {\ . . /ニ/ l/ ̄\__彡'-- 、 \ニニニ==ニ二二ニ 二二 { {  ̄ハニ、 _ _, .//ニニ/ |ニニニニニニニニニニニ二\ \ニニニ二ニ ニ二 二=/\ ___/二|`ー ‐┼┼≦___} -=ニ三三三三ニ=- \ \二ニニ 二二ニ/ / ̄ ̄ 二八 ,{三三三三三三三≫  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` \ニニ 二 ´ /二ニ =ニ二二} \三ニ=- ̄{ ̄ ̄ =ニ二二ニ== \ニニ / / 二ニ ニニニニ| \三三三ニ=- __ -=ニ二二二ニ二/ /二ニ= =二 二二ニ _| /≧=====┬=ニ三三三ニ=- ニニニニニニニ. / =ニニ二二 二二二ニニ/ {廴___/´ / ̄ ‘, ___ .... . -――-/ /ニニニ二二二二____. . | \ ___/ --- ‘, / ./ } _ _ _/ ,/ニニニ / ̄ ̄/ / 人  ̄ ̄ / | \  ̄ / / / 咲「ポン」 咲(麻雀が弱くなった京ちゃんのために編み出した技術、プラスマイナスゼロへの点数調整) 咲(勝ちも負けもしない技術) 咲(今回は使い方も違うし、収支もいつも通りのなら-5だけど……) 咲「カン」 咲(みんなのリードを守る、みんなのために戦っているんだ、って思うと) 咲(こんな打ち方でも) 咲「もいっこ、カン」 咲「ツモ」 咲(すごく、楽しい) 咲「1600・2900」 咲(……そう思える) 最終戦決着 一年生 157300 (+200) 二年生 117800 (-17600) 教員 66600 (+19000) プロ 60800 (-1600) 咲「ただいまー」 京太郎「お疲れ、咲」 淡「お疲れー」 穏乃「お疲れ様!」 春「おつかれ様」 咲「咏ちゃんは?」 京太郎「お母さんから電話だ、って出て行った」 咲「そっかぁ……あ、この後チームのみんなに取材したいって」 淡京「「いやーついに来ちゃったかー」」 淡京「「ようやく私(俺)の良さに気付いたってことだね(な)ー」」ウンウン 咲「あはは……仲良いね」 穏乃「……それって、私が出てもいいのかな」 春「……穏乃も私たちの仲間」 咲「穏乃ちゃん、私たちのこと一生懸命応援してくれてたもん、誰も気にしないよ」 京太郎「そうだそうだ、んな暗いこと考えんの穏乃らしくないぜ」 穏乃「……ありがとね、みんな」 淡「ほら早く行こーよ!サキも、シズも、ハルも!」 穏乃「うん!」 咲「確か……こっちだったっけ」 春「……きょうたろう、来ないの?」 京太郎「ん、ああ、咏が来るまで待つよ。春たちは先に行っててくれ」 春「うん」 咏「咲、ごめ……およ?」 京太郎「他はみんな取材行ってるよ」 咏「あー……おっけー」 咏「んじゃあ、京太郎は私のこと待っててくれてたん?」 京太郎「そうだよ、誰か待ってねーとだし」 京太郎「それに……お前のことも聞きたかったし」 咏「……やっぱり、そーゆーことだったんだねぃ」 咏「あいつ、清々荘、戻っていいって言ってくれたぜぃ」 咏「……あと、京太郎くんと仲良くってね」 京太郎「…………」 咏「……京太郎?」 京太郎「よっっっっっしゃぁぁぁぁぁああああ~~~!」 京太郎「これで、これでみんな戻って来てくれた!」 京太郎「ありがとう、咏!」ギュッ 咏「うわっ、はぁっ、いやっ、ちょっ!」カァァ 京太郎「よかった、よかったぁー!」ギューッ 咏「そ、そんなに抱き着かれたら、匂いとか、心音とか、色々聞こえてきてドキドキするだろ!はははは放せよ!」カァァ 京太郎「嫌だーっ!」ギューッ 咏「いい加減にしろー!」カァァ 京太郎「……ごめん」 咏「TPOを考えろよな」 京太郎「咏が戻って来てくれるのが嬉しくて……つい」 咏「…………」 京太郎「怒ってる……か?」 咏「お、怒ってるわけねーだろ!」 . . -――‐- . .. ´ ` .、 / \ / \ / i | . / | | | | . ′ | | | | | | . l | | . l从 ト、 . | | . | l | | . | \ 、_ _|__\ 」 | . | | l | .|_ _; イ  ̄ ̄__ _,)ハ . | . | | | i l i∧ l___ 斗斧i^狄 | . | | | | | ∧ 「苅 V以 } ノ . . .| i . . | まあ、今度やるときは、もうちょっと雰囲気あるときにっつーか…… | | | iハ |i以 ,,, j/ .| | . . | | | | |. l | ,, ' / | | 从 l八 八 八人 v ´} / 八| \__ \|\ \≧ .. .._ ー/ .イ | . Χ⌒ |\ \ -- / _ -‐<※| | \ \__ _ |/⌒>\/斤/...(※)......リ ト、 i\ 「 ̄` /※)..|| /※|...(※/ |../※).....+...// 八..\ . . .| )' /※)...... ||三三三三三三三|...+.../... { /......(※∨ | /※)..... (※||/..+......|※)l.| ∨※./...(※| /....+./.... Ν /※)..(※)..+ /リ.....(※ノ......从{\{...../...(※)....| /...../... (※|. /※)..+.... (※//......... /......./.. ※)...../....... +(※|'... /.... (※)...| /+....(※).. +...〈/..(※)/...+./※)....+../※)..... +........./..※)... +.. | {※).......+......(※∨.......i..... /.+.....(※/+........(※)../...{...+.......(※).|. ∨...(※)+......(※∨... |......{....(※).../....(※).....+...∨{.... (※/ +...| ∨ ...... (※)......+∨. l‐''┴――┴―――――''| .... /...(※|. |...(※)...+.. (※).∨| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i|..../.. (※).. |. |+........(※)..... +... ‘| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i il../ ...... (※..| 咏「……知らんけど」プイッ 京太郎「えっ?」 咏「は、早く行くぞバカ!」カラコロ 京太郎「ちょ、待てってー」 咏「るっせーっ、バーカ!バーッカ!」カァァ 咏が清々荘に戻ってくることになりました! 京太郎「春のやつ、黒糖こぼしすぎだろ……」 京太郎「淡も寝そべりながらクッキー食べてるから散らかってるし……」 京太郎「……穏乃はあの恰好でソファに座ってたんだよな……」 そう喉を鳴らしながら、俺は一人で控室を片づけていた たった半日とは言えどお世話になった部屋なんだから綺麗にしないとな 咲たちには先に帰っていてくれ、と頼んでおいたので待っている人もいないだろ 京太郎「っし、終わりっと」 控室から出ると、廊下には誰もおらず、それを照らす蛍光灯が寂しさを醸していた フロントに出てみても、ある程度の照明は落とされていて、祭りが終わった後のような物悲しさを感じる 今夜は清々荘でクリスマスパーティー…… 京太郎「やべっ、早く帰らねえと」 チームのメンバーとはまたいつか飯を食べに行こう、今日はあいつらに予定あるだろうし ゆっくりと開く自動ドアの間から、冬の寒風が吹き込んできて、思わず身を震わせる この時期は迂闊に自転車を使えないから困る、越してきてから使ってないけど などと考えつつドアを通って、顔を上げると…… そこには――――
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 【前回までのあらすじ】 宥「お鍋とか食べたね~」 <食べたいね~ <ね~ この一言が発端となった。 灼(また宥さんがわけのわからないこと言い出した) 尭深「さすがに、屋外でお鍋は無理があるかと」 宥「そっか~」ショボ~ン 京太郎「話は聞かせてもらいました!」 宥「あ、京太郎くん」ポヨヨ~ン 尭深「須賀君?」タプ~ン 灼「いったいどこから」ツルペッターン!! 京太郎「……」 京太郎「俺はいつだって鷺森先輩の味方です」ポン 灼「……」イラッ 京太郎「まぁそれはいいとして、ここはひとつ俺に任されてみませんか?」 宥「?」 京太郎「今日のお昼はお鍋にしましょう」 宥「え、いいの?」 京太郎「問題ありません。俺はいつだって宥さん全肯定の論調で語ってますから」 宥「はわわ///」 こうして俺たちの昼食は鍋パーティーとなった。 京太郎「と、見栄を張ったはいいが準備が大変そうだな」 土鍋はある。何故あるのかとかは気にしていけない。少なくともこの世界観においては。 淡「あ! キョータロー!」タタタッ 京太郎「問題は具材だな。買出しに行かないと材料なんてないしな」ブツブツ そういえば亦野先輩の成果はどうなったろうか。鰤とか釣れてるなら是非とも分けてもらいたいが。 淡「あのね! 向こうですっごいキレーな貝殻拾ってね!」ピコピコ 京太郎「とにかく今から買出しに行かないとな」 淡「買出し? 私も行く!」ピョンピョン 京太郎「しかしさすがに今回は一人だと少し厳しいな援軍を呼ぶか」 淡「ねーねー! キョータローってばぁ!」ブンブン 京太郎「けど仮にも先輩たちに頼むのは気が引けるしな」 京太郎「和とはちょっと2人っきりだと顔合わせ辛いし、理由が理由だけに憧にはからかわれそうだし」 京太郎「穏乃はどこか突っ走って行きそうだし、咲は迷いそうだし、優希はタコスだし、空気はそもそも生命体じゃないし」 淡「キョータロオオオオオオーッ!!」 絶叫に近い高音が俺の耳朶を劈く。 音源を捜すと、いつの間にか傍らには淡が立っていた。 京太郎「あ、淡……お前いつか、」 淡「私ってそんな後?」 京太郎「なにが?」 俯いて髪先を弄っている淡。心なしかいつもの元気がない。 淡「私ってそんな後なんだ。その買出しの手伝いに呼ばれる順番みたいなの」 京太郎「え?」 淡「ちょっと傷付いた、かも」グス え、っと。よくわからないが淡はどうやら自分の名前が挙がらなかったことが不満らしい。 京太郎「いや、違っ、これは違くて淡をハブにしたとかじゃなくて」 淡「ホントぅ?」 その上目遣い! 京太郎「お、おう。じゃあなんだったら一緒に行くか?」 淡「良いの!?」パァァ 俺の提案に途端に破顔する淡。 京太郎「いいって言うか、単なる買出しだぞ?」 淡「良いの! ほら行こう! ね?」グイグイ 京太郎「おい、そんな引っ張るなって!」 淡は急にに俺の手を取ると、急き立てながら走り出した。 先生と部長に軽い連絡を入れ終え、俺と淡は並んで海岸沿いの街道を歩く。たしかこの先に小さなスーパーがあったはずだ。 淡「ところで買出しってなに買うの?」 京太郎「昼飯の材料」 覗き込んで尋ねてくる淡に視線を向けながら返答を返す。 淡「あれ? でもお昼は海の売店で買うんじゃんなかったっけ?」ハテ? 京太郎「まぁそうなんだけどちょっと鍋をやることになってな」 淡「鍋ってお鍋?」 京太郎「ああ」 淡「キョータロー頭大丈夫?」 京太郎「失礼だなお前は」 淡「だって夏だよ! 夏真っ盛りだよ!? なんで海に来てお鍋なの?」 なんかそこまで言われるともっともな気がしてきた。 京太郎「いや、でも宥さんがな」 淡「! ……ふーん。ユーの」 あれ? またなんか機嫌が。 淡「むぅ」プクゥ 京太郎「……」 ほっぺが膨れておられる。 なんか地雷踏んだか? 淡「うぅ……」ブルル いきなり淡が身を震わせた。それから両手で肩を抱き身を縮込ませる。 京太郎「寒いのか?」 淡「わかんない」 京太郎「海から上がってちゃんと身体拭いたのか?」 淡「拭いてない」 京太郎「はぁ、ったく」 俺は自分の羽織っていたパーカーを脱ぎ淡に差し出す。 京太郎「これ着とけ」 俺の言葉に目を丸くする淡。 淡「いいの?」 京太郎「無いよりましだろ?」 淡「……ありがと」 手渡した上着をいそいそと羽織る淡。 淡「……」スンスン 京太郎「ちょ、おおい!? なに嗅いどんじゃ!」 淡「キョータロの匂いがする」 やめて! 羞恥プレイはやめて!! 淡「んふふふ~」ニッコニッコ なんかまた機嫌よくなってるし。ちょっと刹那的に生き過ぎじゃないですかね? 淡「それで買うものは?」 京太郎「ん~、とりあえず水、料理酒、みりん、醤油、和風だし、塩、かつおだし……」 京太郎「寄せ鍋のつもりだからこれと言って決まりは無いけどお前なに入れたい?」 淡「野菜はイヤ」 京太郎「わかった野菜はしこたまぶち込もう」 淡「鬼!」 キングクリムゾン! 淡「いっぱい買ったね」 京太郎「大所帯だしな。まぁ余ったら俺が持って帰るさ」 言いつつ袋を持ち直す。もちろん自前のエコバッグである。 淡「重い……」 同じく袋を持とうとしている淡だが、言葉の通り割と大量に買い込んだのでその分だけバッグも重くなっている。 淡の二の腕がぷるぷる震えている。 京太郎「ほら貸せ」 そういって手を差し出す。 淡「え? でもそれじゃあ一緒に来た意味ないし……」 京太郎「でも、お前持って帰れないだろ?」 淡「そうだけど、あ! じゃあこれで!」 そういって袋の両側に着いた取っ手。その両端をそれぞれ俺と淡で片側ずつ持つ。 淡「えへへ、これなら私も持てる」 京太郎「まぁ、いいけど」 事なきを得て肩を並べて帰路に着いた。 海水浴場に戻り買って来たものを折り畳み式のテーブルに置く。 淡「ふい~疲れた」 凝った手首を振り、具合を確かめながら一息つく淡。 京太郎「おう。ご苦労さん」 淡「……」 俺の労いに返事をせず、黙って見上げてくる。 淡「それだけ?」 え? 京太郎「い、いいいいくら欲しいんだ!?」プルプル 財布を取り出し、小銭と札を確認する。 買出しの手伝いしただけなのにお金要求してくるなんて、淡、恐ろしい子!? 淡「違うわアホー!」タタタッ 怒って走り去ってしまった。 っていうか上着返せよ。 誠子「今、淡が走っていたけど須賀君なにかしたの?」 京太郎「あ、亦野先輩」 そこには釣竿を担いだ亦野先輩の姿が。 京太郎「首尾は?」 誠子「上々。……じゃなくて淡になにかしたの?」 京太郎「いや、なんでそこで疑いの余地も無く俺なんですか?」 誠子「そりゃあ、ここ最近の淡の悩みの種はもっぱら君だからさ」 京太郎「?」 亦野先輩の言い振りはいまいち要領を得ない。 誠子「で、いったいなにしたのさ」 京太郎「なにっていうか、」 俺はここまでの経緯を先輩に説明する。 時折頷きながら聞いていた先輩が、得心が行ったとばかりに口を開く。 誠子「それはたぶん褒めてほしいんだよ」 京太郎「え?」 意外な意見に思わず間抜けな声が漏れた。 京太郎「え~っと、たかが買出しの手伝いですよ?」 誠子「そうだね。でも、たとえば淡は1年からレギュラー入りして部活では常に練習練習」 誠子「基本的に新入生がこなす様なそういった雑用はしてこなかった」 誠子「才能を生まれ持ったばっかりにそういった普通の人が当たり前のように経験することを得ないまま育ってしまった」 誠子「だから私たちにとってはなんでも無いことでも淡にとっては大事なこともあるんだ」 京太郎「はぁ……」 誠子「っとまぁ偉そうなこと言ったけどもっと単純に須賀君の役に立ったから褒めてほしいだけかもね。甘えてるんだよ」 京太郎「けど、逆に怒らないかな?」 誠子「それはどうだろうね。けどそれで本当に怒るかどうかは君のほうがわかってるんじゃないかな?」 俺は背中に鉄板仕込んだかのように背筋を伸ばし、敬礼の姿勢を取る。 京太郎「うっす。さすが亦野先輩、ありがとうございます!」 やはり困ったときは2年生だな。約一名を除いて、真っ当な人材が揃ってる。 京太郎「お~い、淡!」 砂利を蹴って砂浜を走る。目標はあまり移動していなかったのかすぐに見付かった。 波打ち際にしゃがみこんで、なにかやっている。 京太郎「なぁおい淡」 俺の声に一瞬肩を震わせた淡はゆっくり立ち上がり、肩越しにこちらを一瞥してくる。 淡「なに?」 淡らしからぬ酷く平坦な声。 京太郎「さっき悪かったよ謝るから、な? こっち向けよ」 渋々という感じを隠そうともせず身体の向きを変える。後ろ手に両手を組み、いじけた様に打ち寄せる水面を蹴る。 京太郎「え~っと、なんだ。買出し手伝ってくれたありがとな?」 淡「……うん」 京太郎「助かったよ。その、偉かったぞ?」ナデナデ 淡「!?///」 そういって俺は淡の髪を撫でた。その瞬間、淡か頬に朱が差し込む。 淡「あ、あわわわ。ああ、あのね!!」 京太郎「うん?」 淡「こここ、これ!」 差し出された右手、その上に載った小さな欠片。 京太郎「貝殻?」 淡「う、うん。その……綺麗だったからキョータローにも見せてあげようと思って」 京太郎「へえ、ホントに綺麗だな」 淡の手から貝殻を受け取り指先で摘むとそれを太陽に翳す。 京太郎「ありがとな、淡」 淡「うん!」 京太郎「さ、戻ろうぜ。腹減っただろ?」 淡「うん。あはは、実はお腹ペコペコ」 そういって淡は少しだけ恥ずかしそうに微笑んだ。 もと来た砂浜を引き返していく俺たち。 淡「あのね、キョータロー」 京太郎「あん?」 淡「私、毎朝キョータロのお味噌汁が飲みたいかも」 京太郎「え、やだよ。めんどくせぇ」 淡「」 【次回予告】 __ . -'" ̄  ̄` 、 / ヽ、 / . . . . . . . \ / . r . ! | ゙. ヽ .\ / . | . !. | | l! ハ. l .ヽ ,' .. |. l ∠L l| l |l | l | ! l ハ ! . l.. |. | /// / /| /l/リTTヽ ! .i! .| , l . . |.. ! !/ "´'" '" ´ l从 ! | ,'l ! | l . | .| l ,ィ==、 ,ィ=、リ! l / l/ l. ! . . | λ ! { .| ´ !. l . . | / | .l """ , "" l . ! , .| . . .| k ! .l ___ | | , . ! ! ハヽl | r.{_ ;ノ ..イ l . ! | ハ !. ト 、 \ヾ _..ィ´ | j . l |'\∨l ト l ` ァ、 ヾ. . ! . | ./ ' . .! .`゙、ヾ\ヾー‐ァtノニヽ | _!_,' ! . . ;.r‐''ヽ ヽ、r''ヾ!ヽ'_/─, | ト-y'/_ | / \\ ヘ\ 〈 ‐(_!ノ'゙ Y / ヽ ,' .! ヽ.\ ∧ _ /l ヽ .| λ / . l Yヽ K_ }、 } ノ l ゙. , . l } ヽ .ヽ. Y \ / Y !. / . ハ ∨ ヽ ,L/ ヽlヽ ヽ ! / . / .ヽ ヽ Y `l 丶 l クロ中尉[First Lieutenant Kuro Matsumi]. (1995~ 日本) グツグツ 憧「煮立ってる」 和「煮立ってますね」 まこ「なんでお前さんはこれを作ろうと思ったんじゃ?」 京太郎「なんででしょうね? 一時の情念に身を委ねると失敗するということを身をもって体現したというか」 久「よくそういう適当な言い訳即座に思い付くわね」 京太郎「そらもちろん部長の教育の賜物ですよ」 久「その、あなたの人格形成の責任の一端を私になすり付けるのやめて」 宥「あったかそう」ニコニコ 京太郎「どうですかこの笑顔。なんかもう……なんでも許せる感じしませんか?」 まこ「まぁ、こんだけ幸せそうじゃとな」 京太郎「いいですねぇ。美人は特ですねぇ」 京太郎「お前は損だな」ポン 咲「京ちゃん、ちょっと向こうでお話しよっか? 大丈夫少しだけ麻雀を交えながら親睦を深めるだけだから」クイクイ 全員『いただきます!』 誠子「あ、でも美味しい。暑いけど」 灼「暑い。けど美味し」 玄「これなら毎日でも食べたいですね!」 菫「え、いや毎日はちょっと……」 和「すみません。タオル取ってもらっていいですか?」 晴絵「お酒がほしくなる」 京太郎「駄目ですよ。帰りも運転あるんですから」 宥「あったか~い」 京太郎「宥さん、土鍋に手ぇ近付けないでください。危ないから」 京太郎「照さんはご飯のときはお菓子食べない」 京太郎「あ! おい優希、鍋にタコス入れようとするな。美味いものに美味いもの足しても必ずしも美味いとは限らねぇから!」 京太郎「淡は春菊を脇に除けない。野菜もちゃんと食べる!」 京太郎「穏乃! 手掴みで食うな!」 憧「全部つっこんだ」 久「まぁ半分仕事みないなものよね」 咲「京ちゃん、うるさい」 京太郎「あ”あ”!?」 咲「……」ツーン 京太郎「ったく」ブツブツ 和「まぁまぁ須賀君も抑えて抑えて」 玄「仲良く食べたほうがご飯も美味しいよ」 玄「京太郎くんも。はい、あーん」アーン 京太郎「え?」 和「な!?」 憧「ちょ、く、玄!?」 玄「え? あ…………はぁ!?」 咲「……」 京太郎「は!? 今、俺絶好の好機を逃したんじゃないか?」 京太郎「『はい、京太郎くんあーん』、『おい、よせよクロみんな見てるだろ?』」 京太郎「『これじゃまるで俺たち恋人同士みたいじゃないか』、『えーうっそーマジー超キモーい』」 和(ミ○キーみたいな声ですね) 京太郎「みたいなさぁわかるこれ? この感じ」 玄「//////」 憧「いや、その声真似は確かに超キモいけど」 京太郎「玄さんにあーんをしてもらいつつ、それを指摘してテレ顔を堪能する。一挙両得」 京太郎「のはずが、素で返してしまったからな。一瞬の判断ミスで人生を棒に振ったな」 和「そんな重大なことですか?」 玄「あの、それくらいならいつでも」モジモジ 京太郎「いえ、意表を突いてもらわないと面白みが無いので結構です」 玄「」 憧「あんた今、自分の人生盛大に棒に振ってるわよ」 京太郎「俺さ。憧のそういう鋭い突っ込み結構好き」 憧「うっさいわ」 チョイチョイ 京太郎「ん?」 尭深「あーん」 京太郎「……」 京太郎「あーん」モグモグ 尭深「美味しい?」 京太郎「うーん…………美味い!」\テーレッテレー/ 尭深「よかった」ニコ 京太郎「ふむ……」 京太郎「これだよこれ」 憧「なにが?」 咲「……」 京太郎「だから咲。無言なのは怖いよ?」 京太郎「スイカ割りやるべー!」 穏乃「スイカ割りやるべー!」 スイカを掲げながら小躍りする俺と穏乃。 海に来たらなにやる? スイカ割りっしょ! 優希「いつの間にスイカなんて用意したんだ?」 京太郎「ん? ん~……さっか?」 憧「答える気ゼロね」 穏乃「ねー京太郎ー。スイカどの辺に置く?」 アコスとタコスとくだらない問答をしていた俺をよそに穏乃はすでにスイカのポジショニングに入っていた。 穏乃ってなんか自分のやりたい事とかにすごいやる気の生産性を見せるよね。 その瞬発力に乾杯。 穏乃「あ、でも下にシートとか敷いた方が良いよね? 衛生的に」 衛生……だと? 京太郎「なんか似つかわしくない単語来たな」 穏乃「え?」 京太郎「いや、なんでもない」 泥だらけの手で松ぼっくりとか齧ってそうとか言ったら怒られそう。 京太郎「さて、スイカの位置も定まったところでここからが本番」 口元を歪めて笑う。 京太郎「誰を支配下におきたい?」 和「なんで一々そういう言い方をするんですか?」 憧「じゃあ京太郎で」ピッ 優希「犬は常に私の支配下だじぇ」ピッ 穏乃「なら最初は京太郎で良いんじゃないかな?」ピッ 咲「……」スッ」 和「ではここは多数決で須賀君ということで」 京太郎「民主主義なんてクソ喰らえだな」 和「では共産主義の国にでも政治亡命しますか?」 京太郎「バカと俺が同等に扱われる国なんて真っ平ごめんだね」 目隠しをされ、手には木刀……は、なかったので柄に『四万十川工房』と彫られた棒を持って砂浜に立つ。 スイカ割りの戦士、須賀京太郎。すなわち俺。 京太郎「さぁどっからでも来い!」 咲「京ちゃん、こっち。こっち!」パンパン こっちってどっち? 憧「京太郎、前!」 京太郎「……」スタスタ 優希「止まれ!」 京太郎「……」ピタ 穏乃「しゃがめ!」 京太郎「……」スッ 穏乃「バック宙!」 京太郎「出来るかぁ!?」ボスッ 投げ捨てた棒切れが鈍い音とともに砂浜に突き刺さる。 穏乃「次、私ー!」 無能の烙印を押され地面にうな垂れる俺を放っておいて、さっさとゲームを進めていく女性陣。 和「穏乃もっと右です」 穏乃「右ってどっち!?」 優希「お箸を持つほうだじぇ! 穏乃「お箸を持つほうってどっち!?」 和「右です」 穏乃「なるほど!」 大丈夫かこいつ? 憧「シズ! 違うそっちじゃなくて、もっと……ああっ!?」 穏乃「チェストー!」 転瞬、後頭部に鈍痛。 穏乃「あれ?」 俺の身体は真夏の熱い砂浜にノックダウンした。 目を開けると、世界が90度傾いていた。 後頭部に鈍痛。そうか、俺は穏乃の放った誤射で昏倒させられたのか。 …………あの野郎。後で泣かす。 それはそれとしてこの頬っぺたに張り付く柔っこい人肌は……? 京太郎「……」チラッ 咲「……あ」 視線が絡まる。 京太郎「なんだぁ。咲かぁ……」 ドスッ 京太郎「ぐふっ!?」 咲「ふん!」 京太郎「ってなことがありましてね」 誠子「ふ~ん」 近くの埠頭。亦野先輩が釣り糸を垂らすその横で、俺は体操座りをして海を眺めていた。 誠子「で、気が付いたらここにいたと」 京太郎「まぁ、はい」 誠子「便利な場面転換だね」 やだ、辛辣。 京太郎「あ、これスイカです」 誠子「こりゃどうも」 俺たちは並んでスイカを齧る。(俺が寝てる間に)割ったものではなく後できちんと切り分けたものだ。 誠子「うん。冷たくて美味しいね」シャクシャク 京太郎「ですね」シャクシャク 京太郎「ビーチバレーやるべー!」 淡「ビーチバレーやるべー!」 ビーチボールを掲げて小躍りする俺と淡。 憧「私、パース。疲れちゃった」 和「私も少し休憩しますね」 ああ、和がパラソルの下へと去って行く。 京太郎「ちぃ……」 玄「う~む……」 京太郎「……」チラッ 玄「……」チラッ ガシッ 俺たちは硬い握手を交わした。それはおそらく穢れのない天上の風景だっただろう。 菫「はぁ!」スパーン! 菫先輩の放った鋭いスパイクが地面に突き刺さる。 京太郎「く、さすが白糸台のシャープシューター括弧笑い」 菫「京太郎、次言ったら顔面を打ち抜く」 京太郎「はい」 照「ふっ!」ギュルルルルル 高速回転する右腕から繰り出されるサーブ。予測不能な軌道を取るビーチボールが迫る。 玄「させません!」 玄さんの手首が翻り、ボールの乱回転をいなしながら打ち返す。 ボールは上ではなく、横に軌道を取りネットの脇を迂回しながら疾走していく。 照「ポール回し!?」 そんなんありかよ。 玄「名付けて、玄スネイクなのです」キュピーン! なにそのドヤ顔。 淡「あまい!」 意表を突いた玄さんの奇策も、うねり猛る淡の髪に絡め取られていた。 京太郎「いや、ボール持っちゃったらそれ反則だろ」 淡「あわっ!?」ズコーン 熱月の夢! 白熱の終章! これを取った方がマッチポイント。つまりオーラス! 菫「照!」 照「はい!」ポスッ 照さんのナイスアシストを貰い、菫先輩が再び空に舞う。弾むおもち! 菫「せい!」スパーン しまった!? あまりにすばらな光景につい見惚れてしまい、反応が一瞬遅れた! 俺の脇を抜け、ひとつの影が躍る。それは今まで沈黙を保ち、アシストに徹していた鷺森先輩だった。 灼「はっ!」 鋭い一喝とともに突き出される右腕。その先端、親指と中指、そして薬指がビーチボールを貫通した。 ……………………は? 弾力破断限界を越え、ビーチボールが乾いた音を上げて爆ぜる。 灼「ふぅ……間一髪」 なにが? 玄「すごいよ灼ちゃん!」 照「見事な刺突だった」bグッ 菫「出来るなら是非、うちにほしい逸材だ」ウンウン 淡「ねーねーアラタ。もっかい、もっかいやって!」 灼「あ、いや。その……///」カァァ 持て囃す皆々様。照れる先輩。取り残される俺。 俺がおかしいのかなぁ? これ、俺がおかしいのかなぁ? なんかみんなちょっと常軌を逸し過ぎてない? 突込みが追いつかないんだけど。 やめるか。この面子に一々突っ込んでたら切りないからな。 菫「ボールが無くなってしまった」 まぁな。っていうか、菫先輩は常識人の、こちら側の人間だと思ってたのに酷い裏切りだよ。こんなのってないよ。 淡「新しいの取ってくる!」 駆け出す淡。 京太郎「おい、ちゃんと前見ないと」 言うな否や、 玄「きゃうっ!?」 淡「あわん!?」 近くにいた玄さんにぶつかった。 跳ねる肢体。撓む身体。弾むおもち(二回目)。 解れる結び目。零れる、……えっ!? 玄「はうっ!?///」 咄嗟に胸元を押さえる玄さん。吸い寄せられそうになる視線を気合で逸らす。 玄「み、見た……?///」 顔を真っ赤にしながら恨みがましい目で問うて来る玄さん。 京太郎「……」ブンブン 千切れんばかりに首を振る俺。 女性陣「……」ジトォ 疑わしいと言わんばかりにねめつけて来る。これ俺の所為か? 玄「k、京太郎くんはもう大人だから……、玄の裸を見てもいやらしい気持ちになったりは、しないんだよね?///」 ん? いや待て、俺は常識人として振舞いたいね。ここが紳士と変態の分水嶺。 京太郎「大丈夫ッス。僕、そういうの興味ないんで」 完璧。これなら俺に掛けられた嫌疑、も……。 玄「ふ、ふふふ……あはは、興味ないんだぁ?」 あれ? なにこの空気? 京太郎「ってかあれ、みんなどこ行った?」 気付けば、回りには俺と玄さん以外誰もいなくなっていた。普段なら鬱陶しいくらい絡んだ来る淡や照さんの姿もない。 玄「あははははは」 哄笑する玄さん。煌めく銀色。…………え? 玄「ザックリザックリwwwwwザックリザックリwwwwwwザックリザックリwwwwwwザックリザックリwwwwwザックリザックリwwwザックリザックリwww」 玄「ザックリヨイショwwwwwザックリヨイショwwwwザックリヨイショwwwwwwwwコレハドウカナァ?wwwww蛇翼崩天刃!」ザシュザシュザシュザシュ 京太郎「玄さん、それ、蛇違いや……」 玄「千魂冥烙……」 ポロリもあるよ!(俺の首が) けど痛くないよ!(即死だから) 京太郎「はぁっ!?」ガバッ 急激に意識が覚醒。コンクリ床の上で俺は勢いよく上体を起こす。 誠子「あ、起きた?」 京太郎「はぁ……はぁ……あれ?」 そこは亦野先輩が釣りをしていた埠頭。 誠子「大丈夫? すごい汗だけど」 京太郎「え? あぁ……」 頬を伝う雫を手の甲で拭う。 誠子「うなされてたけど、いやな夢でも見たの?」 京太郎「ええ、まぁ、はい。なんか、バタフライナイフと鎖持った玄さんに追い掛け回される夢見ちゃったよ」 俺は頭を振り、悪夢を追い払う。 京太郎「そんなわけないですよね。いつもにこにこしてて優しい玄さんに限って」 誠子「あはは、まぁ、ね?」 京太郎「なんか、ここ来てからおかしな事ばかり起きてる気がする」 誠子「ねぇ須賀君。ここから何が見える?」 京太郎「はい?」 亦野先輩が指差す先。そこに広がるのは……。 京太郎「海、ですか」 誠子「そう。私はね、昔からなにかあると海を眺めに行ってたんだ」 誠子「私は白糸台の中じゃあ凡人な方だし、そうでなくても昔からなにをやるにも失敗は付いて回ったからね」 誠子「だから落ち込んだことがあると、こうやってよく海を眺めてたんだ」 誠子「そうすると、なんだか自分の悩みが酷く小さなものに思えてね。また次もがんばろうってそんな気になれるんだ」 京太郎「それが高じて釣りが趣味になったんですか?」 誠子「はは、まぁね」 誠子「だからまぁ、君もここでしばらく海を眺めて行くと良いよ」 青い空。白い雲。寄せてはかえす潮騒。果てしなく続く水平線。 ささくれた心が凪いでいくようだった。 京太郎「先輩」 誠子「ん?」 京太郎「ありがとうございます」 誠子「これでも年上だからね」 京太郎「はは、ご尤も」 顔を見合わせて笑う。穏やかな笑みだった。 誠子「むっ!?」 柔和だった先輩の表情が引き締まる。それに合わせて俺たちを取り巻いていた空気が帯電して行く。 誠子「掛かった!」 先輩の声に導かれ垂らされていた釣り糸を見る。それは先程のまでの緩んだものではなく、 獲物が掛かったことを告げるように強く張られていた。 誠子「これは、大きそう!」 苦々しく呟きながら先輩の顔が強張る。俺は置かれていた釣り用タモを手に取る。 誠子「それはいいから今はこっちを手伝って!」 先輩の声に俺はタモを投げ出し、竿を握る先輩の手に自身の手のひらを重ね竿を立てる。 獲物も必死で抵抗する。海面に連なる釣り糸が右へ左へと激しく動く。 竿を持っていかれそうになるのを踏ん張りながら耐える。先輩の手は必死で竿を起こしながらリールを手早く巻き取っていた。 海面に魚影が浮かび上がってくる。これはなかなかの大物だ。目算で50cm前後。 ここで一か八か。 京太郎「先輩、ここは俺に任せてください!」 誠子「任せててって?」 京太郎「こうするんですよ! …………とぅ!」 俺は先輩から身を離し迷わず海へ飛び込んだ。 誠子「……………………………………………………へ?」 ワー! キャー! 和「なにやら騒がしいですね」 咲「どうかしたのかな?」 穏乃「大変大変! 海で誰か溺れてるんだって!」 憧「えぇ!?」 晴絵「うちの子たちは全員いる!?」 晴絵「各校の部長は点呼取って」 灼「阿知賀は全員いる」 久「清澄も、あら? 須賀君は!?」 菫「うちに亦野もいない」 照「誠子は埠頭のほうに行ってた。京ちゃんがそっちに行ったのを見たからたぶん2人は一緒に」 淡「そんな! セーコ先輩とキョータローが」 菫「落ち着け、あの2人に限ってそんなことは……」 灼「でも、もしかしたらってことも」 晴絵「私は現場に行ってくる。あんたらはここ待機いいね?」 灼「ん…」コク 久「はい」 菫「わかりました」 晴絵「2人ともどうか……」ボソ タタタタッ 咲(…………京ちゃん) オイ、アレウイテルノヒトジャナイカ!? ライフセーバーマダカヨ!? 晴絵「どいて、どいてください!」 そこで目にしたのは波に揺られる人影。 遠くて見辛いが、それは辛うじて金髪だと判断できる。 晴絵「まさか、ホントに須賀君!?」 咲「そんなっ!?」 思わぬ声に、晴絵は脇を振り返る。 晴絵「宮永さん! 待ってろって言ったでしょ!?」 咲「だって私! 京ちゃんと仲直りしてないんです! なのに、なのにこんなのって……!」 咲は涙を零しながら海水を掻き分け、海へ入って行こうとする。 晴絵「バカ! 素人が勝手なことするんじゃない!」 咲は静止の声を振り切り、大切な人の許へ駆け出していた。 誠子「いやー、須賀君がテトラポットに頭から激突していった時はさすがにどうしようかと思ったよ」 京太郎「あはは、まさか俺も埠頭の先から海まであんな距離があるとは思いませんでしたよ」ダラダラ 誠子「ところでまだ血、止まってないけど大丈夫?」 京太郎「大丈夫大丈夫。こう見えて血の気は多いほうなんで」 誠子「そっかそっか。でもおかげで大物が釣れて良かったよ。これは竿頭は須賀君に譲らないといけないかなぁ」 京太郎「よしてくださいよ。俺はただ手伝っただけなんですから」 ワー! キャー! オンナノコガー! 京太郎「なんか騒がしいですね」 誠子「なにかあったのかな?」 京太郎「ちょっと見てきますね? すみませーん、なにかあったんですか?」 晴絵「どうする。私が行くか? けど私まで溺れたら、誰が……くそっ情けない!」 京太郎「先生? どうしたんですか?」 晴絵「ああ、実は須賀君が海で溺れたらしくてそれは助けるために宮永さんが海に」 京太郎「なにぃ!? 俺を助けるために咲が海に!?」 言うが早いか、京太郎は荷物をその場に放り出し海へと駆け込んでいった。 晴絵「あれ!? 須賀君!?」 誠子「あの、先生。どうかしたんですか?」 晴絵「あれあれ? 亦野さん?」 誠子「はい、亦野ですけど?」 晴絵「あれー?」 咲(京ちゃん! 京ちゃん!!) 咲は必死に泳いだ。 泳ぎどころか、運動すら得意とはいえない自分だけどそれでもなお懸命に手足を動かした。 けれど大自然のうねりの前に非力な少女一人の力など矮小に過ぎた。 日が傾きはじめことにで海面が上昇し、波が高くなっていたのだ。 しかし遂に、咲は水面のに漂うそれへと手をかけた。 大切な人への思いが限界以上の力を発揮したのだ。 咲「京ちゃん! 大丈、……え?」 咲の掴んだそれは、幼馴染の少年でもなんでもなく単なるマネキンだった。 デパートの服売り場で悠然と佇んでいる様などこにでもある人形。 水難事故は誤報だった。 安堵と、それを上回る虚脱感。全身の一気に抜けた。 その瞬間、まるで悪意あるもののように迫る高波が咲の身体を頭上から飲み込んだ。 俺は咲の向かった方角に走り出し、波打ち際の水面を蹴り上げたところで急制動。 視線を巡らせ、目当てのものを探す。 あった。 京太郎「すみません! それ貰っていいですか?」 若い男女の女の方が手に持っていたものを指差す。 女「え? こ、これ?」 それは飲みかけのペットボトルだった。 俺は強く頷く。その剣幕に押されて、女はペットボトルを差し出してくる。 手早く栓を外し中身をすべて地面に流す。そして再び栓をすると、それを握りしめながら駆け出した。 後方からなにやら声が掛かるがすべて無視。 京太郎(待ってろ咲!) 海中を進み、足がつかなくなったあたりから泳ぎに移行。 片手が塞がっているが、染谷先輩に習った古式立ち泳法を混ぜた泳ぎでなんとか進む。 一秒でも早く。咲の許に! 先行していた咲の姿が高波に飲まれる瞬間が目に入る。 焦る気持ちを精神力で抑え、なんとか距離を詰める。 海上に潜水艦の潜望鏡のように出していた頭部を引き下げ、潜水に移行。海中に沈んだ咲の姿を探す。 いた。少し流されたようだがおおよそ右手前方二時十三分の方向、目算で8メートル。 俺は海水を掻き分け、身体を水平に移動。 咲はまだ沈んで間もないため、辛うじて意識が残っているようで必死に手足をバタつかせている。 ここだ。ここからがもっとも神経を使う作業となる。 水難事故で最も恐ろしいのは二次災害だ。 たとえば、よくありがちなケースとして溺れた子供を大人がすぐに飛び込んで泳いで助けに行く。 っというのはよくある話だが、実はこれは最もやってはいけないことである。 水に溺れた遭難者は基本的にパニック状態に陥っているため助けに来た救助者に必死にしがみ付こうとしたりして暴れるため、 それによって救助者が逆に水に引きずり込まれまとめて溺れてしまうことになりかねないからだ。 極論からいえば、遭難者が気を失ってから助けに行くのが安全なのだが生憎、 目の前で苦しんでいる咲を放って置けるほど俺の気は長いほうではない。 俺は手に持っていた500ミリリットルの空のペットボトルの感触を確かめる。 本来なら1,5リットルのくらいの方がいいのだが仕方がない。っというかそもそも浮き輪なりなんなりを借りてくればよかった。 やはり、自分で考えている以上に俺は冷静ではないらしい。 慎重に咲へと近付いていく。 暴れる両手にぶつからない様に迂回しつつ、背中側に周り腰に腕を回す。 鼻先を手の甲が掠める感触に鼻の奥が熱くなるが、懸命の堪えて海上を目指す。 咲の左の肘が俺の脇腹を打つ。肺から気管支を抜けて呼気が抜けていき、俺たちよりも一足先に気泡が昇っていく。 三半規管の混乱を押さえ込み脚で水を蹴ってさらに上昇。 どうやら体力が限界に近いらしく咲の動きが次第に弱まってくる。 ここで手にしていたペットボトルを咲の顎下に添える。 これは所謂、『浮き』の役割で即席の救命具だ。 海面の表面張力を突き破り、俺たちはなんとか海上へと顔を出した。 貪るように酸素を吸い込む。口を開閉させ、肩を上下させながら全身で空気を取り込む。 俺に抱きかかえられた咲は、一度大きくむせ返り鼻と口から海水を吐き出す。 それから一呼吸置いて弱々しいながらもなんとか自力で呼吸していた。 安堵の溜息。なんとか最悪の事態は回避できた。 両手が塞がっているため、バタ足しかできないがそれでなんとか水を蹴って沖を目指す。 腕の中に納まる咲に目をやると、濡れた睫毛が微かに震える。 咲「ん……あれ?」 視界に靄がかかったように焦点が定まらず茫々と宙を泳いでいる。 泳いでるのは俺なんだけどね。なんて冗句が浮かんでくるくらいには心身ともに回復してきた。 いや、身体は疲れきっているが咲の無事がわかっただけでも俺にとっては活力元となる。 京太郎「気付いたか?」 咲「京ちゃ、え!? なんで?」 京太郎「いいから、もうしばらく大人しくしてろ」 咲「う、うん」 いろいろ問い詰めたいんだろうが身体が疲れきっているため今は俺の言葉に従い口を噤む。 問い詰めたいのは俺のほうだと言いたいが、俺もおしゃべりで無駄な体力の消耗は避けたい。 突如発生した高波の身体が煽られる。 咲を放すまいと腕に力を込める。甲高い悲鳴。 咲「ちょ、ちょっと! どこ触って!?」 京太郎「どこも触ってねぇよ! いいから大人しくしてろ」 またも波に飲まれそうになる。波濤が渦を巻き、俺たちに覆いかぶさって来る。 咲「うひゃぁ!?」 顔を真っ赤にしながら溺れかけていたとき以上の勢いで手足を暴れさせる咲。 京太郎「バカ! だから暴れんなって!」 咲「だって京ちゃんがぁ!?」 再び左の脇腹に鈍痛。先程打ち付けられた部分と寸分違わず同位置に打ち込まれた。 わざとでは断じてないだろうが、自分の運の悪さが腹立たしい。 京太郎「落ち着け! なにもしない。もうすぐ陸だ、かっつ!?」 俺の言葉はそこで途切れた。 おわかりいただけるだろうか? 咲の脚が男の人体急所、即ち股間を正確の打ち据えた。 全身を打ち抜く激痛。視界に火花が散る。尾?骨のあたりから力が抜くていく。 普段の俺なら激痛に悶えるだけで済んだだろうが、いろいろ限界が来ていた俺に止めを刺すには十二分に過ぎた。 咲「あ、あれ? 京ちゃん?」 事態が飲み込めない咲が、急に弱まった拘束に疑問を感じこちらを振り返ってくる。 最早、返事を返すことすらできない。 薄れ行く意識の中、目にしたのは泣きそうな顔の咲。 ああ、そんな顔すんなよ。俺は大丈夫だから。 視界の空が減り、減った分を水の青さが増していく。 再び海中に沈んでいき、意識が暗黒へと混濁していった。 頭が頭髪の先まで沈みきり、最後に掲げていた右手を誰から触れた気がした。 ?「京ちゃん!」 誰だ? ?「京ちゃん!!」 誰かが俺の名前を呼んでいる。 暗闇が裂け、光が漏れ入ってくる。 自分が目蓋を開きかけているんだと気付き、そのまま一気に開け切る。 差し込む光量に、一瞬網膜が灼かれるがすぐに眼球が明度調整を行い、それに合わせて視界が戻ってくる。 目の前にあったのは唇。 小皺の見える鼻梁。 シミの浮いた浅黒い肌。 顎先にたくわえた髭。 白んだ眉毛。 禿げ上がった額。 それらをパーツとしたどう見ても中年男性の顔面が俺へと迫った来る。 京太郎「うわああああああああああああっ!?」 その横っ面を盛大に殴り飛ばしてしまった。 いや、だって……おえ、夢に出そう…………。 ?「ほう? 元気そうじゃないか?」 声とともに起き上がってきたのは、 京太郎「大沼プロ!?」 大沼「如何にも、ワシだ」 京太郎「え、あれ? なんで大沼プロが?」 大沼「決まっておるだろう。お前の貞操をいただくためだ」ジュルリ 京太郎「」 次回。 【たった一人の最終決戦】 白い砂浜。青い空。微細な違和感。 大沼「ははは、これー! 待たんかー!」 京太郎「来るなああああああああああああああああっ!?」 追いかけて来るホモ(中年)。 なに? なんなの!? なんで俺がこんな目に合ってるの!? 大沼「聞けぃ小僧!」 京太郎「っ!?」 先程の猫撫で声とは違う大沼のおっさんの突然の恫喝に思わず立ち止まる。 大沼「今、お前は死の危機に瀕しておる」 京太郎「どういう、ことだ?」 大沼「ここは此岸と彼岸の境界。言わばお前さんが見ておる明晰夢のようなものだ」 京太郎「明晰夢?」 確か、見ている本人が夢を夢と自覚しながら見る夢のことだったか? メカニズムとしては思考、意識、長期記憶などに関連する前頭葉が 海馬と連携して覚醒時に入力された情報を整理する前段階において、 前頭葉が半覚醒状態のために起こるとかどうとか。 言われてなるほどと思う。 身体を取り巻く鉛が纏わりついているような、独特の身体感覚のおかしさは夢の中のそれだ。 大沼「お前は今、海で水難事故に遭い生死の境を彷徨っている」 京太郎「……」 そうか、俺は俺を助けようとして海に飛び込んだ咲を追ってなんやかんやあって咲に……。 あの野郎。 大沼「日本とシアトルでは救命率がまるで違う。なぜかわかるか?」 京太郎「?」 大沼「日本の救急車はたとえば、緊急の走行中に目の前に別の車両が現れるとブレーキを踏む」 大沼「だがシアトルの救急車はノーブレーキで突っ込んでくる」 大沼「だから皆、臆して救急車を避けるから日本とシアトルでは救命率がまるで違う」 京太郎「? それとこの状況とどんな関係がある?」 大沼「…………ないな」 京太郎「……」 なぜ俺の周りには会話の前と後で論点がおかしい人間ばかりなのだろうか。 類は共を呼ぶ。ではない。っと思う……たぶん、きっと……。 大沼「ははは、すまんすまん」 大沼のおっさんは照れたように頬を掻きながら笑う。 京太郎「やめろ。中年のおっさんの照れ笑いを微笑ましいと思えるような奇特な趣味はないんだ」 大沼「貴様の引き締まった臀部を撫で回しながら、その菊門にワシのいきり立ったイチモツを捻じ込m」 京太郎「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」 おっさん(ホモ)の汚らわしい腐れ妄想を俺の絶叫が打ち消す。 京太郎「とにかく、そういうことなら俺は帰らせてもらうぜ」 踵を返しその場を後にしようとする。 明晰夢は見るのは難しいが覚めるの簡単だと聞く。このおっさんとの物理的な距離は関係ないが、なんとなくこの場にはいたくない。 大沼「帰ってどうする?」 京太郎「なに?」 大沼の挑むような声に、俺はつい振り返ってしまった。 大沼「帰ったところでお前に居場所はあるのか?」 大沼「すべての人間は部品だ。その部品が組み合わされことで世界が成立している」 大沼「だが、お前はどうだ? 物語の主筋に関わらない」 大沼「人数合わせの背景役の一人でしかないお前があの場に戻ってそれにどれ程の価値があるのだ?」 大沼の言葉に俺は打ちのめされていた。 確かにその通りだった。咲たちが輝かしい栄光をと賛美を浴びる一方で俺は県大会初戦敗退という、 なんの価値もない結果しか残せなかった。 初心者だから、などという言葉は言い訳にもならない。 結果がすべてなのだ。努力した人間すべてが評価されるなどそんなことはありえない。 大沼「戻ったところで辛いだけだ。ならこの場に留まり、ワシと肉欲の限りを尽くすほうが建設的だ」 その言葉はまるで甘露のように俺の身の内に甘く染み込んでくる。 そうなのだろうか? そうすることが正解なのだろうか? 『京ちゃん』 弾かれたように顔を上げる。 中空に気泡が浮かんでいた。その内側には懐かしい思い出たちが投影されていた。 京太郎「悪いなおっさん。やっぱ俺は帰らなくちゃいけないみたいだ」 大沼「ほう?」 京太郎「俺が側にいないとさぁ、咲が泣いちまうんだよ!」 大沼「だが、そうかといってお前を帰すとでも思っているのか?」 話を最後まで聞かず、俺は砂利を蹴り立てて前方へ疾走。 京太郎「こういうわけのわからない状況ってのは、大体その場に現れた奴をぶっ飛ばせば目が覚めるって規約というか相場があるよな!」 一気に間合いを詰め、互いの殺傷圏が衝突。 身を捻りながら背中から肉薄。身体ごと旋回させ右足を軸に裂帛の回し蹴りを叩き込む。 だが大沼は数歩横に移動しただけで俺の蹴りを躱す。 左に上体が流れたその勢いを利用して、地を舐めるよな下段からの右拳の打ち上げを大沼は状態を逸らしただけで難なく回避。 詰め寄った大沼が俺の眼前に掌を翳し、視界を封殺。反射的に動きを止めた俺の右側頭部に、そのまま裏拳が打ち込まれる。 さらにその動きに合わせて、砂利に踏み締めていた俺の軸足を捌く。 空手における禁じ手の一つで、頭部を左側、軸足を右側に弾くことで視界と身体が半回転。 このままでは垂直に頭から地面に落ちる!? ……ことはなく上下を逆さまにされたまま足を掴まれ宙吊りの状態にされる。 見上げる俺の決死の視線と、大沼の余裕の笑みが絡み合う。 そのまま背後へ放り投げられた。空中で内臓が浮く感覚に全身が総毛立つ。 懸命に身を捻り、両手両脚で砂浜を削りながら手負いの四足獣の姿勢で急制動。 視線の先。大沼秋一郎はただ悠然と佇んでいた。 その余裕の態度が癪に障る。 体勢を立て直し、爪先で間合いを詰めながら接近。相手の呼吸に合わせ不意を突いて加速。 颶風を纏いながら疾駆。再び拳と蹴りの旋風を見舞ってやる。 だが大沼はそのすべてに反応し、完璧に対応して見せた。 京太郎「はぁ……はぁ…………」 俺の方だけが一方的に消耗していた。 大沼「わかったろう? お前は現実でも夢でも誰にも勝てない。指一本触れることもできず、ただ敗北に打ちのめされるだけだ」 どうする? 小技で攻めてもすべて対処される。 となれば対処しきれない程の飽和攻撃で一気に攻めきるしかない。 あれをやってみるか。 背筋を伸ばし、深く息を吸い込む。咲、俺に力を貸してくれ。 京太郎「確かに、俺にはこれといって秀でた才能はないし、英雄のような勇ましさも賢者のような賢明さも聖人のような高潔さもない」 京太郎「けどなぁおっさん。そんな平凡な俺のくだらない冗句を笑ってくれる奴が俺の周りにはたくさんいるんだ」 京太郎「そんな奴らが夢の為に懸命に戦ってきた。俺はずっとそれを側で見てきた」 京太郎「俺はこれからもそいつらの手助けをしてやりたい。俺にしか出来ないことだってあるはずだ」 京太郎「そういう在り方ってのも、意外と悪くないもんだぜ?」 憮然とした態度で黙っていた大沼の目がはじめて驚愕に見開かれる。 もう遅い。俺のくだらないおしゃべりに気を取られていたお前はすでに俺の術中に嵌っている。 大沼秋一郎を中心に周囲を、半球状の霞が満ちている。 雲は膨大な数の俺自身。半球内部に向け拳と視線を向けていた。 しかし数を数えようとすると不可能になる。その姿は見えるようで見えないという不可思議な光景。 大沼「なんだ、これは?」 大沼は須臾と、退くか進むか逡巡した。その一瞬が致命的となった。 大沼を包む雲から無数の須賀京太郎が同時に疾走。 迫る俺たちを迎え撃とうと拳や蹴りが放たれるがどれ一つとして捉えられない朧がかった霞の群れ。 無理に迎撃しようとして、体勢の崩れたプロ雀士の身体に俺は打撃の旋風を打ち込んでいく。 顎下、左右のこめかみ、右頬、首、両肩、右上腕部、左前腕部、右手首、左胸、 鳩尾、両脇腹、両太股、両脛、足払いを決めつつ、最後に眉間を打ち抜く。 傾斜していた大沼の身体は後方へ大きく吹き飛んでいった。 不確定性原理によって運動が決定された身体は位置が定まらなくなり、存在する場所を確率でしか現せない粒子の雲となる。 本来なら、身体が対象に接触する確率の総和が時間的に変化しないことを、 確率の保存が保証し空間内の確率密度の総和も必ず1となるしかない。 だが、身体が位置rに存在する絶対確率を表す方程式を操作し、 確率密度の総和を1以上の膨大な数に引き上げてやることで数え切れないほどの須賀京太郎を並行的に同時存在させる。 限定空間内の、自らの意思でコントロール可能な明晰夢という、物理法則が一定に機能しない世界だからこそ出来る芸当。 量子を身体に置き換えて確率保存を破るため、打撃が刺さる瞬間までどの俺も決して捉えることは出来ない。 早い話が分身の術だ。須賀京太郎は分身する。これは世界の共通認識。なーんつってつっちゃって。 大切な人たちを護るためと教わっていたが、現実では扱えないと放棄していたがまさかこんな形で役に立つとはな。 京太郎「けどまだまだ、ハギヨシさんの様にはいかないな」 小さく呟きつつ、警戒心を緩めないよう心掛けながら大沼へと歩み寄る。 大沼「まさか、こんな姑息な手に引っ掛かるとはな」 京太郎「の割には、どこか満足気なのは気の所為か?」 大沼「行くのか?」 京太郎「………………ああ」 大沼「この先、お前自身が報われる保障などどこにもないぞ?」 京太郎「それでもだ。生きる意味や理由付けなんて暇人の思考遊びだ」 京太郎「俺はポンコツの世話で忙しいんだ。一々そんなことを気にしてる暇はないよ」 大沼「そうか」 京太郎「…………ありがとな、おっさん」 大沼「礼などいらん。ああ、だが一つだけ心残りがあるとすれば……」 京太郎「?」 大沼「貴様との腐肉の饗宴を開けなかったこ、ったぶぁわっ!?」 ふざけたことをのたまう中年ホモの顔面を盛大に踏み付けて黙らせ、今度こそ俺はこの世界から抜け出すことにした。 周囲を取り巻いていた風景が歪み、それに代わって網膜を灼く莫光が視界を埋め尽くす。 身体が引き上げられるような浮遊感。目を開けていられない様な閃光の中で俺はあの、懐かしい笑顔と声を感じた。 急激に意識が覚醒する。 見開いた視界に、白い肌。茶色がかった前髪と、瞑られた目蓋の縁の睫毛が意外と長いなと、どうでもいいことに気付いた。 口元に粘膜の感触。合わされた口腔から、肺腑に息が送り込まれてくる。 内側に苦痛が生まれる。 込み上げてくる不愉快な嘔吐感とともに、胃の中から海水が競り上がってくる。 激しく咳き込みながら、身を捩って水を吐き出す。 鼻と口を手の甲で拭いながらようやく一息ついた。 状況に混乱しつつ、周囲を見回す。 俺を取り囲むように、学校の面々が俺を見下ろしていた。 俺はゆっくりと上体を起こす。 傍らに座り込んでいた咲と目が合った。 咲「京、ちゃん……」 京太郎「咲……」 咲「京ちゃん! よっかたよかったよぉ、京ちゃぁぁん!」 弾かれたように縋り付いてくる咲を抱きとめる。その身体の熱さが、俺が生きているということを実感させた。 しゃくり上げる咲の背を優しく撫でる。 京太郎「お礼を言うのは俺の方だ。咲は俺の命の恩人だ」 咲は無言で首を振る。俺は背を撫でていた手を咲の頭に置く。 京太郎「本当に、本当に助かった。もう少しで……」 死に掛けている間に見た夢の内容が脳裏にフラッシュバックする。 目尻に熱い雫が溜まり、零れ落ちて頬を伝う。 京太郎「怖かった……ホモに追いかけられる夢見ちゃった……」 全員「マジ泣きだ……」 みんなの声が妙に優しかった。
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1358177535/ 京太郎「買ってくるけど何がいい?」 淡「んーと……キョータローのセンスで」 京太郎「はいよ」ガタ 菫「須賀、あまり淡を甘やかすなよ。すぐに調子に乗るからな」 淡「ヒドーイ!!」 京太郎「いえ丁度買い出しに行こうと思ってたところなんで。先輩達も何か必要なものとかありますか?」 照「お菓子買ってきて。チョコ系」 淡「ダッシュでな!!」 バタン 京太郎「んーと、とりあえず近くの業務スーパーでいいか」 スタスタ... ――――――――――――――――――― ウィーン 「いらっしゃいませー!」 京太郎「必要なものはっと……」ガサゴソ 京太郎「えー、茶葉に月餅にティッシュ箱……それに32ワットの蛍光灯一本にミノーがひとつ……ってなんじゃこりゃ」 京太郎「ミノーってのがよくわからんから、先輩にメールで確認するとして……」ポチポチ 京太郎「よし……他は何とかありそうだな」 京太郎「さて、探しますか」 京太郎「……よし、何とか揃ったな」 京太郎「あとは宮永先輩のお菓子に、淡に頼まれてたジュースか」 京太郎「先輩はいつも棒系のチョコばっか食べてるからな。今回もそれでいいか」キョロキョロ 京太郎「うーんと、ポッ○ーの苺チョコ味か……これだな」ポイッ 京太郎「あとは俺用にマ○ブルチョコも買ってと……」ポイッ 京太郎「淡は……そうだな」 京太郎「お、これなんかいいじゃん! ホットケーキの飲み物だって!」 京太郎「お子様のあいつにはぴったりだな……よし」ポイッ 京太郎「さーて、精算精算っと」 ――――――――――――――――――― 京太郎「あっ、そうだメール」カチャ 京太郎「ふむふむ……わからないから買ってこなくていい、と」 京太郎「了解でっす。すぐに帰ります……っと」ポチポチ 京太郎「よし、んじゃちゃちゃっと戻るか」 スタスタ... ガチャ 京太郎「戻りましたー」 淡「きょうたろーおかえりー! 私の飲み物はっ!?」 京太郎「まぁそう急くな。どうどう」 京太郎「まずは頼まれてたものを先輩方に確認してもらってからな?」 淡「ぶー」 京太郎「先輩、これメモに書いてあったやつひと通り買ってきました」 京太郎「あ、でもミノーってやつが分からなかったんでそれは入ってません」 菫「ああ、照から聞いたよ。たぶんそれは亦野が書いたんだろうな」 京太郎「亦野先輩が……?」 菫「ミノーってのは釣りに使うルアーの名前だそうだ。さっき調べた」 京太郎「そんなのがなんで買い出しのメモに……?」 菫「きっとあいつ自身が買い出しに行く予定で、自分の欲しいものも一緒に買ってこようと思っていたんだろう」 京太郎「あぁ、それでメモに……亦野先輩も案外うっかりですね」 照「……そんなのはいいから早くお菓子」 京太郎「あ、あぁ! すみません……」ガサゴソ 京太郎「茶葉に月餅……これは渋谷先輩ですね」 尭深「あ、ありがとう……」 京太郎「いえいえ……って、うわぁ! いたんですか!?」 尭深「うん……驚かせちゃった……?」 京太郎「い、いえ……大丈夫ですよ」アハハ 京太郎(物静かすぎて、たまに存在を見失うことがあるんだよなー……渋谷先輩って) 京太郎(顔はすげーかわいいけど)ムヘァ 淡「きょうたろー、なに変な顔してんの?」 京太郎「え、あ、いや! してないしてない!」フルフルッ 淡「してたよー! こんな感じでむへぁ……って」 京太郎「こら、マネしない」コツン 淡「痛ったー! ……こんにゃろう、やったなー!」ポカポカ 京太郎「おい、こらやめろって……!」 菫「……ごほんっ!」 京太郎「あっ……」 淡「……き、きょうたろーが悪いんだからねっ!」 京太郎「お前なぁ……」 菫「いいから、淡はそこで黙って座っていろ」 淡「はーい……」ブスッ 菫「須賀は残りを手短に報告しろ」 京太郎「あ、はい! えーっとですね……」 淡「……さっききょうたろー変な顔してたよね? ね、テルー?」 照「お菓子……お菓子早く……」ギュルル 淡「もう、聞いてないしっ」 菫「よし、報告ありがとう。代金はあとで部費から出す」 京太郎「わかりました」 照「終わった……? 京ちゃん、早くお菓子を」 京太郎「あ、ええ! ちょっと待っててください……」ガサゴソ 京太郎「宮永先輩にはこの、苺チョコポッ○ーを買ってきました」スッ 照「うわ、これ新発売の……ありがと、京ちゃん」ビリリ 京太郎「いえいえ」 京太郎(ってさっそく破ってるし) 照「んぐんぐ……」ニコニコ 京太郎(宮永先輩、いつもはあまり感情を表に出さないけど、お菓子食べてる時だけは無防備なんだよなぁ……) 淡「いいなぁ……きょうたろー、私のは!?」 京太郎「え、いやお前はお菓子頼んでねーだろ」 淡「えー! なにそれー! 気が利かないやつぅ!」 京太郎「気が利かねーって……お前にはちゃんと飲み物買ってきてやったよ! ほら!」スッ」 淡「うわぁ、なにこれ! ホットケーキだって! 見て、テルー!」 京太郎(ふぅ……まったく、単純なやつ) 照「おいしそう……私もほしかった」ジー 京太郎「ん……って、えっ!? なんすかその目は?」 照「……私もほしかった」ジー 京太郎「ぅう……い、いやでも、あるのは一つだけですし……」 淡「こらー、きょうたろー! テルーがほしいって言ってるんだから買ってこーい!」 京太郎「なんでお前に命令されるんだよ! ってか、お前がちょっと分けてやればいいじゃん!」 淡「いやだよー! これは私のものっ!」 照「ホットケーキ……」ショボーン 京太郎「ぅぐ……」 京太郎「ああ、いいですよ買ってきますぅ!」 照「ほんと、京ちゃん……?」 淡「さすがきょうたろー! よっ、男前!」 京太郎「ったく、宮永先輩も人使い荒いですよね……」ブツブツ 淡「んじゃー、私も行くー!」 京太郎「って、お前も行くのかよ! なんで!?」 淡「だって、テルーはお菓子ばっか食べてるし、スミレはちょーぼ書いてて相手してくれないし、ヒマなんだもーん!」 京太郎「んじゃお前行ってきて。お金やるから」 淡「なっ、そんなのダメー! なんでそうなるわけー!」 京太郎「だってお前ヒマなんだろ? それに本来は一年であるお前だって買い出し要因なんだからなー?」 淡「なにいってんのっ!? 私レギュラー! きょうたろーはレギュラーじゃないじゃん!」 淡「それにこういうのは男子が率先してやることでしょー!?」 京太郎「っだよその暴論は……ちょっと麻雀がうまいからってよぉ」 淡「ちょっとじゃないし! きょうたろーの百倍だし!」 京太郎「ああ、もうわかったよ! 勝手についてこい!」 淡「やたー! 勝手についてくー♪」ダキッ 京太郎「ちょ、こら離れろって!」 バタン 菫「……はぁ、やっとうるさいのがいなくなったよ」 照「……私は好きだけど。あの二人が騒いでるの」ポリポリ 菫「ふーん、お前は物好きだな」 照「物好き……? そうかも」 照「でも、菫だって今うれしそうにしてる」 菫「なっ……嬉しそうにしてるって、私が?」 照「……」コクッ 菫「そ、そんなことないぞ! ただ……」 照「……ただ?」 菫「いや、須賀もちゃんと馴染んでくれたようで何よりだったな……と」 照「……」 菫「ほら、あいつがうちの高校に転入してきて麻雀部に入ることになったとき」 菫「正直不安だったんだ……あまり実力もない上に、数少ない男子部員だったからな」 菫「けど心配無用だったみたいだ。お前も、それに淡や渋谷も、あいつに気兼ねなく接してくれた」 菫「まぁ淡についてはあまり気にしていなかったというか、予想通りというか……」 照「……ふふ、たしかに」 菫「いずれにせよ、お礼を言いたい。感謝してるよ、二人……あぁ、それに亦野もだな」 照「……ぷっくく」プルプル 菫「お、おい! なんだその笑いは! 人がせっかく……!」 照「……っ、ご、ごめん……でも、どうして菫が感謝してるの……?」プルプル 菫「そ、それは……! その……わ、我が麻雀部の部長としてだな!」 照「……菫も、京ちゃんのこと心配してくれてたんだね」 菫「そ、そりゃあな……?」 照「……っぷ……お、お母さんみたい……」プクク 菫「お、お母さん!? 私が!? あいつの!?」ガタッ 菫「さっきも言ったが私は部長として……って、ちょっとこら待て逃げるな照!」 尭深「……」ズズー 尭深(先輩たちも、十分騒がしいです……) ――――――――――――――――――― 淡「それで、どこにいくのー?」 京太郎「ん? 業務スーパーだけど」 淡「ぎょーむすーぱー? そんなんあったっけ?」 京太郎「ったく、お前ここ地元だろ? 転校してきた俺の方が詳しいってどういうことだよ」 淡「だってここらへん、通学路しか通んないんだもん!」 京太郎「へいへい、そうですか」 京太郎「業務スーパーはなぁ、ここを真っ直ぐ行って信号を左に曲がったすぐのとこにあるんだ」 京太郎「よく叩き込んどけよ? そのちんちくりんな脳みそにな」ヘヘン 淡「なんか一言余計なんですけどっ!」ゲシッ 京太郎「いてっ!」 淡「まったくもう……ふんっ!」プイッ 京太郎「たた……な、なんも蹴るこたぁないだろ」 淡「きょうたろーはデリカシーなさすぎ! もっと女の子にやさしくできないのっ?」 京太郎「優しくしてるよ……お前以外にはな」 淡「なっ! 私にも優しくしろー!」ポカポカ 京太郎「いてっ、痛いってこら……!」 淡「んもうっ!」グイッ 京太郎「お、おわっ! な、なにすんだよ!」 淡「男子ならこうやって女の子をリードするくらいしなきゃダメでしょー?」 京太郎「そ、そりゃ付き合ってる男女の場合だろうが! 腕組みなんて普通やらねーよ!」 淡「なにそれー! じゃ、きょうたろーは私のこと好きじゃないわけ?」 京太郎「なんでそうなる! 俺は、お前の彼氏でもなければ恋人でもないって言ってんの!」 淡「ひっどーい! 京太郎は私のことなんか眼中にないんだー! うえーん!」 京太郎「ウソ泣きすんなウソ泣き」 淡「むっ……と・に・か・く!」 淡「今日は、私とデートってことでエスコートしてもらうから!」 京太郎「買い出しがデートかよ!」 淡「いいからいいから、ほら行くよっ!」 京太郎「おい、こら引っ張んなって!」 京太郎(はぁ、俺の初デートが……ってなに俺も乗り気になってんだよ! こんなのデートのうちに入んないだろ!) 淡「ふんふん♪」 京太郎「……」 京太郎(……入んないよな?) ――――――――――――――――――― 京太郎「よし、早めに戻るか」 淡「ええー! ちょっと寄り道してこーよ!」 京太郎「いやマズいだろ。宮永先輩だって待たせてるんだし」 淡「むぅ……じゃあいいよ」ブスッ 京太郎「……」 京太郎(こいつ……ほんと子供みたいにワガママだよなぁ) 京太郎「はぁ……じゃあ少しだけな?」 淡「えっ……?」 京太郎「少しだけなら、寄り道……してやってもいいぞ」 淡「……!」 淡「きょうたろー、大好き!」ダキッ 京太郎「ちょ、こら引っ付くなって!」 ガランゴロン! 淡「……ん? 何の音?」キョロキョロ 京太郎「さぁ?」 ??「……っ」ダダッ 京太郎「ん、あれは……」 京太郎(……咲? ……いやまさかな。あいつがこんなところにいるわけ……) 淡「? どうしたの、きょうたろー?」 京太郎「いや、なんでもない」 京太郎「んじゃささっと回って帰るぞ」 淡「なっ! ささっとじゃダメー!」 ――――――――――――――――――― 京太郎「それじゃ、お疲れ様です!」 菫「ああ、お疲れ」 照「お疲れ様……京ちゃん、ミルクセーキありがとうね」 京太郎「ああ、どういたしまして」 淡「んじゃ帰ろー! テルー、スミレ!」 京太郎「淡、あんまし先輩方に迷惑かけんなよ?」 淡「なっ、人をなんだと思ってるのー!?」 京太郎「幼稚園児」 淡「なにおーっ! このこの!」ポカポカ 菫「ほら淡、さっさと帰るぞ」グイッ 淡「わわっ! ちょ、待ってよスミレ!」 ズルズル... 淡「明日覚えてなさいよー! きょうたろー!」 照「じゃあね、京ちゃん」 京太郎「はい、また明日です」 「わー! わー!」 京太郎「はは、退屈しない奴だぜ。まったく……」 京太郎「俺もそろそろ帰るとするか」 ガチャ 京太郎「よし、戸締りオッケー」 京太郎「あとは鍵を戻して……と」 京太郎「さーて、帰宅帰宅ゥ」 ――――――――――――――――――― スタスタ... 京太郎「夕暮れ時か……なんか郷愁にふけりたくなるな」 京太郎「って俺らしくないか」ハハッ ??「……ほんとそうだね」 京太郎「だよなぁ……って、へ?」 京太郎(い、今の声……どっかで!?) 京太郎「っ!」クルッ 咲「お久しぶりだね……京ちゃん」 京太郎「さ、さ……」 京太郎「咲じゃねえか! どうしてここに?」 咲「ちょっと、ね……お姉ちゃんに会いに」 咲(ウソだけど……) 京太郎「ああ、宮永先輩か。でも先輩ならもう帰ったぞ?」 咲「うん、知ってる……だからあとで家に行こうかと思ってる」 京太郎「ああ、そうだよな。咲なら宮永先輩の家、知ってるもんな」 咲「うん」 京太郎「……俺にも、わざわざ会いに来てくれたのか?」 咲「っ! う、ううん! た、たまたま見つけたから声をかけただけだよ……」 京太郎「ふーん……」 咲「……っ」アセアセ 京太郎「……ほんとかぁ? ほんとは俺に会いたくて仕方なかったんじゃないのかぁ?」ニヤッ 咲「ち、違うよ! そ、そんなわけないでしょ!」 京太郎「へへー、さいですか」ニヤニヤ 咲「さいですよ! 京ちゃんはすぐうぬぼれるんだから……もう」 京太郎「へーへー、ごめんなさいねぇ。モテる男はつらくてよぉ」 咲「……」 京太郎「……なんだぁ、咲。ツッコミはなしかよ」 咲「えっ……ああ! ごめん、なんだっけ……?」 京太郎「おいおい、咲さんにしてはキレがわりぃなぁ……さては長旅で疲れたか?」 咲「う、うん……そうなの、かな……」 京太郎「……」 京太郎「……なら、俺んち寄ってくか?」 咲「えっ、き、京ちゃん家に!?」 京太郎「いや、すぐに宮永先輩んちに行くっていうならあれだけどよ」 咲「い、行く行く! 行かせて、京ちゃんの家!」 京太郎「お、おう……じゃ、ついてきてくれ」 咲「うんっ!」 京太郎「……」 京太郎(なんかやけに食いつきいいな……咲のやつ) スタスタ... 咲「……京ちゃん家は、ここから歩いて行ける距離なの?」 京太郎「ああ、こっから10分くらいかな。一軒家を借りてる」 咲「へえ……」 京太郎「あ、でも帰りちょっとスーパー寄っていっていいか?」 咲「うん、なにか買い物?」 京太郎「いや、今日は両親とも帰るのが遅くなるって連絡があってさ」 京太郎「久々に自炊でもしようかなーと」 京太郎「あ、そうだ! なんなら咲も食ってくか?」 咲「い、いいの?」 京太郎「もちろん!」 咲「あ、ありがとう!」 咲(うれしい……うれしい、けど) 咲(こういうときは、『私が作ってあげるよ!』くらい言いたかったな……) 咲(京ちゃん、こう見えてけっこうなんでもそつなくこなすから……ずるいよ) 京太郎「……どうした?」 咲「え、いやなんでもない!」 京太郎「んー、さては俺の作る夕飯が待ち遠しくて、食卓の妄想にでもふけってたか?」 咲「ち、違うよ!」バンッ 京太郎「いてっ! なにすんだよ!」 咲「京ちゃんが変なこと言うから……!」 京太郎「……っく、はは」 咲「ど、どうしたの? いきなり笑い出して……」 京太郎「い、いやさ……お前とこんなやり取りするのも久々だなぁと思って」 咲「そ、そうだね……」 京太郎「へへ……」 京太郎「……ま、ちゃちゃっと食材買いに行きますか」 咲「……うん」 ――――――――――――――――――― 京太郎「うーん……なににすっかな」 咲「京ちゃん、何が作れるの?」 京太郎「なにがって言われてもな……ある程度なら作り方さえ知ってればいけるし」 咲「すごい……ほんとに料理できるんだね」 京太郎「なんだよ、疑ってたのか?」 咲「う、ううん! 違うけど、人は見かけによらないなぁって」 京太郎「ぐさっ! ……へいへい、そうですよ。俺はどうせずぼら人間ですよ」 咲「そ、そんなつもりで言ったんじゃ……!」 京太郎「……咲はなんかリクエストあるか?」 咲「え……なんでもいいの?」 京太郎「俺の作れるものなら」 咲「じゃあ……し、質素なやつで」 京太郎「す、ずいぶんアバウト!?」 咲「ご、ごめん……でもぱっと思い浮かばなくて」 京太郎「うーん質素か……」 京太郎(……今日はブリが安いみたいだし、煮つけにしてみるか) 京太郎(んで家にある野菜……たしか人参と大根はまだあまってたはず……で味噌汁、いや豚汁作って」 京太郎(ついでに切り干し大根も……それだと買い足さなきゃいけないか。ま、いいけど) 京太郎(あとはほうれん草買って行っておひたしにでもするか) 咲(すごい考えてる……) 京太郎「……よし、決まったぜ」 咲「ほんと?」 京太郎「ああ、さっそく必要なもん買ってこうぜ」 咲「うん!」 ――――――――――――――――――― 京太郎「いやいいって」 咲「大丈夫! 私は手伝ってもあまり役に立たないだろうから、これくらいさせて!」 京太郎「いや、お前の細腕にその荷物はちときついだろ」 咲「平気だよ……それに、京ちゃんだって細いじゃん」 京太郎「俺のは細マッチョっていうの。いいから貸せって」ヒョイ 咲「あっ……」 京太郎「うご……けっこう重いな。明日の分も一応買ってきたせいか」 咲「でしょ? だから……」 京太郎「あーはいはい。んじゃ半分こな?」 咲「うん」 京太郎「よいしょと……じゃ、咲はこっちの重い方」 咲「お、重い方なんだ!?」 京太郎「だって持ちたがってたじゃねえか」スッ 咲「そ、それはそうだけど」グッ 咲(あれ……別に重くない) 京太郎「……ほら行こうぜ」 咲「え、あ……」 咲「……う、うん……っ///」 ――――――――――――――――――― 京太郎「よし、着いたぞ」 咲「うわぁ、なんか別荘みたい」 京太郎「へんな屋根の形だろ? まぁ中はそれなりだからさ、あがってけよ」 ガチャ 咲「お、お邪魔しまーっす」 京太郎「誰もいねーけどな」 咲「あっ……」 咲(そっか……今は京ちゃんと私の、二人っきりなんだ) 咲「……っ///」 京太郎「そっち、洗面所だから行って手洗ってこいよ」 京太郎「俺はちょっと自分の部屋に鞄おいてくる」ダッダッ 咲「う、うん!」 咲「……へえ、お風呂場はここか」 咲「って、うわわ……///」 咲(京ちゃんの下着……だよね、これ?) 咲(あ、でもお父さんのかも……) 咲「ぅう……///」 咲(こ、こういうところはテキトーなんだよね……)ジャー 京太郎「ほいほい、っと」ドンッ 咲「うわっ!」 京太郎「俺も手洗おっと~♪」 咲「京ちゃん、階段くらいゆっくり降りてよ!」 咲「あ、あとこの下着、京ちゃんの!?」 京太郎「あ、そうだわ。悪ぃ悪ぃ」ポポイッ 咲「もうっ!」 京太郎「だってさ、仕方ねえじゃん。今日お前を家にあげる予定なんてなかったんだぜ?」 咲「そ、それはそうだけど、こういうのは普段からしっかり……きゃっ!」 京太郎「ふふんふ~ん♪」ジャー 咲「っちちち、ちょっと京ちゃん!!?」 咲(う、後ろから私のこと抱きかかえるように手を伸ばして……!!) 京太郎「いやこれならいっしょに洗えるじゃん?」 咲「そ、そうだけど……っ!///」 咲(わ、私はどうすればいいのーーーっ!?) 京太郎「ガラガラ、っぺ……っ!」 京太郎「コップはその棚の中に紙コップあるからそれ使って」 咲「ぅ……」 京太郎「んじゃ俺は準備してんぞ」ダダッ 咲「は、はぁ……っ」フニャ 咲(き、緊張した……) ――――――――――――――――――― 咲「えっと……お台所は……」 咲「あっ、京ちゃん!」 京太郎「おう」ガサゴソ 咲「わ、私は何をすればいいかな……?」 京太郎「……んー」ガサゴソ 京太郎「とりあえずこの野菜洗ってくれるか?」 咲「あ、うん!」 京太郎「んじゃ俺は切り干し大根を水につけてっと……」 京太郎「最初にブリ捌いちまうか」チャキン 京太郎「あ、咲。お前血とか苦手?」 咲「え、いや好きじゃないけど……」 京太郎「んじゃこっちの台でやるから見ないで」 咲「う、うん……」 (面倒なので、料理シーン大幅カット) 京太郎「そろそろいいか……ふぅ」フキフキ 咲(京ちゃんすごいなぁ……ほとんど一人でやっちゃったよ) 咲(私なんか全然役に立たなくて……さっきもみりん入れすぎちゃったし) 咲(なんか自分が恥ずかしいよ……うぅ) 京太郎「じゃ、咲は皿用意してくれ。そっちの棚にあるから」 京太郎「必要なのはお茶碗と味噌汁用のお椀に、そっちの平たい小皿ふたつずつ……あと大皿な」 咲「あ、うん!」 ――――――――――――――――――― 京太郎「よーっし、では」 京太郎「いただきます!」 咲「い、いただきます」ペッコリン 京太郎「ふぃ~、腹減ったぁ」 京太郎「あ、そうだテレビつけようぜ」ピッ ワーワー 咲「き、京ちゃんごめんね……足手まといになっちゃって」 京太郎「ん、なにが?」モグモグ 咲「いや、さっきの料理……この煮つけだって……」 京太郎「いやうまいぜ? ほら……」ヒョイパクッ 京太郎「んぐんぐ……な、うまいだろ?」 咲「んん……」モグモグ 咲「う、うん……」 咲(きっと京ちゃんがよくわかんないけど味の調整してくれたんだ……) 咲(それなのに私……) 京太郎「なーにしょぼくれた顔してんだよ。咲だってこれから料理覚えてけばいいじゃん」 咲「わ、私にはムリだよ……」 京太郎「まぁ、たしかにどんくさいしな」 咲「むっ……でも言い返せないよ」 京太郎「だけどよ、下手は下手なりに努力すればいいだろ。俺だってハギヨシさんみたいにできるわけじゃねえし」 京太郎「なにかやろうって思うことが大事なんだよ」パクッ 咲「……うん、そうだね」 京太郎「そっちなら、和あたりが料理に詳しそうじゃねえか? 教えてもらえよ」 咲「あ、うん……」 咲(でもわたしは……京ちゃんに教えてもらいたかった、な) 咲(そんなの無理ってわかってるけど……) ワーワー 京太郎「ははっ、なんだこいつ!」 咲「……」 咲(京ちゃんは……私にやさしくしてくれる) 咲(たまに意地悪なことも言うけど、そういうやり取りをすること自体が、私にとっては楽しい……) 咲(でも、京ちゃんにとって私は……数いる女の子のうちの、一人でしかないんだよね) 咲(でも、じゃあ……昨日の子はどうなんだろう……?) 咲「……」チラッ 京太郎「あ、今の問題わかるぞ! ……ええっと、なんだっけ」 咲(き、聞いてみたい……京ちゃんと、昨日の子の関係……) 咲「……っ」 咲「き、京ちゃんはさ……」 京太郎「ん? なんだよ、咲?」 咲「こ、こっちで……その……」 咲「す、好きなことかできたりしたの……っ?///」 咲(な、なに聞いてんだろ私……っ!) 京太郎「と、突然なんだよ……?」 咲「ご、ごめん! 今の忘れて!」 咲(は、恥ずかしい……! なんでこんなに顔が熱く……っ) 京太郎「好きな子かぁ……考えたこともねえな」 咲「えっ……」 京太郎「こっちにもかわいい子はそれなりにいるけどよ」 京太郎「なーんか今一つもの足らないというか……」 咲(そ、それって……) 咲「も、もしかして……胸?」 京太郎「おお、そうだ! それだ!」 京太郎「白糸台の人らには胸が足りないっ! ……あ、今の宮永先輩には絶対言うなよ」 咲「わ、わかってるけど……それを私に言う? 普通……」ペッタン 京太郎「ん、なんだ? 咲は気にしてんのか? 胸ないの」 咲「そ、そうグサッといわないでよ!」 咲(気にするに決まってるじゃん! だって京ちゃんが……) 咲「……っ」 京太郎「まぁ世の中にはいろんな趣味趣向のやつらがいるしよ」 京太郎「きっと咲にもチャンスはきっと巡ってくるって! だからそうしょげんなよ、な?」ポンポン 咲「……」 咲(……なんだ……京ちゃんには、私なんか眼中に入ってないってことか) 咲(薄々わかってたことだけど……こうも容赦なく切り返されると……) 咲(やっぱり傷つくな……)ズキッ 京太郎「お、おいおいどうしたよ? そう重く受け止めんなって、咲さん」 咲「……」 咲(はぁ……なんかここまでくると、失うものなんか何一つないって思えてくるよ) 京太郎「お前にだっていいところはたくさんあるじゃねえか。たとえば麻雀とか、麻雀とか……」 もういいや…… 京太郎「あとは……ま、まぁとりあえず! そういう自分の強みで戦ってけばいいんだよ!」 ……自暴自棄になっちゃえ 咲「……京ちゃん、昼間一緒にいた子……名前はなんていうの?」 京太郎「えっ……一緒にいた子……?」 咲「実は見かけちゃったんだ……神社の近くで」 咲「金髪の子と京ちゃんが……その、抱き合ってるとこ」 京太郎「え……あっ!」 京太郎(もしかして……淡のことか?) 京太郎「あ、あいつはただのチームメイトっていうか……そ、そう! 友達だよ、友達」 咲「へえ……」 咲(少し焦ってる……おもしろい) ……もっと畳み掛けちゃえ 咲「……京ちゃんは“友達の”女の子と、外で抱き合ったりするんだ?」 京太郎「い、いやそれは……! あいつの方が勝手にさあ……!」 咲「ふーん……じゃあその子はきっと京ちゃんのことが好きなんだね?」 京太郎「なっ……」 咲「京ちゃんはどうなの? その子のこと、どう思ってるの?」 京太郎「お、俺は別に……ていうか、なんだよこれ。尋問かよ」 京太郎「もういいだろこの話は……さっさとメシ食っちまおうぜ」 咲「……質問に答えてよ、京ちゃん」 京太郎「はぁ……もう答えたろ。俺は淡のことなんかどうとも……」 ...ギリッ 咲「……じゃあ、私のことは?」 京太郎「……は?」 咲「私のことは、どう思ってるの?」 京太郎「お、お前のこと……?」 咲「うん……」 京太郎「いやそれは……」 咲「……それは、なに?」 京太郎「……っ」 京太郎(咲のやつ、どうしたんだよ……そんな怖い顔して……) 京太郎(ていうかこれって……もしかして、もしかすると……) 京太郎(……咲は、俺のことが好きなのか……?) 京太郎(いやいや待て! 今までそんなそぶり……) 京太郎(……) 京太郎(……あったか……あったかも) 京太郎(で、でも……だからってどう答えりゃいいんだ?) 京太郎(俺は咲のこと、そんな目で見たことなんかないし……) 咲「……京ちゃん、なんで答えてくれないの?」 京太郎「うっ……いや、あの」 咲「……」 咲(いつもは態度大きいくせに……こういうときばっかりヘタレて……) ……いくじなし 京太郎「なっ……さ、咲!?」 ...ギシッ 京太郎「お、お前どこ座って……!」 咲「京ちゃんの膝の上だよ……?」 京太郎「は、早く降りろ……!」 咲「……じゃあ、質問に答えてよ」 京太郎「ぐ……」 京太郎(ほ、本音を言えば……こいつを傷つけちまうかもしれない) 京太郎(だからって、ウソついてまで『好きだ』なんて言葉、言えるわけない……) 京太郎(どうすれば……) 京太郎(くっ、咲の言うとおりだぜ……俺はこういう時、優柔不断すぎる……!) 咲「……京ちゃん、答えてくれないと膝からどいてあげないよ?」 咲(……京ちゃんが嘘をついてるとは思えない) 咲(だから、京ちゃんにはまだ“特定の”女の子はいないはず……) 咲(京ちゃんの性格からして、いま頭の中では、私をどう傷つけずにこの場を乗り切れるか……それだけを考えてるはず) 咲(だけど、ウソも付きたくない……そう思ってる) 咲(そこが京ちゃんの甘いところだよ……) 咲(迷いのある人間の心なんて、ちょっと後ろからつついてやればすぐ脆く崩れちゃう……) 咲(さっき言ったよね……私には私にしかない“得意分野”で攻めていけって) 咲(これは私が、麻雀から学んだことだよ……やっと役に立った、ふふ……) 咲(私には胸はないけど……それでも体は、女の子なんだから……) 咲「……」ギュ 京太郎「っ!」ドキッ 京太郎「さ、咲!?」 咲「私は、京ちゃんのことが好き……」 京太郎「え、いや……その……それは嬉しいんだが」 咲「嬉しいんなら、なんで私のことも好きって言ってくれないの……?」 京太郎「そ、それは……」 咲「……それは、なに?」 京太郎「えっと、その……」 咲「……はぁ」 咲「ふふ……ここだよね、たしか……」サワサワ 京太郎「っ!」ビビクン 咲「あ、なんか固い……どうしちゃったの、これ?」クス 京太郎「さ、咲……! や、やめろって!」 咲「ふふ……そう思うなら、なんで力ずくで止めさせないの?」 京太郎「ぐっ……」 咲「ほんとはしてほしいくせに……」スリスリ 京太郎「ぅぁ……!」 ふふ……男の子なんて、やっぱり単純だ 咲「ふふ……これがいいの?」スリスリ 京太郎「うぐ……っ!」 京太郎(ダメだ……こんなことしちゃ……!) 京太郎(自分の意思も通さず、なりゆきにまかせてこんなことさせて……) 京太郎(一番最悪な……なさけねえパターンじゃねえか!) 京太郎「さ、咲!」グイッ 咲「きゃっ!」ドタンッ 京太郎「す、すまん!」 咲「……っ」 京太郎「だ、大丈夫か……?」スッ 咲「……ふふ、っ……はは……」 京太郎「さ、咲……?」 咲「……そっか、そうだよね……」 ...スクッ 咲「……ごめん、どうかしてたよ……私」 咲「……」パッパッ ←スカート直し 咲「……じゃあね、京ちゃん」 スタスタ... 京太郎「お、おい! 咲、どこに……!」 咲「ん……お姉ちゃんの家」 京太郎「いや、でもメシ……」 咲「もう食欲失せちゃったよ……それに京ちゃんだって、いつまでもこんな私にいてほしくないでしょ?」 京太郎「そ、そんなことは……!」 咲「……ねえ、京ちゃん」 京太郎「な、なんだよ……?」 咲「中途半端な優しさは……逆に相手に辛い思いをさせるだけだよ……?」 京太郎「……そ、それは……っ」 咲「いっそ、嫌いって言ってくれた方が……まだ救いがあったよ」 京太郎「ごめん……でも、俺は咲のこと嫌いじゃない。それは確かだ」 咲「……」 咲「そういうのが、相手を傷つけるっていうんだよ……」ボソッ 京太郎「え……」 バタンッ 京太郎「……っ」 京太郎「咲……」 京太郎「くそっ……最低だ、俺!」 京太郎「咲を傷つけちまった……それだけじゃない」 京太郎「答えを言い淀んだせいで、あんなことまでさせて……」 京太郎「ほんっと……最低だよ……」グッ 京太郎「咲を追いかけたい……でも、今そうしたって許してくれるわけないし……」 京太郎「なにより、今以上に咲を傷つけるだけだ……」 京太郎「でもこのままにはしておけない……どうしたら……」 京太郎「明日……誰かに相談してみるか……」 京太郎「っく……こんなときまで、人頼みとは……」 京太郎「つくづく情けない男だぜ……俺はよ」 ――――――――――――――――――― 翌朝 スタスタ... 京太郎(昨日はあんまり寝つけなかった……咲を傷つけた、罪悪感で……) 京太郎(宮永先輩……照さんには、ちゃんと咲が家に着いてるかどうか確認しておいた) 京太郎(事情は聴いてるだろうから、正直電話越しにコークスクリューかまされるかと思ったが……照さんはいつものように淡々と受け答えしてくれた) 京太郎(照さんに相談でもしてみるかな……いや、でも……) 京太郎(ここは関係ない、第三者に相談するのが筋だろ) 京太郎(亦野さんや渋谷先輩はどうだろう……なんかあまり頼りにならなさそうだ) 京太郎(やっぱりここは弘世先輩かな……) 京太郎(淡は……なんだろ、役に立たないっていうのは百も承知だけど……) 京太郎(それ以前に、今回のことに淡を絡めて考えると……なんかモヤモヤする。なぜかはわからんけど) 京太郎(とりあえず、今日の放課後……先輩をどっかに呼びだすか)ポチポチ ――――――――――――――――――― 放課後 京太郎「終わった……さてと」 京太郎(弘世先輩は、教室に直接きてくれって言ってたな) 京太郎(あ、でもそれだと、同じクラスの照さんにも聞かれるかもしれないんじゃ……) 京太郎(……まぁ、その時はその時か) スタスタ... 京太郎(先輩方の教室は二階だよな……) 3-C 京太郎(……ここか) ...コンコン 京太郎「失礼します、一年の須賀です」 菫「ああ、入っていいぞ」 ...ガララ 京太郎「すみません……呼び出したりして」 菫「かまわないよ。何か相談があるんだろう?」 京太郎「はい……だけど」キョロキョロ 京太郎「あれ……弘世先輩だけですか?」 菫「なんだ、照も一緒の方が良かったのか?」 京太郎「い、いえ……逆にそうじゃない方がありがたいなぁと」 菫「そうなのか……まぁいい、とりあえずその相談ってのはなんだ?」 京太郎「実は……(カクカクシカジカ」 ――――――――――――――――――― 菫「なるほど……それが昨日のことか」 京太郎「……はい」 菫「それで須賀……お前はどうしたいんだ?」 京太郎「え……っと、それは……」 菫「まさか、なんとなく私にどうにかしてもらおう……なんて甘い考えでここに来たんじゃないだろうな?」 京太郎「ぐっ……」 京太郎(た、たしかに先輩の言うとおりだ……) 京太郎(俺は、先輩に相談すればどうにかしてくれるんじゃないかって、そう思って……) 京太郎(くそっ……! なんだよ、全然ダメじゃねえか、俺!) 京太郎「……っ」 菫「図星か……?」 京太郎「……はい、すみません」 菫「はぁ……やっぱりな」 菫「私は、お前はもう少し賢いやつだと思っていたんだが」 京太郎「……返す言葉もないです」 菫「まぁ、別に私はいいよ。お前がどうしたいか、それを決めるまで一緒に付き合ってやる」 京太郎「せ、先輩……」 京太郎(弘世先輩……やっぱり頼りになる人だ) 京太郎「すみません、ありがとうございます……!」 菫「礼は相談が無事終わってからにしてくれ」 京太郎「……はい」 菫「それじゃあカウンセリングを始めるが……」 菫「いきなりどうしたいか考えろと言っても無理だろう。お前も昨夜はいろんなことがあって、気持ちの整理もついてないんだろうしな」 菫「だから質問形式でいく」 京太郎「質問形式……?」 菫「ああ、私がお前の立場であればどう考えるか……それをシュミレートし、考えうる限りの決着点を模索してやる」 京太郎「は、はい! お願いします!」 菫「では、まず……お前はその子、照の妹さんをどう思っているんだ?」 京太郎「それは……さっき言った通りです。友達以上としては見れません……」 咲『ふふ……これがいいの?』スリスリ 京太郎「……っ」 京太郎(違う……! 俺は咲に、そういうのを求めていたんじゃない……!) 菫「昨晩……なにか、あったのか?」 京太郎「いえ……」 菫「ふむ……それでは」 菫「お前は妹さんと、よりを戻したいか?」 京太郎「よ、より!?」ガタッ 菫「友達として、だ」 京太郎「あ、ああ……」ストン 京太郎「そりゃもちろんそうですよ……あいつとの付き合いも長かったわけですし」 京太郎(何より一緒にいて気が楽だった……そう、昨日までは……) 菫「だが、彼女は長野に住んでいるんだろう? なら今後、接する機会もそう滅多にないはずだ」 菫「それなら今の関係のまま、彼女に長野へ帰ってもらえば済む話ではないのか?」 京太郎「そ、それは……! それは、あんまりですよ……」 菫「なにがあんまりなんだ?」 京太郎「さっきも言いましたけど、あいつとは中学からの付き合いなんです……」 京太郎「咲の方はわからないけど……少なくとも俺は、あいつのこと大切な友達だと思ってます……」 京太郎「だから、できるなら元の関係に戻りたい……戻って、また一緒に話せたら、それだけで俺……」 菫「そうか……でも、彼女はそうは思わないだろうな」 京太郎「……っ」 菫「君を好きになってしまったのだから。そして、その君に拒絶されてしまったのだから」 京太郎「……わかってます」 菫「彼女との関係を戻したいというのは、結局はお前の独りよがりなんだよ」 京太郎「……」 菫「おそらく彼女の中では、君に拒絶された時点で君との関係は終わってしまったんだ」 京太郎「……そ、そう……ですか」 菫「だから、彼女のことはそっとしておいてやるのが一番なんだ」 菫「今さら君に謝られたって、それはなにも生み出さないし」 菫「好きだといってみても、彼女にとってそれは嘘に塗り固められた言葉の刃でしかない」 菫「もっとも、君が本気で彼女のことを好きになったのなら話は別だが……違うのだろう?」 京太郎「……はい」 菫「……なら、残念ながら君にはもう彼女に対して何もすることはできないよ」 京太郎「……っ」 菫「……それでも、何かせずにはいられないか?」 京太郎「っ! な、なにかできることが、あるんですか!?」 菫「……あるにはある……だが、これは結局、自分自身のためのものでしかない」 京太郎「俺自身のため……?」 菫「自分の気持ちにケリをつけるってことだ」 菫「彼女にも言われたんだろう? 中途半端な心が他人を傷つけるんだと」 菫「彼女にしてやれることはもうない……しかし、彼女の前で誠実であろうとするならば、絶対にしなければならないことだ」 京太郎(そうだ……今回の原因は、つまるところ俺の優柔不断さにあったんだ……) 京太郎(咲を完全に拒否しきれなかった自分……それがあいつの傷口を大きくしてしまった) 京太郎(なら俺は……そんな自分を、断ち切らなきゃいけない!) 京太郎「……お願いします」 菫「ああ、では最後の質問だ」 京太郎「……」ゴクリ 菫「お前には……好きなやつがいるか?」 京太郎「……」 京太郎(だよな……そうなるよな……) 京太郎(でも俺には……特定の好きなやつなんて……) 菫「私にはな……お前は、自分の恋に気付いてないように思えるんだ」 京太郎「気づいてない……? 俺が、ですか?」 菫「ああ、私の直感でしかないんだがな……」 菫「ズバリ言うぞ。お前……淡のことが好きだろう?」 京太郎「ええっ!? お、俺があいつをですか!?」 菫「ああ」 京太郎「ないです、絶対ないっ!!」ブンブン 菫「そうか? 妹さんの話にも、淡のことが出てきたじゃないか」 京太郎「いや、だからあれはですね……!」 ...ガララッ ??「あー! ここにいたー!」 京太郎「えっ?」 ??「もう、きょうたろーにスミレ! 探したんだからねっ!」 スタスタ...ギュム 京太郎「ちょ、淡……!」 淡「二人でなんの話してたのー? 私にも聞かせなさーい!」グイングイン 京太郎「おい、ゆするなって!」 菫「ふむ……」 菫「実はな淡。須賀がお前に相談したいことがあるそうなんだが」 京太郎「ちょ、先輩!?」 淡「ええーっ! きょうたろーが私に相談!?」 淡「なにそれちょー気になる!」 京太郎「ね、ねえよ! 相談なんて!」 淡「いいからいいからー! 私に何でも相談してみなさいっ!」エッヘン 菫「じゃ、頼んだぞ。淡」 淡「らじゃーっ!」ピシッ スタスタ...ガラッ 京太郎「ひ、弘世先輩……!」 淡「こーらぁ! 患者は逃げないの!」グイッ 京太郎「ぐおぇ! ちょ、ネクタイ引っ張るんじゃねえ!」 ガタン 淡「それで、相談って?」キラキラ 京太郎「……うっ」 京太郎(ったく、なにが目的で先輩は……) 京太郎(つーか俺がこいつのこと好きなわけ……) 淡「んっ?」 京太郎「っ!」ドキッ 淡「なに~? ねえってば~」グイグイ 京太郎「ちょ、こらやめろって!」 京太郎(い、今のは不意打ちすぎた……いや、いくら不意打ちでも淡なんかにドキッとするか? 普通……) 京太郎(実は……本当に俺は、知らない間にこいつのことが……) 京太郎(いや、ないない! たまにかわいいとは思っても、それは小動物的な可愛さというか、いじると面白いっていうか……) 淡「ねーねー!」 京太郎(そう、妹みたいな感じなんだよ! 妹には恋愛感情なんて抱かねーだろ?) 淡「ねーってばっ!」ボコッ 京太郎「んぎゃ!」 京太郎「痛ってー! 鼻が……! 鼻がつぶれた!」 淡「もう、大げさだなぁ!」 京太郎「てめえ、淡! なにしやがる!」 淡「きょうたろーがいくら呼んでも返事しないからだよっ!」 淡「相談事っていったい何なのさーっ!?」 京太郎「相談事? あぁ……」 京太郎「実は、俺がお前のこと好きなんじゃねーかって言われてよ」 淡「えっ……」 京太郎「ありえねーよなぁ……お前みたいなチンチクリンを好きになるだなんて」 京太郎「まったく笑っちまうぜ、ははっ」 京太郎「……お前もそう思うだろ、なぁあわ「……好きだよ」 京太郎「……は?」 淡「私、きょうたろーのこと好きだけど。てゆーか何度も言ったよ?」 京太郎「えっ……いやいや、ウソだろ?」 淡「嘘じゃないし。真だし」 京太郎「……」 京太郎(淡が……俺のことを好き?) 淡「でも京太郎は私のこと好きじゃないんだ……ざーんねんっ」 淡「きっと両想いだと思ったのにー」ムゥ 京太郎「……」 淡「でもいーんだっ! きっときょうたろーは私に振り向いてくれるんだって、そう思ってるからっ!」 淡「だって、こんなに近くにいて私のナイスバヂーな魅力に気づかないわけないしさ!」 淡「だからきょうたろーが振り向いてくれるまで、私は常に自分のかわいさに磨きをかけて日夜精進、頑張るのだ!」ニコッ 京太郎「……っ」ドキッ 淡「うわー! なんか恥ずかしいこと言っちゃったっ! 忘れて忘れて!」 京太郎「……」 京太郎(そうか……俺は、“こんな”淡に、いつの間にかずっと惹かれ続けていたのか……) 京太郎(なんで……俺はこんなことにすら気づかなかったんだろうな……) 京太郎(こんなんだから、他の誰を傷つけたりしちまうんだ……それに今、淡のことだって……) 京太郎(弘世先輩、今やっとわかりました……俺の本当の気持ちが……) 京太郎「あ、淡……」 淡「んっ? なーに?」 京太郎「……っ」ダキッ 淡「うわっ!」 京太郎「淡……ありがとう」 淡「な、なにいきなり? どうしちゃったのきょうたろー?」 京太郎「こんな俺を好きでいてくれて……ありがとう」ギュ 淡「な、なんか京太郎に感謝されちゃった……でも嬉しいかもっ」 淡「だって、京太郎の方から私のこと抱きしめてくれたの、初めてだもんねっ?」 京太郎「はは……そういやそうだな」 京太郎(淡の体……あったかくてやわらかい……) 淡「きょうたろーは私のこと好き?」 京太郎(もう、迷いはない……) 京太郎「……あぁ、好きだ」ギュ 淡「よしっ! きょうたろーのハートげっちゅ!」グッ 京太郎「ふっ……なんだよそれ」 淡「勝利のガッツポーズっ! 私がきょうたろーとの賭けに勝ったから!」 京太郎「賭けしてたのかよ……」 淡「うん! 誰も知らない、私だけが知ってる大きなギャンブルっ!」 京太郎「ったく……そんなちんけなギャンブルで、いったいなにを賭けたんだよお前は」 淡「ふふー聞きたいー?」 京太郎「聞かなくてもどうせいうんだろ?」 淡「あったりーっ! んじゃ教えちゃいまーっす!」 京太郎「おう」 淡「賭けたものは~……」スゥ 京太郎「……っ」 淡「んっ……」チュ 京太郎「ん……っ……」 淡「んん……ちゅ……」 京太郎「……っ、ぷは……っ……か、賭けたものはこれか?」 淡「へへ……うんっ! 私の愛、全部!」ニコッ 京太郎「はは、そりゃまたでけえな」 淡「あったりまえよー! 私の愛の大きさは計り知れないんだからっ!」 京太郎「んじゃ、ギャンブルに勝ったお前には、それ相応の見返りが必要になるわけだな?」 淡「んー、そっか! そうなるよねっ!」 京太郎「……じゃ、それは俺が払うしかないか。えっとこういう場合なにで払えばいいんだ?」 淡「私は私のラブ全賭けしたんだから、それの百倍くらい大きいのじゃなきゃイヤだよっ?」 京太郎「んー、わかった。それじゃあ……」 京太郎「俺はこれから、お前が今まで俺のことを好きでいてくれた分以上に、お前を大好きでいてやる……それでいいか?」 淡「……うんっ! それでよし!」 淡「絶対に約束やぶっちゃだめだよっ! わかった?」 京太郎「わぁってるよ。お姫様」 ギュ カン ----------- 菫「ズバリいうぞ。お前……私のことが好きだろう?」 京太郎「……へ?」 菫「……///」カァア 菫「な、なんでもないっ! 忘れてくれ!」←少し上ずった声 京太郎「いや、あの……」 菫「わ、私は用事を思い出した! 先に失礼させてもらうぞ!」ダダッ 京太郎「ちょ、先輩!?」 ビューン! 京太郎「はええ……まるでアーチェリーの矢のようだ」 京太郎「っていうか、相談は……」 京太郎「ん、まぁあとは自分で考えろってことなんだろうな……うん」 京太郎「誰が好きなのか、か……」 ...スタスタッ 菫「……っ///」 菫(わ、私としたことが……思わず心にもないことを口走ってしまった……!) 『私のことが好きなんだろう……?』ドヤァ 菫「ああ、恥ずかしいっ! 忘れたい忘れたい!」グシャグシャ 菫「……あっ!」 ズテンッ! 菫「いてて……」 菫「……っ!」キョロキョロ 菫(ふぅ……誰にも見られてはいない、か) ...ストン 菫(はぁ……なにやってるんだろうな、私は) 菫(須賀があんな相談を持ちかけてきたとき、正直私は断ろうかと思っていた) 菫(だって私もあいつを……) 菫「……っ///」 菫「ば、ばかだよほんと……! なんでよりにもよってあいつなんかを!」 菫「……っ」 菫(……でも、仕方ないよな。自分の気持ちに嘘はつけない……) 菫(私が須賀京太郎を好きになってしまったという事実は……少なくとも私にはもう、どうしようもないんだ……) ??「あれ、弘世先輩じゃないですか!」 菫「……っ!」ドキッ 菫(こ、この声は……!?) 京太郎「どうしたんすか、こんなところで?」 菫「す、須賀……」 菫「お、お前こそどうしたんだ?」 京太郎「俺は買い出しですよ。また照さんにお菓子頼まれちゃって」 菫「そうか……あのあと部室に戻ったんだな」 京太郎「ええ、そうです」 菫「……っ、すまなかった。勝手にお前をほっぽり出して……」 京太郎「いいですって。弘世先輩からは十分アドバイスがもらえましたし、とても助かりました」 菫「そ、そうか……?」 京太郎「そうですよ。俺、自分の本当の気持ちってやつ、ちゃんと見定めます」 京太郎「それで、好きな人ができたときには、その人のことが好きだってちゃんと胸を張って言える男になるつもりっす!」 菫「そうか……」 菫(少しでも役に立てたんなら……よかったよ) 京太郎「先輩の方は、もう用事済んだんですか?」 菫「用事? あぁ……」 菫(そういえばそんなこと言って出てきたんだっけか……) 菫「まぁな。すぐに済むようなものだったし」 京太郎「じゃあ一緒に買い出し行きませんか?」 菫「……私とか?」 京太郎「ええ、もしよければですけど。弘世先輩と二人で話す機会って滅多にありませんし」 菫「……」 菫(そうだな、ここは素直に誘いに乗ろうか……) 菫「わかった。一緒に行こう」 京太郎「はい!」 ...スタスタ 菫(須賀と二人きりか……) 菫「……っ///」 京太郎「……あっ、先輩」 菫「わわっ、なななんだ!?」 京太郎「膝のところ、少し破れかかってますよ。どうしたんですか?」 菫「あぁ、これか……」 菫(たぶん、さっき転んだときだな……) 菫(でも、転んだなんて言うのは情けないし……ここは……) 菫「さ、さっき木の幹に引っかけてな……うかつだったよ、はは」 京太郎「木の幹ですか……林の中にでも入ったんですか?」 菫「ん、まぁそんなところだ」 京太郎「しかしけっこうひどいですね……直しましょうか?」 菫「直すって……お前がか?」 京太郎「ええ、道具さえあればすぐに直せると思いますよ」 菫「そ、そうか。それなら……」 菫(……いや待て。これじゃまるで、私ができないから須賀に頼んでいるみたいじゃないか! いやたしかにできないが……) 菫(いずれにしろ、そんなのは私のプライドが許さん……!) 菫「こ、これくらい自分でできる! 私をバカにするな」 京太郎「そうですか? じゃあ、いいですけど」 菫「……う、うむ」 菫(……はぁ、なんで私はいつもこう強がってしまうのだろう) 菫(素直に頼めばいいのに、そうできない……) 菫(こういうとき、照や淡が羨ましく思うよ……) ――――――――――――――――――― ウィーン 「いらっしゃいませー!」 京太郎「んじゃ、ちゃちゃっと買いましょうか」 菫「そうだな」 スタスタ... 京太郎「照さんはこれっと」ポイッ 菫(お、このチョコレートおいしそうだな) 京太郎「淡のやつも、なんか買ってかないとうるさいだろうしな。これでいいか」ポイッ 菫(カントリー○ーム味か……すごく甘ったるそうだが、これはこれで興味あるな……) 京太郎「弘世先輩はなにか食べたいものあります?」 菫「え、あっ、いや……」 京太郎「あぁ、それですか? おいしいですよね!」 京太郎「んじゃそれも買いましょう」スッ 菫「いや待て。要らんといってるだろう!」 京太郎「でも、さっきすごく欲しそうにじーっと……」 菫「み、見てない!」 京太郎「うーん……ほんとですか?」 菫「ほ、ほんとだほんと……!」 京太郎「じゃあいいですけど……」スッ 菫「……っ」 菫(まただ……素直に欲しいといえばいいのに……) 京太郎「……いや、やっぱり買いましょう」ポイッ 菫「え……おい、待て。どうしてだ須賀!」 京太郎「いや、これは俺がほしいから買うんですよ」 菫「そ、そうなのか?」 京太郎「ええ、そうです。それなら問題ないでしょう?」 菫「う、うむ……たしかにな」 京太郎「それじゃ精算してきますね」 菫「あ、ああ」 ――――――――――――――――――― ウィーン 京太郎「よし、これであとは戻るだけですね」 菫「そうだな」 京太郎「あっ……そういえば、これどうぞ」スッ 菫「ん? ……って、これはお前が欲しいといって買ったものじゃないか」 京太郎「……先輩、いらないなんて嘘だったんでしょ?」 菫「い、いや本当だ! 何を言い出すかと思えば……」 菫「そもそもどうして私に嘘をつく必要があるんだ?」 京太郎「そんなの知らないです。けど……」グイ 菫「なっ……///」 京太郎「先輩が欲しがってたのは間違いないと思ってますよ。俺の目はごまかせません」 菫「ず、ずいぶん横暴な言い分じゃないか……何の根拠もなしに」 京太郎「横暴でけっこうですよ。それで先輩が喜んでくれるんなら」 菫「なっ……この、生意気なやつめ」 京太郎「ついでに、途中で俺んち寄って、その膝のとこ直していきましょうよ」 菫「それもいいといっただろう!」 京太郎「じゃあ道具だけ貸しますよ。それならいいでしょう?」 菫「ど、道具……いや、そんなのは自分の家で直すからいい!」 京太郎「……先輩、ほんとに直せるんですか?」 菫「なっ……! なんだその疑いのまなざしは! 直せるとも!」 京太郎「じゃあ見せてください」 菫「うぐっ……それは……」 京太郎「はぁ……」 菫「な、なんだそのあからさまな溜息は……」 京太郎「先輩……疲れませんか?」 菫「えっ…?」 京太郎「そんなになんでも完璧であろうとしなくていいんですよ」 京太郎「先輩はたいていのことなら何でもこなしますし、それはすごいことだと思います。けど……」 京太郎「人間誰しも完璧なわけない。誰にだって得手や不得手があって……それに」 京太郎「人の知らない、思いもしないような一面だってあります」 菫「な、なにが言いたい……?」 京太郎「先輩にもそういう一面があるんじゃないかって、俺は思うんです」 京太郎「たとえば、いつもは気丈にふるまっていても、実は甘い物好きだとか」 菫「なっ……!」 菫(見透かされてる……なぜ!?) 京太郎「先輩、俺が先輩のこと全然見てなかったって思ってます?」 京太郎「先輩が俺ら部員をしっかり見ててくれたように、俺だって先輩のことずっと見てきたつもりですよ?」 菫「な、ななな何を言ってるんだお前は……っ!///」 京太郎「……先輩はドライに見えて、実はけっこう気にしいなところがある」 菫「なっ……!」 京太郎「先輩は何でもそつなくこなすと思われてるけど、実は陰で人一倍努力している」 菫「や、やめろ……っ!///」 菫(は、恥ずかしい……!) 京太郎「そして……先輩は厳しそうに見えて、実際はやさしい」 菫「はっ……!」ズキュン(ロン) 京太郎「全部……俺が先輩をずっと見てきた中で感じたことです」 菫「ぅう……お前、こんなことしてただで済むとは……」 京太郎「思ってませんよ。だからお礼させてください」 京太郎「先輩の制服、俺が直してあげるってのでどうですか?」 菫「……っ///」 菫「わ、わかったよ……それでいい」 京太郎「はは、やっと素直になりましたね」ニコッ 菫「……っ」プイッ 菫(こ、こいつの顔をまともに見れん……!) 菫「そ、それじゃ早く家へ案内しろ……///」 京太郎「はい……!」 ...スタスタ 京太郎「……」 菫「……」チラッ 菫(まさか、こいつにあれほど見られていたなんて……) 菫(気にしいなところも、陰で努力をしていることも……すべて図星だ。情けないことに) 菫(だが、やさしいってのはなんだ……!? 私にはそんな心当たりは……) 菫(それとも、私が気付いてないというだけで、須賀の目にはそう映ってくれたんだろうか……) 菫「……っ///」 菫(な、なにを嬉しそうに顔をゆがませてるんだ私は……!) 京太郎「あ、着きましたよ」 菫「は、はい!」 京太郎「……どうしたんですか?」 菫「ごほんっ……な、なんでもない。さあ、とっととあがらせてくれ」 京太郎「さあ、どうぞ。レディーファーストです」ニコッ 菫「……なんか今日のお前はいちいちムカツクな」 京太郎「ええっ、なんですかそれ!」 菫「な、なんでもないよ」 ガチャ 菫「ほう……一軒家とは聞いていたが、けっこう立派なもんじゃないか」 京太郎「ええ、借り家にしてはけっこういいところに住まわせてもらってると思ってますよ」 菫「そうだな……そういえばお母様は? ひとつ挨拶をさせてもらいたいのだが」 京太郎「母ですか? いませんけど」 菫「え、じ、じゃあお父様は……?」 京太郎「俺の両親、共働きですよ?」 菫「で、ではこの家には……」 京太郎「俺……と先輩だけっすね」 菫「……」 京太郎「……?」 菫「……帰るっ!」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」 菫「お前、もしかしてそういうのが目的で呼び出したのか!」 京太郎「そ、そういうのってなんですか!?」 菫「お前には失望した! 大いに失望した!」グググ 京太郎「お、落ち着いてくださいって! とりあえずそのドアにかけた手を放して!」 菫「わ、私をたぶらかそうとおもっているんだろう! 照の妹に引き続いて、まったくお前というやつは……!」 京太郎「ご、誤解ですってー!」 (5分間の押し問答の末) 菫「……」プイッ 京太郎「い、いい加減、機嫌直してくださいよー」 菫(まったくこいつは……自覚がないのかっ) 菫(自分が周りの女子からどういう風に見られているのか……) 菫(ほんと最悪のたらしだよ……お前は) 京太郎「と、とりあえずお茶入れてきますね」 菫「……」スクッ 京太郎「逃げないでください」 菫「……ふんっ」ストン ――――――――――――――――――― 京太郎「はい、どうぞ」 菫「い、いただきま……じゃなくて」 菫「いただいてやる……」ズズ 京太郎「あはは……どうですか?」 菫「ん……」 菫(こいつはどこで覚えたんだか……お茶の入れ方が異常にうまい) 菫「ま、まぁまぁだな……」ズズ 京太郎「そうですか。よかったです」 京太郎「それじゃ、さっそく直してあげますね」 菫「ん……あぁ、頼むぞ」 京太郎「……んじゃちょっと失礼して」スッ ボカッ 京太郎「いたっ!」 菫「な、なななななな……!///」 菫「何をしようとしてるんだお前はっ!///」 京太郎「いやだから膝の部分を縫い直そうと……!」 菫「お前、だからと言っていきなりスカートの中に手を突っ込むやつがあるかぁ!」ボカッ 京太郎「ご、誤解ですって!」 菫「はぁ、はぁ……」 京太郎「そ、そんじゃ、少したくし上げてくださいよ!」 菫「……今度は何をたくらんでる」 京太郎「何も企んでません」 菫「……」 菫「こ、これでいいか……?///」スッ 京太郎「ええ、オッケーです」 ...スチャスチャ 菫(まったく……デリカシーのないやつめ) 菫「……しかし、ムダに器用だよな。お前」 京太郎「ムダ、は余計ですよ」 菫「いーや、ムダだよ。その才能が、どうして麻雀の方に向かなかったんだろうな、ほんと……」 京太郎「み、耳が痛い……」 京太郎「……でも、俺はムダだなんて思ってませんよ」 京太郎「これのおかげでこうして今も、先輩の役に立ててるわけですし」 菫「ま、またそうやってすぐ……」 京太郎「ほんとのことですよ」 菫「……っ///」プイッ ...スチャスチャ ――――――――――――――――――― 京太郎「……はい、できました」 菫「あ、あぁ……」 京太郎「どうですか?」 菫「ま、まぁまぁじゃないのか……? お前にしては」 京太郎「はは、最大限の褒め言葉として受け取っておきます」 京太郎「それじゃ、そろそろ帰りましょうか。照さんも待たせてることですし」 菫「ん……あぁ、そうだな」 菫「……」 京太郎「……どうしかしたんですか?」 菫「いや……」 菫(も、もっと……二人で話していたい、なんて) 菫「……っ」 菫(言えるわけない、よな……) 菫「なんでもないよ。帰ろう」 京太郎「はいっ」 ――――――――――――――――――― ガチャ 京太郎「ただいま戻りましたー」 菫「……」 淡「おっそーい!」バンッ 京太郎「いてえっ! てめえなにしやがる!」 淡「きょうたろーが遅いのが悪いんだよっ!」 淡「ほら見てよ! テルーがもう人の姿を保てなくなってるっ!」 照「……ぉか、し……」 京太郎「うわ、大丈夫っすか!? 照さん!」 京太郎「今お菓子あげますからねっ」ガゾゴソ 照「き、京……ちゃ……」 淡「早く、早く!」 京太郎「よ、よし……はいこれ!」グッ 照「もがもがっ……」 淡「テルー……生きかえってっ!」 照「……っ!!」ピキーン 照「……復活」 京太郎「よ、よかった……」 淡「やったー! テルー!」ダキッ 照「……あ、ありがと……京ちゃん」ボリボリ 京太郎「いや、いいってことですよ……遅れたのは俺が悪いんですし」 菫「……」ボー 淡「そういえば、きょうたろー。なんでスミレと一緒に帰ってきたのっ?」 菫「っ!」 京太郎「いや、買い出し行くときに偶然会ってな。それで一緒に」 淡「へえー、じゃあなんで遅れたのー?」ニヤニヤ 京太郎「は……?」 淡「買い出しにしてはみょーに長かったからさっ」 淡「なーんか二人でよろしくやってるのかなーっと」プクク 菫「ば、ばか! そんなのあるわけないだろ!」 京太郎「そ、そうだよ! 何言ってんだよお前!」 淡「ふーん、ならいいけどさーっ!」 京太郎「はぁ、ったく……」 京太郎「淡のやつなに考えてんすかねえ……?」クルッ 菫「……っ!///」プイッ 京太郎「……?」 ――――――――――――――――――― 照「……それじゃ、先に帰ってるから」 淡「まったねー!」ブンブン 尭深「……お疲れ様です」 京太郎「はい、また明日」 京太郎(てか、渋谷先輩いたのか) ワーワー 京太郎「先輩は仕事が残ってるんですよね?」 菫「ん……まぁな。だからお前も先に帰って……」 京太郎「俺も手伝いましょうか? もしできることがあるなら」 菫「なっ……いいよ! そんなの!」 京太郎「でも、先輩に全部まかせっきりで変えるのも忍びないですし」 京太郎「何かあるなら手伝わせてください」 菫「……っ」 菫「そ、それじゃ……頼めるか?」 京太郎「もちろんですよ!」ニコッ 菫「……っ」 菫「じ、じゃあそこの牌譜の整理を頼む」 京太郎「了解です!」 菫「あぁ」 京太郎「……」サッサッ 菫「……」 菫(またこいつと二人きりになってしまった……) 菫(いや、今回のは完全に私が仕向けたことだ。こんな雑用、今でなくても全然いいわけだし……) 菫(私は……こいつと一緒にいたいと思ってる。それはもう、ごまかしきれるものじゃない) 菫(私は好きなんだから……こいつのことが……) 菫「……っ///」 菫(……なんだろう……今この瞬間を逃したら、この気持ちは一生伝えられそうにない気がする) 菫(……でも、この気持ちを伝えて……私はどうしたいんだ?) 菫(須賀が私を好きだなんてことは、万に一つもあり得ない……) 菫(それに、こいつは昨日同じようなことを経験してるんじゃないか) 菫(せっかく気持ちの整理をつけようとしているのに、そこへ私がちゃちゃを入れたら、ますますこんがらがってしまうだけだ……) 菫(それでは、私がしたアドバイスもすべて無駄になる……) 京太郎「……」サッサッ 菫「……」 菫(だが、本当にそれでいいのか……?) 菫(本当に私はそれで、納得できるのか……?) 京太郎『先輩……疲れませんか?』 京太郎『はは、やっと素直になりましたね』ニコッ 菫(そうだな……私はいままで自分を律しすぎていたのかもしれない) 菫(完璧な理想を追い求めて、嘘をつき、偽り続けていたんだ) 菫(一番の親友である照にさえ、本音をさらしたことはあまりない) 菫(けど、こいつと話してみて思ったこと、それは……) 菫(もっと素直になってみたい、もっと本音を吐き出したい……! そういったことだった) 菫(たとえその結果、私が須賀のことを困らせるようなことになっても……) 菫「……っ」 菫(はぁ、結局人ってのは自己中な生き物なんだな……) 菫「……須賀、少しいいか?」 京太郎「はい、なんです?」 菫「……さっき教室で、私はお前に『好きなやつはいるか』と聞いたよな?」 京太郎「え、ええ」 菫「……あれの答えを、もう一度聞かせてほしい」 京太郎「……そ、それは」 菫「……っ、須賀……私は」 菫「……っ///」 菫(いけ……私っ) 菫「お前のことが、その……好きかもしれない」 京太郎「え……」 菫「……だ、だから……っ///」 菫「お、お前の方はどうなのか……それだけ聞かせてほしい」 菫(返答は……わかってる……) 菫(けど、それでも……お前の口からききたいんだ……) 菫(今ならわかる……照の妹さんの気持ちが) 京太郎「俺は……その、俺も……っ」 菫「っ!」 京太郎「先輩のこと……好きかもしれない、です」 菫「なっ……でも、お前好きな人はいないって!」 京太郎「その、さっきまではそうでした……いやそうだと思ってました、けど……」 京太郎「今日一日……短い間ですけど、先輩とたくさん話をして……思ったんです」 京太郎「俺は、この人のことが好きなんじゃないかって」 菫「な、なんだそれ……そんなの……」 京太郎「嘘の気持ちだっていうんですか……?」 菫「……っ」 京太郎「……でも違いますよ、少なくとも今は」スッ 菫「……ひっ!///」 菫(す、須賀の……手が……) 京太郎「もう一度言います……俺、先輩のことが好きです」 菫「……っ///」 菫(ほんと……卑怯だよ、お前は) 菫(そうやって言われたら、信じるしかなくなるじゃないか……) 菫「こ、こんな……こんな私でも……好きでいてくれるのか?」 菫「わ、私は……全然素直じゃないぞ? い、意地っ張りだぞ? 神経質だぞ? それでも……」 須賀「それでも、好きですよ。ていうか、そんな先輩だからこそ、好きでいられます」 菫「……っ///」 菫「お、お前……ほんと生意気だなっ」 京太郎「はは、すみません……」 菫「だけど……私も、そんなお前だからこそ、好きでいられるのかもしれない」 京太郎「……うれしいっすよ」 菫「……うん」 京太郎「あの……先輩」 菫「……なんだ?」 京太郎「これからは、先輩じゃなくって……菫さん、って呼んでもいいですか?」 菫「す、すすすスミレさん!?」 京太郎「ええ、なんというかその……弘世先輩だとなんか距離感あって」 菫「……っ、私は別にかまわないが……いいやかまうが!」 菫「というかそれは……照たちの前でもか?」 京太郎「? ええ、もちろんです」 菫「な、なんか恥ずかしいな……///」 京太郎「す、すぐなれますよ! ていうか俺だっていうの恥ずかしいですよ!」 菫「じ、じゃあ! わ、私も付き合ってやる……」 京太郎「えっ?」 菫「お、お前のこと……これからは京太郎って呼んでやる……っ///」 京太郎「……はい! お願いします!」 菫「う、うん……///」 京太郎「じゃあ、これからよろしくお願いしますね。菫さん」 菫「あ、あぁ……よろしくすg……き、京太郎っ///」 京太郎「えへへ……」 菫「……っ///」 京太郎「じ、じゃあ仕事終わらせちゃいましょうか!」 菫「あ、うん……」 京太郎「……よしっと」サッサッ 菫「あ、あの……! き、京太郎……」 京太郎「っ! な、なんですか?」 菫「えと……その、だな……」 菫「……っ///」 菫「と、隣……座ってもいいか……?///」 京太郎「えっ……」 京太郎「ええ! もちろんっすよ」ニコッ 菫「……う、うんっ」スタスタ 京太郎「ほら、ここどうぞ」 菫「ち、近すぎないか……!? これじゃ仕事に集中できんぞ……っ」 京太郎「せ、先輩が言い出したんじゃないですか!」 菫「それはそうだが……っ」 京太郎「ていうか、先輩やっと素直になったんすね。自分から『隣に座りたい』とか言い出すなんて」 菫「な……っ! だ、黙れっ! この、この!」 京太郎「い、痛いですって! 先輩!」 ワーワー 菫「……ふふ」ニコッ 菫(……京太郎となら、少しは自分に素直になって生きていけるかもしれない) カン ----------- 京太郎(くそっ……あいつを傷つけちまった) 京太郎(それだけじゃない……答えを言いよどんだせいで、あんなことまでさせて) 京太郎(最低だ……俺) 京太郎「……」 京太郎(どうする……このままでいいのか) 京太郎(よくない……けど、咲を追いかけたところで、余計にあいつを……) 京太郎(いや、ここであいつを追いかけなかったら、俺はきっと後悔する……!) 京太郎(あれこれ考えるのなんて、俺には似合わねえ……行動あるのみだ!) ダダッ 京太郎「待ってろ……咲!」 ――――――――――――――――――― ...トボトボ 咲「……っ、ぇ……」ポロポロ 咲(最低だよ……私) 咲(いくら振り向いてもらえないからって……あんな汚いマネするなんて) 咲(そりゃあ、京ちゃんにも好きになってもらえないわけだよ……っ) 咲(それに……最後の最後に交わしたのが、あんな私の独りよがりな言葉だなんて……) 咲(なんなんだろう……私。なにがしたいんだろう……) 咲(みっともないよ……ほんとに) 咲「……っ、ひっく……」 「おーい! 咲ーーーっ!」 咲「えっ……」 「はぁ、はぁ……やっと追いついたぜ……っ」 咲「き、京ちゃん……」 京太郎「あんまり遠くに行ってなくてよかったよ」 咲「な、なんできたの……」 京太郎「そ、そりゃお前……」 京太郎「あんな状態で、お前をほっとけるやつがいるかよ……」 咲「……っ、なにそれ」 京太郎「えっ」 咲「私をこんなにしたのは、京ちゃんでしょっ!」 咲「……っ、えっく……」ボロボロ 京太郎「ご、ごめん……咲」スッ 咲「触らないでよっ!」パシンッ 京太郎「……」 咲「……っ、ぅう……」 京太郎(くっ……どうすれば) 京太郎(俺には何もしてやれないのか……) 咲「……っ、帰ってよ」 京太郎「……」 京太郎(でも、ここで帰ったら、こうして咲を追いかけてきた意味がねえ……) 京太郎(なんとか……なんとか咲に話を……) 京太郎「咲……さっきはほんとに悪かった。お前の気持ちも考えず……」 咲「……」 京太郎「俺は……まだよくわからねえ、咲のことどう考えたらいいのか……」 京太郎「でも、今泣いてるお前を放っておけない……それだけは確かだ!」 咲「……っ」 京太郎「だから……ひとまず俺んちに戻ろうぜ。ここじゃ風邪ひくだろ」 咲「……」 ――――――――――――――――――― 京太郎「ただいま」 咲「……」 京太郎「咲、お前風呂入るか?」 咲「な、なに言いだすの急に……」 京太郎「いや、お前もいろいろあって心落ち着けたいだろうしさ」 京太郎「風呂でも入ればすっきりするかなって」 咲「……エッチなこととか、考えてないよね?」 京太郎「か、考えてねえよ!」 京太郎「俺は俺で、食事の後片付けでもしながら頭冷やしとくからよ」 咲「……わかった。入ってくる」 京太郎「ああ」 スタスタ...バタン 京太郎(俺もちゃんと、どうしたいのか考えねえと……) ――――――――――――――――――― ジャー 京太郎「……」フキフキ 京太郎(俺は、咲のこと……女として見てなかった) 京太郎(でも、さっきのこともあって……咲が本気で、その……俺のことが好きなんだってことが分かった) 京太郎(咲の中ではもうとっくに、俺は“ただの友達”じゃなくなってたんだ) 京太郎「……っ」 京太郎(じゃあ、俺の方は……どうだ?) 京太郎(今でもあいつを……ただの友達でしかないと言い切れるか?) 京太郎(俺はいったいどうしたいんだろう……?) 京太郎(……) 京太郎(俺は、あいつを悲しませたくない……あいつの泣いてる顔なんて見たくない) 京太郎(……それは、友達だからか? それとも、それ以上の気持ちがあるからか……?) 京太郎(わからねえ……俺には……) ――――――――――――――――――― バタン 咲「……あがったよ」 京太郎「あぁ、おかえり」 咲「……」 京太郎「まあ、ここに座れよ」 咲「……うん」ストン 京太郎「……」 咲「……」 京太郎「……あのさ、咲。俺、考えたんだ」 咲「……なにを?」 京太郎「俺はどうしたいのか」 咲「……京ちゃん」 京太郎「なんだ?」 咲「京ちゃんはやさしいから……たぶん、私のことを傷つけたくないって思ってると思う」 咲「でも、傷つけたくないからって理由で好きになってほしいなんて、私は思わない……思えないよ」 京太郎「咲……」 咲「私も考えた……自分がどうしたいのか」 咲「私はもう、京ちゃんのこと忘れたい……」 京太郎「なっ……」 咲「だって、京ちゃんのこと考えるの……苦しいから……っ」 咲「好きになってもらえないんなら……一緒にいるだけで……それだけで辛いから……っ」 京太郎「……っ」 咲「私はたぶんすっごく意地が悪くて、ワガママなんだと思う……」 咲「普通なら、好きな人と一緒にいられるだけで幸せだと思うはずなのに……私にはそれができない……っ」 咲「私は独占したいんだよ、京ちゃんを! 京ちゃんを私一人だけのものにしたい! 他の子と一緒にいるのなんて嫌なの!」 京太郎「咲……」 咲「……でもそれはできないってわかった……もうわかったんだ」 咲「だから、これ以上私が“嫌な奴”になる前に……っ」 咲「……っ、京ちゃんのこと……もう忘れさせて」 京太郎「……っ」ガタン 咲「えっ……」 ダキッ 咲「ひぅ……き、京ちゃん……?」 京太郎「俺は……っ! 俺は咲のこと、忘れたくなんかねえよ!」 咲「……っ」 京太郎「俺の……俺の方こそワガママだ……っ」 京太郎「咲のことを傷つけたくないといいつつ、答えをはぐらかして、傷つけて……」 京太郎「俺……咲のこと好きなのかそうじゃないのか……それだけを考えてた」 京太郎「でも思ったんだ……答えはそれだけなのかって」 京太郎「俺の中で不変なのは……お前と一緒にいたいっていうこの気持ちだ」 京太郎「それが世間でどういう言われ方をしているのかわからない……」 京太郎「もしかしたら、それも単なる“友達としての好き”の範疇なのかもしれない」 京太郎「だけど、俺が自信を持って言えるのってそれだけなんだ」 京太郎「俺はお前といたい……ずっと一緒に」 京太郎「……咲の方は、どうだ?」 咲「……っ」 咲「わ、私だって……っ」 ギュッ 咲「私だって、京ちゃんとずっと一緒にいたいよっ!!」 京太郎「そっか……ありがとう」 咲「ぅ……ひっく……」 京太郎「ごめん、こんな卑怯な言い方しかできなくて……」 咲「いい……いいの……っ」 咲「私には……私にはそれだけで、すごい宝物だよ……?」 京太郎「……ありがとう」ギュ 咲「……っ」 京太郎「いつか、ちゃんとお前に『好きだ』って、自信を持って言いたい」 京太郎「それまで、一緒にいてほしい……頼めるか?」 咲「うん……」ゴシゴシ 咲「よ、喜んで……っ!」ニコッ カン
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 久「そう。インターハイも終わって夏休みも残り少ないけど後身育成の為にね」 和「合同と言うことはまた以前の3校ですか?」 久「いいえ。今度は別の学校よ」 まこ「ほう。いったい何処とやるんじゃ?」 久「なんとあの白糸台! そしてもう1校、阿知賀女子が来るわ」 咲「白糸台!? それってお姉ちゃんの」 久「ええ。話を持ち掛けてくれたのは阿知賀の赤土先生なんだけど、じゃあ一緒にどうかって白糸台に連絡を取ったら先方も是非にって」 咲「わぁ、じゃあ久し振りにお姉ちゃんに会えるんですね」 優希「咲ちゃん嬉しそうだじぇ!」 和「よかったですね。咲さん」 咲「うん! ありがとう、優希ちゃん和ちゃん」 咲「あ、でも……合同合宿って事は京ちゃんは……」チラッ 京太郎「あ、はは……まぁ俺に気にせずみんなで行ってきてくれよ」 久「ああ、今回は須賀君にも参加してもらうから」 久以外「えっ!?」 久「言ったでしょう? 後身育成の為の合宿だって」 久「須賀君も立派な部員なんだから。もっと強くなってもらわないとね」 和「けど、私達は構いませんが先方は大丈夫なんでしょうか」 久「その点もだーいじょーうぶ。バッチリ許可を取ってあるから」 久「雑用を任されるって言ったら二つ返事でOKしてくれたわ」 京太郎「あはは、はぁ……雑用するのは確定なんですね」 久「そりゃ唯一の男手なんですもの。頼りにしてるわよ男の子」 京太郎「はぁ……わっかりました! 雑用でもなんでもやりますから是非連れて行ってください!」ペッコリン 久「よし! 良い返事ね」 咲「よかったね京ちゃん!」 和「頑張りましょうね須賀君」ニコ 京太郎「ああ! ありがとな咲、和」 優希「これで少しは成長してくれれば京太郎も練習相手になるんだじぇ! 今のままじゃよわよわ過ぎてただのカモだじぇ」 和「優希、そんな言い方をしてはダメですよ」 京太郎「はん! 見てろよ今にお前より強くなってやるからな!」 優希「ほほう! このゆーき様より強くとは大きく出たもんだじゃ」 まこ「くく、まぁ練習相手云々は置いておくとして合宿の間お前さんをシゴけるのかと思うとなかなか楽しそうじゃの」ククク 京太郎「う、お、お手柔らかにお願いします」 久「はいはい意気込みもいいけどこっち注目」パンパン 久「合宿は3日後。はぐれても行けないからいったん学校に集まること。良いわね咲?」 咲「な、なんでそこで私に振るんですかぁ?」 咲以外(そりゃ……) 京太郎「じゃあ当日の朝は俺が迎えに行ってやるよ」 咲「学校までなら迷わないよ!」プンプン まこ「はいはいじゃれないじゃれない」 咲「じゃれてません!///」 久「と、まぁそう言うわけだから明日から当日まで部活はお休みね準備とかもあるでしょうし。いいわね」 久以外「はい」 久「じゃあこれで今日の部活は終了。解散!」 全員「お疲れ様でした!」 ――――― ――― ― 1年生が帰った後 まこ「のう久、この合宿ってのは」 久「相変わらず聡いわね。そうよ」 久「あの子達のおかげで夢の全国制覇を達成できたこれはそのちょっとしたお礼よ」 まこ「また回りくどい事を、素直に慰安旅行だと言えばよかろうが」 久「嫌よそんなの、なんか……恥ずかしいじゃない///」 久「それに合宿って言うのも別に嘘ってわけじゃないわ。ただそういう言い方も出来るってだけよ」 まこ「はいはい。お前さんがそう言うならそういう事にしとくか」 久「あ、なにその言い方、可愛くない」 まこ「はいはい。さーてわしも帰るとするか」 久「早!? あ、ちょっと待って」 まこ「ほれ、はようせんか」スタスタ 久「言いながら置いていかないでよ! ちょっとまこー!」タタタ ガチャ、バタン!、カチャン 電車に揺られバスに揺られやって来ました合宿場。 京太郎「へぇ、なかなか良いとこですね。落ち着いた感じで」 まこ「なんじゃノスタルジックな感じじゃの」 優希「そんなことより早く行こうじぇ!」 京太郎「そうだな。…………ん?」 優希に促がされながら歩き出そうとするとあるものが目に留まる。 その名も自動販売機。 京太郎「ふむ……」 逡巡、後の閃き。 京太郎「すまん。ちょっと待っててくれ」 咲「京ちゃん?」 咲の声を半ば無視しつつ、俺は自販機に硬貨を投入。 ボタンを押して商品を取り出す。うえぇ熱い。 和「飲み物ですか? それなら私、水筒にアイスティーを入れてきましたけど」 日傘を差した和がそういって少し手荷物を振ってみせる。 優希「うわぁしかもホットコーヒー。京太郎、暑さでとうとう頭までやらっれちゃったじぇ」 京太郎「ああ、これはこれで良いんだよ。その内わかる。和のは後の楽しみにさせてもらうよ」 和「はぁ……」 要領を得ないと言った感じだ。でしょうねぇ。 久「あなた達、しゃべってると置いてくわよ」 1年生「はーい」 旅館前 その玄関先でごろ巻いてるあの集団は、 久「弘世さん」 菫「! ああ、竹井部長か。先週の電話以来だな」 振り返ったのは白糸台の部長である弘世先輩。 照「咲、久し振り」 弘世先輩と並んで咲のお姉さんである照さんが振り返る。 咲「うん。直に会うのは久し振りだねお姉ちゃん」 咲は照さんに会えて本当に嬉しそうだ。 照「咲、少し見ない間にまた大きくなって」 咲「やだお姉ちゃん、親戚のおばさんみたい」クスクス 2人もいろいろあったが今となってはそれも過去。気兼ねなく話せている。 美しい姉妹愛だ。 誠子「お久し振りです!」ペッコリン 尭深「お久し振りです……」ペコ 亦野先輩と渋谷先輩が挨拶とともに会釈をしてくるのでこちらもそれに応える。 そして残りの1人は…… 淡「サキー! ユッキー! ノドカー! 久し振りー!!」 さーてうるさいのが来たぞぉ。 周囲を見て回っていたんであろう一際やかましいのが向こうから突っ走ってくる。 淡「わーい!」ダキッ 咲「わわ、もう淡ちゃんってば」 和「お久し振りです淡さん」 優希「久し振りだじぇ!」 淡「うん! 2人とも久し振り!」 女の子が4人でニャンニャンしている。 微笑ましい。 淡「お?」 再会の挨拶もそこそこに、俺に気付いた淡がこちらに近付いてくる。 淡「よ!」 京太郎「おう」 かっっる…… 淡「ふーん、ほーう……」ジロジロ なんすか? 淡「やーい荷物持ちー」ケラケラ 京太郎「うっせ、力仕事は男の仕事なんだからいいんだよ」 淡「”男の”じゃないでしょ、”キョータローの”でしょ」ケラケラ 淡「それより私喉渇いた。なんか買ってきて」 京太郎「ああ、そんなことを言い出すんじゃないかと思って用意してあるよ。ほれ」 そう言って俺は先程買った缶コーヒーを差し出す。 淡「うえ、コーヒー……しかもホットで無糖。これやだ! 苦いもん」 京太郎「そうだと思ったから買った」 淡「むぅ~!」ブンッ 京太郎「おわっ!? おま、投げるなよあぶねぇな!」 こいつ、中身の入ったスチール缶を全力投球しやがった。 相変わらず無茶苦茶な奴だな。 菫「おい淡、遊んでるなら置いてくぞ」 部長と話をしていた弘世先輩が淡を呼び付ける。 どうやら話は終わったらしい。 って言うかこのやり取りさっき見たな。 淡「あ、待ってよスミレー!」 先立っていた白糸台のメンバーに合流していく淡の後姿を見ながら俺は地面に転がるスチール缶を拾い上げる。 照「じゃあまた後で」 淡「また後でね! サキ!」 咲「うん、また後で」フリフリ 淡「……」 淡「キョータローのアホ! べー!」 あっかんべーをした後そのまま照さん達に付いて建物の中へ入っていく。 まったく、やれやれだぜ。 久「じゃあ私達も部屋に荷物を置きに行きましょうか」 和「はい」 部長に促がされて歩みを進める清澄の面々。 咲「見てたよ京ちゃん。ダメだよああいうの」 京太郎「いやいや咲さん。あれは俺らなりのコミュニケーションでしてね」 和「どこの地域限定のコミュニケーションですか」 京太郎「き、今日の和は突っ込み厳しいね」 prrrrrrr 咲「ケータイ?」 優希「誰だじぇ?」 京太郎「すまん俺だ。ん、っと……」 ズボンの後ポケットに突っ込んでいて携帯電話を取り出そうとするが荷物が邪魔で上手く取れない。 咲「片方持つよ」 京太郎「あ、すまん」 咲に荷物を分担してもらい、俺は取り出した携帯電話の液晶を眺める。そこには『赤土先生』の文字。 嫌な予感がする。 京太郎「はいこちら宇宙大統領。イタズラ電話の場合は銀河的に抹殺……」 晴絵『もしもし須賀君? 私、赤土だけど』 京太郎「あ、はい。須賀です。はい」 もっと乗っかってきてほしかった。 晴絵『悪いねー急に。今どこ?』 京太郎「今ですか? ちょうど玄関前ですけど」 晴絵『お、タイミング良いねぇ。じゃあ裏の駐車場までヨロ』 京太郎「え?」 晴絵『そんじゃね、待ってるから! よろしくー!』ガチャッ、ツー…ツー… そして唐突に切れた。 台風みたいな人だ。 咲「京ちゃん?」 京太郎「デートに誘われましたー」 咲「え!? デートって、ええっ!!??」 久「モテること」 咲「デートって、え!? 京ちゃん私聞いてい、聞いてないよ!?」 和「落ち着いてください咲さん。あれはどう見ても用事を押し付けられただけです」 咲「あ、え、そ、そうなの? 京ちゃん」 京太郎「まぁ、はい。そうなんだけどね」 まこ「で、誰からだったんじゃ?」 京太郎「阿知賀の赤土先生が。なんか駐車場まで来てほしいって」 まこ「駐車場か。地下駐車場じゃなくてよかったの」 京太郎「地下?」 まこ「いや気にせんでいい」 久「駐車場ってことは車までってことね。とするとなにかの荷物運びかしら」 京太郎「おそらく」 和「どうします? 私達も行きますか?」 京太郎「いや特になにも言ってなかったしたぶん俺だけで良いと思う。みんなは先に荷物降ろしてきてくれよ」 咲「じゃあ京ちゃんの荷物は私が運んでおこうか?」 京太郎「いいよいいよ、別に。玄関ホールのどっか適当に置いといてくれれば」 咲「でも……」 久「咲。ここは須賀君を立ててあげましょう。きっと須賀君の1ミリ程のプライドが許さないのよ」 事実その通りだけどそういわれるとなんか悲しい。 咲「わかりました。じゃあ京ちゃん、用事が済んだらお昼、一緒に食べようね」 京太郎「おう!」 女衆が引き上げていくのを見送った後、俺は1人建物の裏手に回る。 コンクリで綺麗に舗装された駐車場にはほとんど車が停まっていない。 俺は視界を巡らせ目当ての人物を探す。いた。 晴絵「やぁ、悪いね。わざわざ」 京太郎「どうも、お久し振りです」 晴絵「はい、お久し振り。で、早速で悪いんだけど」 そう言って先生は車の荷台を開ける。 晴絵「これ、運んでもらって良いかな?」 なんだこりゃ、いや日本人なら誰でも知ってるようなものだけどなんでこれが今ここに? 京太郎「なんですかこれは?」 晴絵「なにって、炬燵だけど」 京太郎「それは把握してます(直伝)」 晴絵「悪いんだけどそれ、上まで運んでってくれない」 京太郎「はぁ、まぁ良いですけど」 なんで炬燵。真夏に炬燵? いや待て、いるだろ。知り合いに1人。真夏でもこれを必要とする人が。 京太郎「これってやっぱり宥さんの?」 晴絵「そーそー、大正解」 っしゃーっ!! なんかやる気出て来た。 京太郎「OK! 任してください」 晴絵「君ならそう言ってくれると思ってた! よ! 男前!」 京太郎「よしてくださいよ! おだてられると調子に乗るタイプなんで」 晴絵(だからおだててるんだけどな~) 京太郎「それじゃあ、よっと」 掛け声で勢いをつけて一気に持ち上げる。あ、あんまり重くない。 京太郎「これなら炬燵布団も一緒に持っていけそうですね。どこですか?」 晴絵「へぇ、素直に驚いた。結構力持ちなんだ」 京太郎「そりゃあ、日々のあれこれの賜物ですよ」 晴絵「じゃあ、ホントに悪いんだけどよろしくね」 京太郎「はい。任されました」 同行していた赤土先生と途中で別れ、宥さんと玄さんの宿泊する部屋に向かう。 京太郎「え、っと確かこっちだよな」 ?「京太郎?」 お、この声は…… 京太郎「鷺森先輩、トゥーッスッ!!(舎弟風)」 京太郎「お久し振りッス!! お変わりないッスか!?」 灼「うん、久し振り。……その荷物、宥さんの?」 京太郎「うッス!!」 灼「ならそこを真っ直ぐ行ったところだよ」 京太郎「アザッリャッスッ!!」 灼「じゃあ私、ハルちゃんの所に行くから。がんばって」フリフリ 京太郎「トゥーッスッ!!(舎弟風)」 去っていく鷺森先輩が見えなくなってから下げていた頭を上げる。 京太郎「さて、行こうか」 コンコン <ハーイ 京太郎「失礼しま~す」ソロ~リ ノックの返事を聞いてゆっくり戸を開く。 宥「あ、京太郎君」 京太郎「どうもどうも、お久し振りです宥さん。本日もご機嫌麗しゅう」 宥「うん。久し振り」ニコニコ そろそろ久し振りという単語がゲシュタルト崩壊してきそうだ。 京太郎「1人ですか?」 部屋で1人座っていた宥さんが立ち上がり出迎えてくれるが、我がベスト・オブ・マイフレンズの姿は見えない。 宥「うん。玄ちゃんは穏乃ちゃんや憧ちゃんと一緒に、和ちゃん達に会いに行ったよ」 京太郎「そうなんですか」 そりゃ残念。 宥「それ持ってきてくれたんだ。炬燵」 京太郎「あ、はい。赤土先生に頼まれて」 宥「そうなんだ。ごめんね? 自分で持って行くって言ったんだけど……」 申し訳なさそうにシュンとしてしまう宥さん。 なぜかこっちまで申し訳ない気持ちになってしまう。 京太郎「おっと、待ってください。俺はお礼を言われこそすれ、謝られるような事をしたつもりはないですよ?」 ちょっとキザったらしかったかな。 俺の言葉にしばしキョトンとした後、口元を押さえてクスクスと笑い出す宥さん。 宥「ふふ、そうだね。ありがとう京太郎君」 ああ、やっぱり女性の笑顔は良いね。明日への活力になる。 それが美人ならなおさらね。 京太郎「じゃあちゃっちゃと組み立てちゃいましょうか」 宥「ええ!? そんな悪いよ」 京太郎「いえ実はこう見えて僕、炬燵の組み立てが趣味でして1日に1回は炬燵組まないと気がすまないんですよ」 宥「ええ~」 京太郎「ほらほら、ちゃっちゃとやりますよ。ちゃっちゃっちゃっと」 宥「わわわ、私も手伝うよ~」 そんなこんなで炬燵完成。 部屋の隅の邪魔にならない場所に設置。そこはまさに宥さんだけの聖域。 宥「よかったら京太郎君もどうぞ」ニコッ 京太郎「あ、これはご丁寧にどうも」ペコ ゴソゴソ あ~ 宥「あったかいね~」ニコニコ …………………………………………あっつ。 やっべぇ、これやっべぇ。 宥「~♪」ホコホコ 京太郎「……」ダラダラ つい流れでご一緒することになってしまった。 いや、宥さんとご一緒するのはやぶさかではないのだがこれはちょっと。 京太郎「……」チラッ 宥「?……」ニコ 微笑まれてしまった。 普段の俺なら「暑い!もうお家帰う!」といって跳び出しているところだが、が! そんな俺を見たら宥さんはどう思うよ? 涙目ぞ? 故意に宥さんを悲しませようと思えるほど俺はまだこの世界に絶望しちゃいないが、はてどうしたものか。 尭深「……」 な ん か 1 人 増 え て る ! 尭深「……」ジョー ティ○ァールですか、なかなか良いポットを使ってますね。 尭深「あの……お茶、どうぞ」スス 宥「あ、どうも~」 尭深「須賀君も」 京太郎「あ、すみません。ありがとうございます」 宥「……」ズズズ 宥「あったか~い」 平然と飲んだ。そしてめっちゃ幸せそうな顔してる。可愛い。 尭深「……」フーフー、ズズズ 湯のみ両手で持ってめっちゃフーフーしてから飲んでる。可愛い。 京太郎「……」ズズズ …………………………………………あっつ。 その後、なんかすごい3人でお茶飲んだり積み木やったり趣味の園芸(録画)を見たり、 治安警察特殊機動隊(ユーバーファルコマンド)との激闘だとか、ラインアーク攻防だとか、第6聖女がうんぬんかんぬんだとか、 俺と宥さんと渋谷先輩の三角関係からなるラブロマンス(願望)だとか、 もうアカデミー賞とかバンバン取っちゃう位の大スペクタクルが展開されたが割愛。 まぁこれで夏休みの絵日記の宿題に書くネタが出来たからよしとするか。そんな宿題ないけど。 で、今は3校全員がホールに集まっている。 咲「京ちゃん、大丈夫だった?」 京太郎「ん? ああ、なんか炬燵運ばされたけどただそれだけ。平気ヘーキ」 優希「この万年発情期の犬はすぐ他所の女の子と仲良くおしゃべりし出すからな。きちんと見張ってないとダメだじぇ」 京太郎「しゃべるのもダメなのかよ。大体ここ俺以外みんな女の子じゃん」 まぁ1人、年季の入った女の子がいらっしゃるけど。 京太郎「逆に俺が1人で壁に向かってブツブツしゃべってたらどう思うよう? 嫌だろ? 同じ部活の仲間的に」 優希「あー……」 咲「ち、ちょっとイヤだね……」 和「咲さんよく考えてください。だいぶ嫌です」 清澄カルテットで相変わらず中身のない雑談に耽っていたが、それも自然に収まりそれに合わせてか場がシンと静まる。 久「コホン、この度は3校合同合宿にお集まり頂き誠にありがとうございます」 穏乃「こう言うのって先生がアイサツとかするもんじゃないんですか?」ヒソッ 晴絵「良いの良いの。先生は生徒達の自主性を重んじる派だから」ヒソ 憧(面倒だっただけじゃないでしょうね……) 久「移動の疲れもあることと思いますので今日は自由行動ということで、よろしいでしょうか」 和「聞き覚えのある挨拶ですね」ヒソヒソ まこ「考えるの面倒じゃったんじゃろ」ヒソッ 久「それと、今回はうちの須賀君が参加することになりましたので。よろしくお願いします」 部長の言葉に自然と全員の視線が俺に集まる。 俺は一歩前へ。ぐるっとみんなの顔を見回 淡「……」ムスー なんかすげー目してる奴がいるんだけど。 穏乃・玄「……」ニコニコ、フリフリ にこやかに手を振ってもらえた。天使や。 淡「ふん……」プイ 京太郎「えっと、この度は俺の参加を認めて頂いてありがとうございます」 京太郎「えー麻雀とかいろいろ不慣れ、不勉強なことも多いでですがご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」ペッコリン <ワー、パチパチパチパチ 久「まぁ本人もこう言ってる事ですので、皆さんもビシビシこき使ってあげて下さい」 京太郎「任せてください! やりますよ俺は」 久「お、やる気満々ね男の子」 京太郎「もちろんですよ」 京太郎「なんか前回、長野でやった4校合同合宿で俺だけハブられましたけれど」 京太郎「それでも俺は部長に着いて行くという忠誠心の高さと心の雄大さここぞとばかりにアピールしていくって」 京太郎「そういう気概なんで!」 白糸台「……」ジトー 阿知賀「……」ジトー 久「ちょっ!? 須賀君あなたなに言ってるのよ! 違、みんな違うの! 仕方なかったの!」 久「だって来るのはみんな女生徒なのよ! 今回のが特例なの! やめて、私の悪者にするかのようなそんな目で私を見ないで!」 部長孤立! 経済制裁。 京太郎「……」 久「あなたも黙ってないでなにかフォローしてよ!」 京太郎「え? あー、大丈夫です! 俺、部長のこと尊敬してます!」 久「……」 久「なにが!? あなた連れて来てあげた恩を忘れてるんじゃないでしょうね」 京太郎「や、まぁそうなんですけど。けど言う時は言わないと」 久「良い度胸ね。須賀君は後で反省室に来るように」 え? ここそんなのあんの? まこ「はいはい。そこら辺にしときんさい。お前さんらが漫才始めたら日が暮れるわ」 それを言われたら反論の余地がない。 まこ「それじゃあ、堅苦しい挨拶はこの辺にして解散ということで」 全員「はい!」 染谷先輩が締めてこの場は解散となった。 咲「京ちゃん、さっきの約束」 京太郎「おう。昼飯のな、先に部屋に荷物置いてくるから待っててくれ」 宥さん達の部屋から直でこの場に来た為、俺はまだ自分の部屋すら確認していない。 部屋割りは、清澄、白糸台が5人部屋。阿知賀がティーチャー赤土を含む6人の大部屋らしい。 かく言う俺は1人部屋。まぁ個室って言うのも気楽でいいよね。 誰に気兼ねすることもない自由さと解放感、これは同室の人間がいては味わえない個室ならではですよね。 自己暗示で孤独感を誤魔化していたら俺の泊まる部屋に着いた。 まぁまぁゆーても外観が立派でしたし、きっと内装もなかなか趣のある…… …………………………………………せっま。 べぇ、まじやっべぇ。 これたたみ二畳くらいしかないですやん。これ。 布団敷いたらもうほとんどスペースないですやん。 部屋って言うか倉庫じゃん。 俺は部屋から顔を出して表を確認する。 『犬の間』 っと書かれていた。嫌なネーミングだ。 京太郎「いやいやいや、俺庶民だし? あんま広くても落ち着かないし? むしろこの閉塞感が心地良いし?」 狭い所が落ち着くのってなんでだろうねあれ? 自分を叱咤しつつ、この部屋唯一の特徴と言っても良い窓へと歩み寄る。 京太郎「ほら、窓を開ければこんな自然豊かな景色が……」ガラララ …………。 ガララ、ピシャ 京太郎「崖じゃねぇか」 もうこの時点で先行き不安なんだけど。 ガラッ 淡「……」 京太郎「? ……淡?」 今を生きる俺は部屋の間取りと言う5分前の絶望を過去へと追いやり、飯でも食って気持ちを落ち着けようと部屋を出た。 出た先には壁に凭れ掛かってる淡。 京太郎「どうした? 女子の部屋は向こうだろ? それとも俺になんか用?」 淡「あの、えっと……」 京太郎「ん?」 淡「さっきは、ごめん……」 京太郎「なにが?」 淡「だから、自分でもさっきの態度は酷かったかなって……だから……」 泣きそうな顔で、長く伸びた上質な金糸のような髪を弄っている。 京太郎「ちょっとごめん」ガラッ 断りを入れて一旦部屋に戻る。 淡「あ、え? なんで……!?」 戻ろうとするのを遮られた。 淡「やだ、怒らないで。謝るから! 嫌いになっちゃヤダ!」 京太郎「怒ってないから、ならないから。ちょっとだけ、な? すぐ戻るから」ポンポン 淡「ホントぅ?」 京太郎「ホントホント」 淡「絶対だからね?」 京太郎「おう!」 再び自室(仮)。 俺はわき目も振らずに窓へと駆け寄り盛大に開け放す。 うむ! 改めて見ても崖だ。 俺は肺いっぱいに空気を吸い込み、そして一気に解放した。 京太郎「可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 カワイイイイイイイ イイイイ イイ … おい、なんだあれあんな可愛い生き物おるんかい? ガラ 京太郎「悪い。待たせたな」 淡「///」 京太郎「なにモジモジしてんの? なんかキモいよ」 淡「っ…………もう! キョータローのアホ!」アワー! 京太郎「そーそーお前はそういう風に不遜な感じでいろよ。そっちのがお前らしい」ナデナデ 京太郎「まぁたまにはさっきみたいなしおらしいのも悪くないけどな」 淡「あ、う…………うん///」アワワ… 京太郎「よし! じゃあ飯でも食いに行くか」 淡「うん! えへへ」ダキ 京太郎「おわ!? おおい、いきなりしがみ付いてくるなよ」 さっきと打って変わって上機嫌な淡が腕に抱きついて来る。 淡「いーんだもーん!」アワワ! 京太郎「ったく、現金な奴」 まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。 淡「そだ、ついでにちょっとジュース買ってきて」 京太郎「おい、あんま調子に乗るなよ」 咲「……」 京太郎「買出しですか?」 久「そうなのよ。実はここ、食事は自炊なんだけどどうも備蓄が空みたいなのよ」 京太郎「なるほど。そこで俺の出番ってわけですね」 京太郎「優希、お前なに食べたい?」 優希「タコス!」 京太郎「でしょうねぇ。言うと思ったよ」 京太郎「他のみんなは?」 和「そうですね。なにか軽いものでお願いします」 京太郎「あいよ。じゃあ、そうだなぁ……」 京太郎「今から行って帰ってくるとそんなたいした物作れないし簡単に出来るサンドイッチかなにかにするか」フンフム まこ「すまんの。お前さんにばっかり雑用を押し付けて」 京太郎「気にしないでくださいよ。これはこれで結構楽しいんですよ」 まこ「ありがとうな。……っで、それはそうとさっきから気になっとったんじゃが」 久「ああ、うん。実は私も気になることが1つ」 京太郎「なんですか?」 「なんで、京太郎(須賀君)の腕に大星さんがしがみ付いてるの(んじゃ)?」 淡「えへへ、キョ~タロ~」アワスリスリ 優希「やっぱり京太郎は天然ジゴロだじぇ」 和「麻雀もこのくらい熱心に取り組んでくれればいいんですが……」 京太郎(ボロクソ言うなこいつら) 咲「……」 京太郎「うわ、無言の咲めっちゃコワッ!?」 優和ま久「……」ジトー、シラー 咲「……」 ああ、ing系で俺の信用とかなんかいろいろが低下している…… 照「話は聞かせてもらった」バーン!! な ん か ま た や や こ し い の が 来 た ! 菫「なんというか、その……すまない」 お付の人も来ちゃったよ。しかも第一声が謝罪って…… 苦労なされてるんですね。 久「え、えーっと……宮永さん?」 照「買出しに行くんでしょう?」 久「ええ、まぁ」 照「私も行く!!」ドーン!! 清澄「……」チラッ 菫「うう、すまない……」 京太郎「さ、作戦タイム!」 照「了承」 照さん(と淡)をいったん放置し、弘世先輩を加えた6人で顔を突き合わせて作戦を練る。 京太郎「どういうことですか弘世先輩!?」ヒソ 菫「わからん! 買出しの件で竹井部長や鷺森部長、赤土先生と相談せねばと言ったら突然自分も行くと言い出して」ヒソヒソ 菫「というわけで須賀、申し訳ないがよろしく頼む」ヒソヒソ ええ~また俺ぇ~? 京太郎「あの、そういう面倒ごと俺に丸投げするのやめて頂けません?」ヒソヒソ 菫「あれを制御出来るのお前と、妹さんだけだ。だからお前に頼らざるを得ない」ヒソヒソ まぁもう一方がこれだからな。 照←あれ 咲←これ 咲(今、酷い扱いを受けた気がする) 久「良いじゃない。人手は多い方がいいんだし」 さすが部長。他人を使うことには余念がない。 京太郎「そもそも、危険ですよ。知らない土地で宮永の血族を無闇に歩き回らせるのは」 咲「え? それ私も含んでるの?」 菫「う、うむ。それもそうか……」 京太郎「ダメですよ、きちんと管理しないと。この2人迷子の頻度が多いですから」 京太郎「ちょっと常軌を逸してるんで、その辺管理しないとやばいですよ」 照「まだ?」 しびれを切らした照さんが俺達が囲んでいた円陣を覗き込んでくる。 「……」 淡「~♪」 誰も何も答えない。あ、これ俺が交渉する流れだ。 京太郎「え~っとなんで照さんは自分から買出しを申し出たんですか?」 照「それは、えっと……」ワタワタ ジェスチャーでなにかを必死に伝えようとしている。 ふ~む。なるほどなるほど、なるほど~ 京太郎「お菓子なら買いませんよ」 照「…………え?」テルガーン! そんなこの世の終わりみたいな顔されても。 なんか久々に会ったら嗜虐心を擽られるなこの人。 照「どうしても?」 京太郎「どうしても」 照「なんでいじわるするの?」 京太郎「なんででしょうねぇ?」 黒目の縁の辺りがフルフルしてる。可愛い。 咲「だ、大丈夫だよお姉ちゃん。私がお菓子持ってきたからそれ一緒に食べよう? ね?」ナデナデ 照「うん……」テルテル 京太郎「咲、そうやってお前が甘やかすからいつまで経っても照さんがポンコツなんだぞ」 咲「ううぅ……」 菫(この男、順当に宮永の血統に火をくべているな) 京太郎「なんつって」 照咲「……ふぇ?」 京太郎「お菓子ですね? もちろん買って来ますよ」 照「本当?」 京太郎「本当本当」 咲「よかったね! お姉ちゃん」 照「うん!」 ふぅ、好きな子に意地悪しちゃう系の小学生の心境が少し垣間見えたな。 しかしよかった。これでめでたしめでたしだな、うんうん。 咲「あ、そうだ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「そう言えば、さ……」 京太郎「お、おう……」 なんだこの、得体の知れない悪寒は…… 咲「な ん で 淡 ち ゃ ん と ベ タ ベ タ し て た の ?」ゴッ 京太郎「え?」 咲「京ちゃんのぉ…………」 咲「バカァァァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!」ドゴォッ!! 京太郎「どぅごっふぉっ!?」 なんか……魔貫光殺砲みたいなエフェクトのボディブローが腹部に突き刺さった。 お前、ずっと気をためてたんか…… 優希「見え透いたオチだじぇ」 和「予想外という程のものではないですね」
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京太郎「まさか車に轢かれて足骨折とは…」 京太郎「まぁ命が助かっただけ運がいいと思おう!」 京太郎「…それにしても暇だ。テレビはつまんないし」 京太郎「皆今ごろ学校かぁ…」 京太郎「暇だし携帯で麻雀でもやるか」 麻雀部部室 優希「朝からどうしたんだじぇ染谷先輩」 まこ「こんな早くに呼び出してすまんかったのお、全員揃ったしちょっと報告があるんじゃ」 和「なにかあったんですか?」 咲「まだ部長と京ちゃんが来てないんですけど…」 まこ「あーそのことなんじゃが、京太郎のやつが車に轢かれてなぁ」 咲「えっ!?」 優希「まじか!?」 和「大変じゃないですか!須賀君は大丈夫なんですか?」 まこ「命に別状はないそうじゃ。ただ足を骨折してしばらく入院するそうじゃがな」 和「そうですか…取り敢えず命に別状がなくて安心しました」 咲「びょ、病院!病院行かないと!」 優希「そうだじぇ!急ぐじぇ!病院はどこだじょ!」 まこ「落ち着きんさい!これから授業じゃろーが!」 咲「そ、そうでした…」 優希「しかも今日は結構重要なテストがあったんだじぇ…」 和「お見舞いは放課後に行きましょう。所で部長はどこに?」 まこ「授業サボって見舞いに行ったわ」 咲「部長ずるい!」 病院 久「須賀君ー具合どうー?」 京太郎「部長!?なんでここにいるんですか!?」 久「そりゃーお見舞いに来たに決まってるじゃない」 京太郎「いや…今から授業なんじゃ…?」 久「サボったわ」 京太郎「いいんですかそれ」 久「私は部長よ?部員の危機に授業なんてどうでもいいわ」 京太郎「部長…」 久「それに…今日の最初の授業つまんないのよ」 京太郎「それが本音ですか」 久「と言うわけで一時間目が終わるまでここにいるわ。ジュース買ってきたわよ、飲む?」 京太郎「あ、飲みます。すいません」 久「携帯で麻雀やってたの?見せてみなさい…って」 京太郎「ん?」 久「相変わらずよく分からない打ち方してるわねぇ…」 京太郎「俺は普通に打ってたつもりなんですけど…」 久「いい機会だから個人指導してあげるわ。それポンして!」 京太郎「は、はいっ!」 京太郎(部長近い!すげえいい匂い!) 久「ふぅ…須賀君の指導は骨が折れるわねー骨折だけに」 京太郎(危なかった…いい匂いすぎてロッカーに押し込む所だった…) 久「あら、もう大分時間経ってるわね。そろそろ学校に戻るわ」 久「その前に」 京太郎「部長…その手にあるマジックは何に使うんですかね…」 久「決まってるじゃない!入院といったら落書きでしょ!」 京太郎「やっぱりですか!」 久「よし完成!」 京太郎「なんて書いたんですか…」 久「我はスケベ長野代表京太郎。我に近づくおなごは全員スケベな目で見るぞ」 京太郎「ひでぇ!絶対見た人に誤解される!」 久「大丈夫よ。皆イタズラだって思ってくれるわ」 京太郎「イタズラでも恥ずかしいんですけど…」 久「じゃ私帰るわー養生してなさい」 京太郎「あ、お見舞いありがとうございました」 久「治ったらまた個人指導してあげるから、がんばりなさい。じゃあね!」 バタン 京太郎「嵐のように去っていったな…でも個人指導は楽しみだぜ!」 病院 昼過ぎ 京太郎「病院食少ない。味薄い」 京太郎「男子高校生の腹はこんなもんじゃ満足しねぇ…」 京太郎「あーもうちょいなんか食いたい…」 まこ「思った通りじゃのう、落書きも予想通りやられとるし」 京太郎「染谷先輩!?」 京太郎「学校は…って今は昼休みか」 まこ「おまえさんが腹すかしてると思ってな、軽い物買ってきたんじゃ」 京太郎「ほんとですか!ありがとうございます!」 まこ「何、見舞いのついでじゃ、ここ学校から近いしのう。わしは放課後仕事入ってるし」 京太郎「仕事って言うと…雀荘ですか?」 まこ「それ以外何があるんじゃ、客はそこそこ入るんじゃが従業員が足りなくての、休むわけにはいかん」 まこ「そうじゃ京太郎、うちでバイトせんか?」 京太郎「バイトですか?でも俺麻雀弱いですよ」 まこ「最低限出来ればいいんじゃ。他にも料理運んだり掃除だったりする事は山ほどある」 まこ「他人の打ち方を見て自分も麻雀が打て、給料までもらえる。これほど得な事はないぞ。どうじゃ?」 京太郎「確かにすごくいい環境ですよね…やってみようかな」 まこ「それに…和もたまにうちでバイトするんじゃが…うちの店の制服はメイド服じゃ」 京太郎「それは…」 まこ「必然的にメイド服を着ることになる…どうじゃ?見たくないか?」 京太郎「先輩!俺バイトやりたいです!」 まこ「よし。まあそれは治ってから詳しい話をするとしてわしはもう帰るわ」 京太郎「そういえば昼休みもう終わりますね」 まこ「それじゃとっとと治すんじゃぞ」 京太郎「はい、お見舞いありがとうございました」 バタン まこ「バイトか…勢いで決めちゃったけど頑張るか!」 病院 夕方 京太郎「もう放課後か」 ガチャ 優希「おっ!ここにいたか」 京太郎「優希も来てくれたのか」 優希「ふふん。犬の面倒を見るのは飼い主の役目だからなっ!」 京太郎「言ってろ」 優希「タコス食うか?」 京太郎「食う」 優希「落書きには突っ込まないじぇ。どうせ部長だし」 京太郎「あーやっぱ分かる?」 優希「内容も本当のことだしな」 京太郎「そこは違うって言えよ!というか咲と和は?」 優希「咲ちゃんとのどちゃんは先生に呼び出されてたじぇ。終わったら来るじょ」 京太郎「おおっ!和も来てくれるのか!」 優希「私がいるのに他の女の話とはいい度胸だな犬。くらえっ!」 京太郎「おい、ほっへはひっはるはよ」(ほっぺたひっぱるなよ) 優希「おー思ったより伸びるじょ」 京太郎「やめんか」 優希「じゃ、私はそろそろ帰るじぇ」 京太郎「もう帰るのか?もう少しいればいいのに」 優希「タコスの安売りがあってなー買い占めに行くじょ!」 京太郎(買う人こいつの他にいるのか?) 優希「それに…そろそろ人の形が保てなくなるのだ」 京太郎「タコスにはならないからな」 優希「じゃあな!」 京太郎「おう」 優希「早く帰ってくるんだじょ!私はダーリンの帰りを待ってるからな!」 バタン 京太郎「誰がダーリンだ誰が」 京太郎「でもあいつといると気が楽だよなほんと」 京太郎「暗くなってきたな」 コンコン 京太郎「どうぞー」 ガチャ 和「須賀君、具合どうですか?」 京太郎「お、和か」 和「お見舞いに来たんですが…咲さんは来てますか?」 京太郎「いや、来てないけど」 和「えっ…」 京太郎「ん?」 和「咲さん…私より早く病院に向かったはずなんですけど…」 京太郎「…携帯は?」 和「忘れていったので私が持ってます」 京太郎「また迷子か…」 京太郎「まあ多分大丈夫だろ。よくあることだ」 和「大丈夫でしょうか…」 京太郎「長野だし多分道間違えたとかだろう。よくあることだ」 和「そうですね、待つことにしましょう」 京太郎「それにしてもあいつはこんな近い病院に来るのにどうやったら迷えるんだ…」 和「昔からああだったんですか?」 京太郎「修学旅行は警察ざたになったな…スキー旅行も捜索隊が出て大変なことになった…」 和「そんなに酷かったんですか…あ、リンゴ剥きますね」 京太郎「悪いな」 京太郎(しかし…下から見上げるおもちは素晴らしいな…動くと揺れるし) 京太郎(一回でいいから触ってみたいなぁ…) 和(…) 和「須賀君」 京太郎「ん」 和「視線、気付いてますからね」 京太郎「」 和「女の子は皆気付いてるんですよ、そういう視線。須賀君は表情にも出てますし、足に書いてある通りですね」 京太郎「すいませんでした!」 和「まあ男性ですし…仕方ないとは思いますけど」 和「須賀君は分かりやすすぎです。もう少し分かりにくくお願いします」 和「他校の人とか見てるときも…部長や染谷先輩は気付いてるんですよ」 京太郎「直すよう善処します…」 和「リンゴ、置いときますね。あとこれをどうぞ」 京太郎「ノート?」 和「今日の授業の内容が書いてます」 京太郎「おおっ!助かるよ!ありがとう和」 和「いえ、須賀君が赤点とられても困るので」 京太郎「俺は優希ほど勉強苦手じゃないって」 和「ふふっ、では私はもう帰りますね。遅くなると両親が心配しますので」 京太郎「ああ、悪かったなわざわざ来てもらって」 和「いえ、いつも雑用してもらっていますしこれぐらい当然です」 和「では、また来ますね。さようなら」 バタン 京太郎「…視線は直さねば」 京太郎「…もうそろそろ面会時間終了なのに咲が来ない」 京太郎「まあ大丈夫か、子供じゃないんだし」 京太郎「眠くなったな。ちょっと寝よう…」 京太郎「しかしこの尿瓶は慣れないな…あんまり出ないが寝る前にはしないと不安になるしな」 京太郎「さて…寝るか…」 京太郎「zzz」 病院 通路 咲「うう…道に迷って遅くなっちゃった…もう時間あんまりない…」 咲「京ちゃんの病室どこだろ…」 咲「あ…ここだ…須賀京太郎って書いてる」 ガチャ 咲「ごめんね京ちゃん遅くなっちゃって…あれ?」 京太郎「zzz」 咲「寝てるし…」 咲(起こすのも悪いし、寝かしといてあげよっと) 咲「ん?」 咲の視線→京太郎の足の落書き 咲(これやったのは…部長だね絶対…) 咲(何か他にもイタズラされてそうだなー)キョロキョロ 咲「あ」 咲が見つけたもの→尿瓶(京太郎使用済み) 咲(こ、これって…) 咲(し、尿瓶だよね?おしっこするときに使う…) 咲(そ、それがここにあるってことは京ちゃんが使ったってこと…?) 咲(そ、そうだよね!動けないなら使うしかないよね!) 咲「…」 咲「あ、あー…なんかトイレ行きたくなって来たなー」(棒) 咲「で、でも私、トイレの場所知らないし…」 咲「我慢したら間に合わずに漏らしちゃうかもしれないし…」 咲「かといって動き回ったらまた迷子になるかもしれないし…」 咲「し、仕方ないよね…うん」 咲「京ちゃんは…寝てるよね…?」 京太郎「zzz」 咲「じゃ、じゃあちょっとこれ借ります…」 咲「…」 咲(スカートは…脱がない下着だけ下ろそう…) 咲(スカート片手で押さえて…尿瓶はもう片方で…) 咲(ちょ、ちょっとがに股になったほうがいいかな…) 咲(これでいいかな…うん…) 咲(出る…) チョ チョロロロロ チョロ チョ チョ 咲(…) 咲(な、何やってるの私!?) 咲(これじゃ変態みたいじゃない!) 咲(と、取り敢えず後始末!あと証拠隠滅!) 咲(なんとか終わった…) 咲(もう…京ちゃんがあんな所に置いとくから…) 咲「そうだよ!京ちゃんが全部悪いんだよ!」 咲「京ちゃんまだ寝てる?」 京太郎「zzz」 咲「よし!仕返しに落書きしよ!」 咲「でも足はもう書けないから…顔に書いちゃえ」 咲「ふんふーん」カキカキ 咲「もっと書いちゃえ」カキカキ 咲「部長よりも恥ずかしいこと書いてやる」カキカキ 咲「いっぱい恥かけばいいんだよ。ふーんだ」カキカキ 咲「完成!」 咲「たくさんの人に見られて恥かくといいよ。ふふん」 ガチャ ナース「失礼しますぅー面会時間終わりですよぅー」 咲「わっ!すいません!」 ナース「あ、お邪魔やった?」 咲「い、いえっ!」 ナース「ラブラブやね~めっちゃ羨ましいわ~でももう時間やし、続きはまた今度にしてな~」 咲「い、いやラブラブなんて!じゃあ京ちゃんまたね!」 京太郎「んー…今何時だ…」 京太郎「あー結構寝たな…咲は来なかったのか…」 京太郎「あれ…?俺こんなに尿瓶使ったっけ…」 ガチャ ナース「すいませんー夕食ですぅー」 京太郎「はーい」 ナース「あ、起きてたんやねー」 京太郎「ついさっき起きたんですよ」 ナース「なるほどーはーい、ご飯やでー」 京太郎「あ、どうも」 ナース「そういえばさっきお客さん来てたでー」 京太郎「お客さん?」 ナース「うん、短い髪の女の子」 京太郎(咲か) ナース「それでなー…ふふっ」 京太郎「どうしたんですか?」 ナース「いやー須賀君の顔見てたらちょっとなー」 京太郎「?」 ナース「あ、うちそろそろ戻らんと。ばいばいスケベ代表須賀君」 バタン 京太郎「スケベ代表って…」 京太郎「それより顔って…どっかおかしいか?」 京太郎「もしかして咲のやつがなんかしたのか…?」 京太郎「鏡見てみるか」 鏡に映ったのは俺の顔と顔に書かれた『京ちゃんは私の将来の旦那様、ずっとずっと大好きです』という落書きだった。 焦って取り敢えず写メとってから落書きは消してしまったが。 看護師さん以外に誰にも見られてないことを話した時の咲の反応が面白かったな。 咲「結局恥かいたの私だけじゃない!」 カン! おまけ 憧「ねえ京太郎…これなにか分かる?」 京太郎「俺が使った尿瓶じゃねーか!汚いから触るなって!」 憧「嫌よ」 京太郎「嫌ってお前…」 憧「動かないで」 京太郎「はぁ?」 憧「…」スルスル 京太郎「な、何でお前パンツ脱いで」 憧「喋らないで、あんたはただ見てればいいの」 憧「この中にはあんたのおしっこが入ってる…声出さないでね」 京太郎(な、なんでこいつ俺が使った尿瓶にまたがってんだ!?) 憧「んっ…」 チョロ シャアアアア 憧「どう…?あたしのおしっことあんたのおしっこ…こんなに混ざってる…」 京太郎「」 もういっこカン 正直これ蛇足だわ
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502 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 56 52.32 ID MtPd7yv3O [5/11] 66=穏乃 だから慣れました 穏乃 85 prrrrr 京太郎「ん、電話だ」 安価下2 自由安価 508 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 01 13 26.30 ID MtPd7yv3O [7/11] 前週キャラ無しと言った私が悪いです 憧 75 憧「えっと……」 京太郎「ん?どちら様ですか?」 憧「ごめんなさい!」 京太郎「!?」 プツッ 京太郎「???」 一日が終わりました 511 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 01 28 05.03 ID MtPd7yv3O [9/11] 憧 95 そして…… 全国が始まる 新幹線 車内 京太郎「結局荷物持ちか……」 智葉「すまない」 京太郎「大丈夫ですよ」 ネリー「うーん助かるね」 ハオ「ありがとうございます」 ダヴァン「助かりまスー」 明華「ごめんなさい」ペコッ 京太郎「あはは……大丈夫ですよ」 0~50 てるー 51~99 お好きな白井台 514 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 01 38 04.05 ID MtPd7yv3O [10/11] 京太郎「ちょっとトイレ」ガタッ 智葉「……」 --- 京太郎「照……」 照「……」スッ 京太郎「待ってくれ」ガシッ 照「……」 京太郎「必ず守る」 京太郎「守る……から」 照「うん」 --- 智葉「……」 智葉「私は……」 智葉 上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 517 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 02 55 42.86 ID MtPd7yv3O [11/11] 智葉 181 ホテル 京太郎「さて、どうするかな」 1. 咲に会う 2.健夜と会う 3.照と会う 安価下2 525 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 13 46 39.49 ID VZstZSo/O [2/3] ゾロ目ボーナス! / . . . . ! . . .|. . . . . | | | | | .i | | i . . . . .i . . . .|. / i | | ! | i . | | i i | | | i | / | ! . . . ト、ヽ .;!、i . . | |、゙、'i´| フiナi | | | / . . . i . | . . . . ヾ、 .'i´ヾ. |!ヾ、 ゙、ヽハハヽハノ |ハ | |. /. . . .;ィ'| . . i . . . . i ヽ | ヽ! ヽ ゝ `' リ | i ノヽ | 彡 '´ リ i . .ヽ . . . ゙、 ヽ___ ;==─-ソ / / ! ヽ| . .ヾ .、 ヽ≠'´ ̄` ;;;;;;;;;;;; ノノ ノ /;イノ ソ . . / ヾー-;;;;;;;;; , """ /ノ.; ‐' / i.;イ ;ハ、 ゙、 """ ___ / / ソ レ ` ヾヽ ヽ´ ノ ィ´ /リ ` 、__  ̄ , ' |!;/ _"_〕ー--‐' |__ / . / | | /\ 京太郎「えっと……白糸台の控え室は……っと」 照「あっ……京太郎」 京太郎「照」 照「どうしたの?」 京太郎「よし、逃げるぞ」グイッ 照「え?え?」 タタタッ 健夜「へぇ…….」 0~70 外へ 71~99「待ってよ」 527 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 13 51 38.97 ID VZstZSo/O [3/3] 照「っ……!」 照「離して」バッ 京太郎「おおう」 照「……どうしたの?」 京太郎「だってこのままあそこに居たら危ないだろ?」 自分の行いが無駄にされた感覚。 このまま京太郎と関わらなければ京太郎には被害が行かない筈だったのに。 照「どうして……」 京太郎「照だけに背負わせるのもなぁ……って」 京太郎「二人で手を取り合って生きていく、そう決めただろ?」 照「京……太郎」 照「好き……」 京太郎「おう、俺もだ」 0~70 イチャイチャ 71~99 ヤクザ 530 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 14 08 00.74 ID eQqboKuIO [1/15] ゾ、ゾ、ゾロ目ボーナス! 近くのベンチ 京太郎「んっ」チュッ 照の首筋にキス。 照「あむっ」ハムハム 京太郎の耳を甘噛み。 京太郎「てるてるーあーん」スッ 照「あ、私の大好きなポッキーだ。ありがとう京ちゃん、大好き」パクッ 照「これ、本当に意味が……?」ボソッ 京太郎「こうしてイチャイチャしていればプロと咲が凶器持ってやってくるぜ。通報済みだ」ボソッ 照「……悪くないね」 照は京太郎の膝の上で馬乗りをして抱き締めて、心無し息が洗いが耳元で囁くように…… 照「ねぇ……身体が熱い」ハァハァ 身体を擦り寄せて、この季節の晴れた空の下では当然の事ではあるが火照り切っていた。 0~97 「「おい!!」」 98 動くな 534 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 14 27 42.36 ID eQqboKuIO [2/15] 咲「……もう、やめようか」ニコッ 健夜「また……嫌な目に合いたいの?」 照「んっ京太郎……」チュッ 京太郎「照……」チュッ ... ´. . . . . . . . . . . . . \ /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . /. . ./. i . . . . ハ /. ./. . ./ i i i i ', i , ′ー―ァ / 从 ト--ミ i | ' ′ //⌒/ } リ } ハ |ト i ,. / |l |l ∨__|{ } / レ' }| } i i / 从 八《´んハ. j/ r==ミ / /| . . .| // _ }ト ハ 弋 ソ 厶イ | . . | /^ / }|l ≧ゝ} ′__ /-' i | . . |. ' .i / / } 人 f ノ ./ i | i |. i し' ./ .i} i i >o。.. < i / / / | ノir―-ミ | ∧ 八 r'ス´ / ゝ-、 /} / }/ f入 `ー 〉 /' V_ゝ/.〈 Ⅹ / i`/イ、_ 辷ーく / / / rヘ/__rヘ_/ | ヽ { ̄` 入 i / | / | / . / ハ. Y i 圦 |. `> 1 / |l ∧ _彡 / ハ. // ‘, 」 / / |/ |l/ \ / |. /八_// ‘ { ;′〈 . |ト、/ 〉__ i \/ 《`ーイ V { ‘, |i i/ / | | 〉 ヽ .. L i ..........ゝ. У_彡 .........| | ./ マ . 八 \く L | ′ { `マ . ∧ ヽ} / .j マ }i i Oj / 照「京太郎…….私可愛い?」 京太郎「当たり前だろ?一番可愛いよ」 チュッチュッ 咲「もう……許さない」 健夜「最悪……だよ」 安価下10 多数決 0~97 大 正 義 未 来 永 劫 絶 対 王 者 宮 永 照 98 まさかの咲さん 543 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 14 46 38.14 ID eQqboKuIO [3/15] 98を一度でも出してくる辺り……咲さんらしい 咲「あ……」 ピーポーピーポー 健夜「しまっ……」 咲「京ちゃん……」 京太郎「咲……」 咲「お姉……ちゃん」 照「咲」 咲「結局京ちゃんは私に振り向いてくれなかったね」 京太郎「……」 咲「ごめんね、今まで」 544 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 14 49 59.85 ID eQqboKuIO [4/15] GRANDENDING 545 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 14 59 06.89 ID eQqboKuIO [5/15] ーーepilogue 長い夢から醒めて 546 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 15 01 15.39 ID eQqboKuIO [6/15] 「ーー太郎」 長くうなされていた。 長い夢だった。 夢は終わった。 今は身体が宙に浮いた気分。 だけどーー帰らないといけない。 「ーー太郎!」 待ってろよ、今起きるから。 もうやる事は無いんだ。 これで終わりなんだ。 547 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 15 03 41.53 ID eQqboKuIO [7/15] 京太郎「淡……」 淡「京太郎!」ギュッ ´ \__ / マ三三三三三三ニ=- / / \ ∨ /⌒> 三三三ニ=- ,′ ヽ \三三三ニ=- / _/ │ ∧ . | ニ二 -=ニ\三三三ニ=-. / / /│ '| |\ . . i |\  ̄`丶三三三 __/ / / │/│ | . |\ . | \三三 _/´/ / /| \| | | | |│ . | 八 ー―‐=ニマ三\ マ三 厂| |∨// 人 レl | ト-| | |│ . │ \ \ `マ三) }三__,,... -┤│レ/゙∨ /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│ ー=ニ二 `マ /_三 ││|{ {. / ∧ンリ 乂ツ \|斗テ外、.| 卜、 丶、______ く_三三 | ∨\八 { / Y / / , 乂)ツ 》│ | /\ \≫==≪\ マニ三__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人 / / / リ│ │ >ー──=ミ〃 `ヽ∨ニ三  ̄ \__,)) ヽ ∠/_7 イ /⌒)丿 \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三 ≧=‐ -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -= / / 厂∨ / -――=マ 〉| | ((⌒´ ∨ 〈 ∨/l. │ `ーヘ ∨| │ `、 ヽ、____丿 \ \ 淡「馬鹿……!馬鹿……!」 京太郎「ごめんな……長い夢を見ていたんだ」 淡「夢……どんな夢?」 京太郎「それはなーー」 カンッ 549 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 15 06 30.67 ID eQqboKuIO [8/15] ーーepilogue 照 550 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 15 12 28.89 ID eQqboKuIO [9/15] /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ . . . . . . . . . . 丶 /. . . . . . . . . . . . . . ト、. . . . . . . . ヽ. . . . . \. . . `、 /. . . . . . . . . . . . . . . . . | \. . . . . . . } . . . . . . .ヽ. . . `、 /. . . . . . . . . . . . . . l . . . . . | -─. . }、. . . . . . . . . . . . 、 .//. /. . . .. . . .l . . 八. . . . .| ´ ∨ }. ハ. . . |. . . . .| . . . .丶 /. ′|. . . . |. . . |'⌒ \. .{ ,.斗==ミ|. . .} . . . . |. . . . . . . ./. .i{. . |. . . . | . . .| \ " 乂ソ |. ./. . . ハ. . . . . . . . .. / . 八 . {. . . . ト. i .| 斗=气 ´ "" }/ }/ |!. . . . . . .丶 . . . . . . . . .イ. . i| 乂〃 Уソ リ. . . . . . . . |./. . '" |i . .リ. . . ハ ´"" ′ __/ }. . . . . | . .|´ |i /. . . . . . / i| /. . . . .i|. . | /. . . . . . . . . 込、 ´ ' イ リ/. . . . . 八 i| i . . . . . |. . . . . | ..... /| /. . . ./ リ |. . . . . .ト. . . . .| >.、_ | /. . ./ ′ 八. . . |. | \ | |i _, く} ト/. / \{──<´ ̄ \\ | イ \_ /⌒ \ \ | | } =- .,_ / 丶 、 、 } } } 、. / / / / `、 ∨ / ∧ 晴れ渡る空。 公園のベンチ。 隣同士で座る。 京太郎「優勝おめでとう」 照「うん」 京太郎「幸せだ」 照「私も」 551 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 15 17 20.08 ID eQqboKuIO [10/15] / / / / i | ハ l丶 i ∨ | / / i i /l | | | .斗‐卞  ̄ i ∨ | / ′ i i__i | | ´ ';i \ i i | / 少 | 斤i i }` ∨ | .;イ竿三ミⅥ i |. / / i i i彳=三ミ ∧ |. ら i 》i i i | // .i i i i. ら i. \i 乂 ソ i /i ト ; | _, -───- .i /i i ゙ 从 リ  ̄ / / i/ ∨ | '´ Ⅵノ '  ̄ // i | / ゞ ゞ ' ´ / | , _ Ⅴ ∧ _ _/ |/ ´ \ ゝ ゝ= 、 / i | / ゝ \ イ i | |/ ∧ ト < .i i イ イ | / i i > _ -= i i / / | | / i i ∧ / i i .i ̄//ヾ | | 照「どうしたの?」 京太郎「ちょっと疲れたから充電」 照「お疲れ様」 もう語る言葉も無いだろう。 二人を邪魔する人間は居ない。 二人を陥れる人間も居ない。 あるのは愛だけだ。 552 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 15 19 20.11 ID eQqboKuIO [11/15] 京太郎「照」 照「京太郎」 ,. ´ ヽ ,. ´ \ / , , ヽ / / / , , ヽ . , / / / | | ∨ . / / , _ _ / / i | l | / 从| /| `イ | ∧ . | / | | / ィ { /ィ-、 } ∧ | -} |-|---く , |  ̄´ | ∧ | _)雫ミ从 | _}∧ _ / }ヽ / | Ⅵ V ノ \|´_)笊雫ミ/ / / , | , | , V ノノ' イ .イ ,′ | j 从 / / /' ノ / / | ,| { . _ ´ ィ ー ´ / / | /| 从 . ‘ ’ イ | / / / | / 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨ / / }' / || | ∧ /,' / .イ / || | / _,./ / イ /\ / ∧ { /⌒\´/ ´ ´ 、 , { . \、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、 / ∧ . . . ∨ /_,. .― . .´ . . .// Ⅵ | {__ , \ . . {_/-- ´ . . . . . . ./ , マ | //≧=- 〉介、______/_ / } | //> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄, ' | | ,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉 r つ ` < / ∧__|>´| ∧ } 「「大好き」」 終わり 572 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/18(金) 23 47 25.03 ID XQbVCx3tO [2/2] 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 京太郎が通う高校は?(まだキャラが固まっていない高校はナシだヨ!) 安価下8 582 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 00 24 52.57 ID cS8GkHvJO [1/11] 清々しい朝。 京太郎「よしっ」 新たな青春に心を躍らせる。 京太郎「引っ越して来た東京!」 京太郎「思ったより田舎だな……長野程では無いけどな!」 京太郎「行ってきまーす!」 --- 通学路 淡「ちょっとそこの人ー」 京太郎「ん?」 早速の新たな出会い、青春。 淡「スマホ、落としたよ」スッ 京太郎「お、ありがとな」 淡「新入生?」 京太郎「おう」 淡「私と一緒だね」ニコッ 京太郎「!」ドキッ その時京太郎、不覚にもときめいてしまっていた。 淡好感度判定安価下 584 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 00 33 55.73 ID cS8GkHvJO [2/11] 淡 81 麻雀部 誠子「ん?君は……」 京太郎「え?」 誠子「麻雀部に相応しい、うん」 京太郎「は?」 誠子「ちょうど男手が欲しかったんだ、よろしく頼むよ」 京太郎「ええ……」 誠子「ね?」 誠子 好感度判定安価下 587 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 00 38 24.96 ID cS8GkHvJO [3/11] 誠子 87 尭深「……」ズズッ 京太郎「お茶っ葉持って来ました……」 尭深「……」ズズッ 京太郎(無視かよ……)イラッ 尭深「……がとう」 京太郎「えっ?」 尭深「ありがとう」ニコッ 京太郎「!」ドキッ また、ときめいてしまった。 尭深 好感度判定安価下 592 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 00 46 15.63 ID cS8GkHvJO [4/11] ゾロ目が出る事が普通な時点でおかしいですよねぇ…… 尭深 好感度max 依存度276 菫「君は……?」 京太郎「入部させられた須賀京太郎です。暇があったら麻雀教えてください、以上です」 菫「誰に入部させられたんだ?」 京太郎「亦野先輩です」 菫「亦野の奴……すまない……嫌ならば入部しなくても大丈夫だ」 京太郎「いえ、大丈夫です。麻雀には興味ありましたから」 菫「そうか……それなら良かった」 京太郎「はい」ニコッ 菫「……」 菫 好感度判定安価下 596 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 00 53 48.51 ID cS8GkHvJO [5/11] 菫 74 京太郎「お菓子買って来ました」 照「ありがとう……そこに置いて……京ちゃん?」 京太郎「……照さん!?」 照「驚いた」 京太郎「いや、この学校に居るのは知っていましたけど、早速会うなんて思ってもいませんでした」 照「意外と冷静だね」 京太郎「ま……まぁ……それは」 照 好感度判定安価下 600 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 00 56 50.45 ID cS8GkHvJO [6/11] 照 68 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 603 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 01 01 13.67 ID cS8GkHvJO [7/11] 京太郎「街をうろうろするか」 0~30 お好きな臨海 31~60 お好きな白糸台 61~99 お好きなプロ 609 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 01 07 34.21 ID cS8GkHvJO [9/11] 咏 12 咏「……」チョンチョン 京太郎「はい、なんでしょう?」 咏「そこの君……少し手伝って欲しいなぁ……しらねーけど」 京太郎「ん?」 --- 京太郎「見つかりましたよー」 咏「ありがとう、助かるよ」 京太郎「はい、礼には及びません」 咏「家の鍵を見つけてくれたんだ。今度お礼をさせて欲しいなぁ」 咏「私に連絡をしてね、しらねーけど」 京太郎「プロの連絡先……」 咏 好感度上昇安価下 611 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 01 08 54.53 ID cS8GkHvJO [10/11] 咏 42 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 623 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 17 34 20.44 ID e1QK6743O [1/2] 京太郎「よし、菫さんにLINEをしてみよう」 --- ポコンッ 菫「ん?」 京太郎からのLINE。 いつもならLINEなどの類は必要な事以外では使用する事が無いが…… 菫「……」 菫「どれ、相手してやろう」 0~50 デートの約束を取り付ける 51~99 今度麻雀を教えてもらう 626 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/19(土) 17 40 11.27 ID e1QK6743O [2/2] きょうたろう 明日の放課後遊びませんか? すみれ 丁度部活もないな 菫「なにーー!!??」 菫「少し早過ぎないか……?」 菫「こんなふざけた男だとは……」 菫「いや……しかし純粋に私と遊びたいだけかもしれない……」 菫「どちらにせよ叱ってやらないと」 すみれ あまり関心しないな、私と君は異性だ。まずはそこを考えてくれ きょうたろう ごめんなさい、悪気は無いんです 菫「……」 すみれ 明日は開けておくよ 菫「ふふっ……」 菫 好感度上昇安価下 628 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 00 30 49.06 ID sRfBCGEIO [1/10] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.サボる 安価下2 631 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 00 33 43.71 ID sRfBCGEIO [2/10] 0~20 てるー 21~40 sss 41~60 たかみー 61~80 マタ 81~99 あわあわ 633 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 00 39 09.39 ID sRfBCGEIO [3/10] 京太郎「行ってきまー……」ガチャ 照「……」 玄関の扉を開けた直ぐ目の前には照が立っていた。 京太郎「うわっ!」 照「京ちゃん……学校行こう」 京太郎「あはは……なんか懐かしいですね」 照「うん、嬉しい」 京太郎「?」 照「行こっ」 照 好感度上昇安価下 635 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 00 46 10.44 ID sRfBCGEIO [4/10] 照 98 京太郎「よし、部活だ」 0~20 てるー 21~40 sss 41~60 たかみー 61~80 マタ 81~99 あわあわ 639 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 00 51 35.07 ID sRfBCGEIO [5/10] 淡「きょーたろっ!」ギュッ 京太郎「うわっ!」 照「……」 菫「……やれやれ」 淡「麻雀やろっ!麻雀!」キラキラ 京太郎「ちゃんと教えてくれよ?」 淡「この淡大先輩に任せて!」エッヘン 京太郎「ったく……同い年だろ」 尭深「……」ズズッ 女は嫉妬深い。 淡 好感度上昇安価下 644 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 00 57 27.45 ID sRfBCGEIO [6/10] 淡 131 空き教室 京太郎「……」 菫「急遽部活が入ってしまったが……今からでも私は大丈夫だが?」 京太郎「全然俺も大丈夫です!」 菫「よし、それなら遊ぼう」 --- ゲームセンター 菫「……」 京太郎「どうしたんですか?」 菫「いや……なんでもないよ」 菫の視線の先には今流行りのキャラの人形。 京太郎「よーっし……」 0~30 失敗 31~60 成功 61~99 大成功 646 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 01 00 34.04 ID sRfBCGEIO [7/10] 菫 104 京太郎「あ!プリクラですね」 菫「あれが……」 京太郎「撮ったこと無いんですか?」 菫「そういうのは恥ずかしくてな……」 菫「いつも避けてしまうんだ」 京太郎「そうですか……」ショボン 菫「……撮ろう」 京太郎「え?」 菫「撮ろうじゃないか」 京太郎「は……はい!」 菫好感度上昇安価下 菫依存度上昇安価下2 651 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 01 07 03.77 ID sRfBCGEIO [8/10] ゾロ目ボーナス(満面笑み) 菫 114 204 菫「……」 愛おしく、愛くるしい、 二つの思い出。 人形と写真。 彼女はそれを片身離さず身に付け続ける事を心に違いーー 一つの魔性が産まれた、 菫「今日は楽しかったよ京太郎」 京太郎(あれ?名前呼びされてたっけ?) 京太郎「はい!また明日会いましょう!」フリフリ 菫「ああ、待ってるよ」 手を振る少年をずっとずっと……見送りながら彼女はこの瞬間を大切な思い出の一つとした。 --- 尭深「……」 尭深「いけない……人」 --- 菫 好感度上昇安価下 菫 依存度上昇安価下2 654 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 01 15 30.51 ID sRfBCGEIO [9/10] 菫 好感度 144 依存度 254 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 657 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 01 23 10.83 ID sRfBCGEIO [10/10] 京太郎「メールしようかな」 前週キャラなし 自由安価下2 661 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 02 11 25.96 ID TyWsx6prO [1/7] 今日菫先輩と遊んでたでしょー? 京太郎「バ……バレタ!?」 気のせいじゃないかな? ファンクラブに言っちゃっていいんだね?おーけー! 皆には言わないで!ごめんなさい! よーし --- 淡「ふふっ……」 淡「決まってるよね♪」 --- じゃあ私とも遊んで! 淡 好感度上昇安価下 淡依存度上昇安価下2 667 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 02 15 34.35 ID TyWsx6prO [2/7] 戦場白糸台 ゾロ目ボーナス! 淡 好感度max 231 京太郎「遊ぶだけでいいのか……?」 一日が終わりました。 --- 朝 行動フェイズ 1.登校 2.サボる 安価下2 671 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 02 19 43.90 ID TyWsx6prO [3/7] 京太郎「よし、サボろう」 京太郎「淡との約束はどうするか後で決めよう」 0~50 淡「学校行こっ♪」 51~99 行動フェイズへ 673 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 02 20 19.25 ID TyWsx6prO [4/7] 行動フェイズ朝 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 676 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 02 22 25.38 ID TyWsx6prO [5/7] 京太郎「街をうろうろするか」 0~30 お好きな臨海 31~40 淡「ねぇ……どうして学校来ないの?」 41~60 お好きなアナウンサー 61~99 お好きなプロ 685 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 15 31 23.06 ID hKoZ5YISO 京太郎「あ、咏さん」 咏「ん~また会ったねぃ」 咏「学校はどうしたんだい?」ジロッ 京太郎「今日はサボりです」キッパリ 咏「ふーん」ジロジロ 咏「ま、いっか。じゃあこの前のお礼をさせてもらうよ」 --- 京太郎「うまい」パクパク 京太郎「懐石料理は初めてですけど最高です!」 咏「それなら良かった。しらねーけど」ニコッ 咏 好感度上昇安価下 687 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 15 36 31.55 ID V87RhxIkO 咏 52 行動フェイズ昼 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 690 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/20(日) 16 04 21.90 ID OWntagjjO [1/12] 京太郎「街をうろうろするか」 0~30 お好きな臨海 31~40 淡「ねぇ……どうして学校来ないの?」 41~60 お好きなアナウンサー 61~99 お好きなプロ 695 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 16 12 19.04 ID OWntagjjO [3/12] 恒子「そこの少年!」 京太郎「はい、なんでしょう?」 恒子「私と遊ぼう!」 京太郎「え!?ええ!?」 京太郎(よく見たら人気アナウンサーじゃないか……) 京太郎「……」 京太郎(いいおもちだ) 恒子「なーんてね、冗談。今度は遊ぼうね」 恒子「はい、連絡先」タタッ 京太郎「なんだったんだ……」 恒子 好感度判定安価下 697 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 16 14 49.06 ID OWntagjjO [4/12] 恒子 12 京太郎「よし、淡との約束はどうするかな……」 1. 行く 2.断る 安価下2 700 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 16 20 40.17 ID OWntagjjO [5/12] 京太郎「よし、行くか」 ピンポーン 京太郎「ん?」 ガチャ 京太郎「母さんか?」 淡「京太郎っ!」ダキッ 京太郎「はぁ!?」 淡「大丈夫?大丈夫?大丈夫?どこが悪いの?早く治そうねー」ナデナデ 京太郎「ただのサボりだって!」 淡「あ……そうだったんだ」エヘヘ 京太郎「心配させてごめんな。それと早く離れろ」 淡い 依存度上昇安価下 0~30 30 31~60 40 61~99 50 702 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 16 55 31.43 ID OWntagjjO [6/12] 淡 261 街中 淡「えへへ」 京太郎「どこいく?」 淡「どこでも!」 京太郎「うーん……」 淡「……」 京太郎「どこにしよう」 1.公園 2.ホテル 3.自由安価 安価下3 706 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 17 03 00.06 ID OWntagjjO [7/12] 京太郎「……」ダラダラ 汗。 淡「ねぇ……私汗かいちゃったんだ」パタパタ 淡は軽く衣服をはだけさせ京太郎に目をやる。 京太郎(自然と淡に誘導されたら……ここに!?) 京太郎「そうだな……冗談はやめて」 淡「……」 沈黙。 京太郎(ぐぬぬ……) 淡「ーーそうだね」 淡 依存度上昇安価下 709 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 17 10 45.43 ID OWntagjjO [8/12] 淡 好感度max 依存度311 1.公園 2.カフェ 3自由安価(無理だと判断した場合安価下) 安価下3 714 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 17 43 45.39 ID OWntagjjO [9/12] ※依存度の上限は350になりました 淡「へ~」ジロジロ 京太郎「なんだよ」 何度も何度も俺に目をやる淡。 何処か誇らしげだ。 淡「京太郎がこんなオシャレなお店に連れて来て来れるって意外だからね」 京太郎「意外で悪かったな」グヌヌ 淡「全然っ!」ニコッ 淡「うれしいよ、きょーたろー」 淡の目は、麻雀をする時の目と酷似していた。 一日が終わりました 淡 依存度上昇安価下 717 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/20(日) 17 48 15.96 ID OWntagjjO [10/12] 淡 好感度max 依存度max いいね、いいねうんうん チュンチュン 京太郎「おはよう」ガバッ 京太郎「ん?」モゴモゴ 京太郎「ペッ」 京太郎の口からはぬるりと金髪の髪が複数と出てきた。 京太郎「……俺の髪ってこんなに長かったか?」 朝 行動フェイズ 1.登校 2.サボる 安価下2 731 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 20 01 58.78 ID cRPCLJk3O [1/2] ゾロ目ボーナス! 京太郎「行ってきまー……」ガチャ 京太郎「す……」 / \ / \ ヽ / ,イ ヽ . // | | ' ト、 . j/ ; | | │ !∧ i / i |¬|ト│ |八-- 一 i i . Ν 八八 Ⅴ´\ハ | | ┼ __ | \ (⌒⌒) i Λ x= ミ \ル‐ =ミV | │ i │ レ(ノ\ レ 丿 \/ | i iハ . |. | │ i │ | i i . " "" ; | . | i . | i . ∨込. マ フ / イ リ i . 人八 ∨ 个ト ,,_ <「∨ /i i . /\[ | __j_」 ∨∠ リ リ 、 / リ jレ'´ 乂 У∨ ∧ \ / / /ー --/ / /⌒>、 \ / / / / 广⌒゙ア / ///⌒\ \ / / / / / 厶イ , \ \ / イ\ ,゙ / __/ {// | \ \ // /イ 「\\_/ . ´ 八 ∨ ′ | \ ヽ (/ ノ 人; \[__/ / / \∨{ 人 ∨)_ノ \{ / > [_[\__;;;/ )У 〉 ト、 │ \__{ / 几 \ 〈 /| |ハ | [__∨ ∨| \ 丶 込,,______ノ | / ∨ |__7 ノ│ 〈 | 〈 [_____________〕 | , / 淡「待ってたよ、京太郎」エヘン 玄関の前には淡が立っていた。 京太郎「お、おお……」 淡「学校行こっ♪」 淡(私の……私の京太郎) 淡(私……だけの) 732 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 20 05 10.97 ID cRPCLJk3O [2/2] 京太郎「部活だな、部活」 0~20 てるー 21~40 sss 41~60 たかみー 61~80 マタ 81~99 あわあわ 736 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 20 14 23.19 ID 3zglKw51O [1/4] 淡「きょーたろー」ゴロゴロ 照「??」キョトン 京太郎「おいおい、あんまりくっ付くなって」 淡「問題無いよー」スリスリ 尭深「淡ちゃん……はしたない」 菫「淡、部活の風紀を乱す事は慎め」 淡「菫先輩がそれ言っていいの?」クスクス 誠子「な、なんだ……この空間」 部員達「……」ヒソヒソ 京太郎(うぅ……どうなってんだよ……) 淡「きょーたろー?」 京太郎「ん?」 淡「あーん」 京太郎「ん?」パクッ 淡「えへへ……美味しい?」 菫「……」イラッ 京太郎「ん、美味しいな」 淡「良かった。このクッキー徹夜で作ったんだよ?」 京太郎(いてっ……口の中切ったか?) 爪。 737 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 20 15 15.08 ID 3zglKw51O [2/4] 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 744 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 21 04 00.85 ID 3zglKw51O [3/4] 京太郎「電話するか」 自由安価 安価下2(前週キャラ無し) 747 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 21 13 37.68 ID 3zglKw51O [4/4] 淡「京太郎から電話してくれるなんて嬉しー」 京太郎「お前キャラ変わったか?」 淡「変わってないよ、もうっ」 1.「くっ付き過ぎるのやめてくれないか?」 2.「好きな人が出来たんだ」 3.「今度は弁当を作って欲しいな」 4.自由安価 安価下3 751 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 21 42 18.06 ID i/rJOmjyO [1/9] 淡「あはは……」ゴロゴロ 淡「あははははっ♪」 淡「京太郎」ギュッ 「今度は弁当を作って欲しいな」 淡「嬉しいっ」 淡「嬉しいよ京太郎♪」 淡「私だけの私だけの」 淡「私の為の京太郎♪」 淡「……」 752 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/07/21(月) 21 42 44.04 ID i/rJOmjyO [2/9] 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 755 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 21 59 08.26 ID i/rJOmjyO [3/9] 京太郎「街をうろうろするか」 0~30 お好きな臨海 31~40 淡「来ちゃった♪」 41~60 お好きなアナウンサー 61~99 お好きなプロ 758 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 22 00 26.75 ID i/rJOmjyO [4/9] 訂正 京太郎「街をうろうろするか」 0~30 お好きな臨海 31~40 淡「来ちゃった♪」 41~60 お好きな白糸台 61~80 お好きなアナウンサー 81~99 お好きなプロ 764 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 22 20 05.55 ID i/rJOmjyO [6/9] 口調などキャラは保証しません アレクサンドラ「君は……」 京太郎「ん?」 アレクサンドラ「……白糸台の制服を着ていたから気になってしまっただけだ」 アレクサンドラ「悪かったな」 京太郎「いえいえ、気にしないでください」 アレクサンドラ「それなら嬉しいな」 アレクサンドラ 好感度判定安価下 766 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 22 24 14.60 ID i/rJOmjyO [7/9] アレクサンドラ 63 朝 行動フェイズ 1.登校 2.サボる 安価下2 809 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 00 08.64 ID 9V8xPQalO [6/7] 尭深「……」テクテク 愛しい人を迎えに行く。 自分の物にする為に手段は選ばない。 “彼”の事を思うと心が満たされる。 “彼”で満たされよう。 確かな足取りで少女は目標へと進む。 尭深「京太郎……」 尭深「今……迎えに行く」クスクス だがーー それは叶うことのない夢だった。 これからも、この先も。 811 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 01 07.84 ID 9V8xPQalO [7/7] 「たかみ先輩っ♪」 814 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 10 43.76 ID s9kot/mGO 菫「京太郎の奴ーー」 菫「しっかりと起きているのか?」 菫「私が起こしてやらないとな」 淡「菫先輩っ♪」 菫「なんだ、淡か……」 淡「どこにーー行くんですか?」 菫「少し用事があってな」 淡「これから学校なのに?」 菫「……」イラッ 淡「……」ニコッ 815 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 18 02.83 ID JFkBm4j/O 京太郎「いってきまー……」 ガチャ 京太郎「っっ……!」 目を合わせられない。 玄関前には淡。 どこか、どこかおかしいと。 普通なら分かる筈なのにーー 二人は仲良くなりすぎてしまった。 もう、京太郎の人生にはやり直しが無い。 淡「はやく行こーよ」ニコニコ 満面の笑顔で京太郎を見つめる淡。 目の焦点は合っていなかった。 819 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 30 34.91 ID NLF11p7ZO [1/3] 京太郎「……」テクテク 淡「……」ニコニコ 京太郎「学校の方向だっけ?」 淡「いいからいいから!」ニコニコ 京太郎「淡……?」 淡「あ……その前に」 淡「私京太郎が好きなんだー」 京太郎「え……?」 淡「だから……付き合ってください」ペッコリン 1.「勿論」 2.「無理だ」 3.「違う人が好きなんだ」 安価下5 826 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 41 38.60 ID NLF11p7ZO [2/3] 「ーーへぇ」 「ーーだからごめん」 「大丈夫、私が居ないと駄目な京太郎にしてあげるから」 「ーーは?」 「おやすみ」 ガンッ 「っつ!」 ガンッガンッガンッ ドサッ 「よいっしょ……よいしょ……」 828 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/21(月) 23 57 23.27 ID NLF11p7ZO [3/3] 京太郎「ーーここは」ムクッ 長い眠りから目が醒めた。 京太郎「たしか淡に殴られてーー」 ガシャン 思い感触。 生々しい鉄の音が虚しくも部屋中に響く。 ガシャンガシャン 京太郎「~~っ!」 京太郎(どういう事だ!?) 京太郎「まさかーー」 京太郎「監禁?」 「違うよ」 京太郎「淡……」 淡「愛を深める為には仕方ない事だよ、きょーたろー」 淡「周りを見てよー♪」デレデレ 部屋中には京太郎の写真写真写真写真。 淡「これだけじゃ私は我慢出来なくなったんだよ?」 淡「でも大丈夫」ガシッ ビリビリ ビリビリ 写真を掴んで剥がして破り捨てる。 ピトッ 冷たい手が京太郎の頬に触れる。 淡「本人とずっと一緒だから」ニコッ 830 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/22(火) 00 21 33.18 ID GWEEBXODO [1/3] 京太郎「うあ……」 京太郎「こんなの間違ってるだろ?」 淡「全然間違ってないし、普通のことだよ?」 淡「そしてこれからエッチするんだよ?」 京太郎「はーー?」 淡「よいしょ」 淡は京太郎の上に跨る。 淡「いんたーねっとでたくさん勉強したからね」 淡「大丈夫!ゴムはまだ使うよ?」 サワッ 京太郎「……」 淡「我慢してる?でもだいじょうぶっ」 淡「ゆっくりと、じっくりと、ね?」 832 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/22(火) 00 38 41.09 ID GWEEBXODO [2/3] 淡「んっ♡」 チュッ クチュチュッ 舌を絡ませたキス。 長く、濃い。 淡「んっ……ふぅ」クチュチュッ 淡(京太郎の唾液……京太郎の舌……京太郎の温もり……京太郎の身体……) 京太郎「んーっ……んー」 淡「ぷはぁ……」ハーハー 淡「京太郎……」 淡「もっとしようね」 男としての尊厳を犯される。 840 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 14 17 00.40 ID e71948a2O ガシャン ギギッ 淡「ふぅ……今日も楽しかったよ」 淡「……ね?」 京太郎「……」 淡「下向いてばかりだと……退屈だよ?」 淡「上向いて、私を見てよ」 クイッ 京太郎「……」ググッ 淡「京太郎っ……」チュッ チュックチュ 蛍光灯の光だけが二人を照らす。 その光は絶望だけを照らしていた。 京太郎「……」ギラッ だが、目はまだ死なず……心は堕ちていなかった。 841 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 14 22 54.41 ID dcZZIXNuO [1/5] 麻雀部。 淡「おはよー♪」ガララッ 菫「……」ビクッ 尭深「ひっ……」ビクッ 照(……様子がおかしい) 照(特に京ちゃんが学校に来なくなってから) 誠子(なんだかギスギスしてるなぁ……) 照「ねぇ……淡」 淡「なに?テルー」 照「京ちゃん……の事知らない?」 淡「……」 淡「知らないよ?」 842 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 14 35 01.72 ID dcZZIXNuO [2/5] ガチャ 淡「テルーが勘付いてきたよ?」 京太郎「……」 淡「こんな事……続かないって顔だね?」 京太郎「ああ……」 淡「でもね、大丈夫」ニコッ 淡「これ」 薬、淡が取り出したのは紛れもない薬。 淡「一度だけ……使ってあげる」 淡「使ったら二度と使わないけどね」 京太郎「お……おい……嘘だろ?」 淡「これで……京太郎は私の物……大丈夫♪依存性は弱いよ?」 ガシッ 京太郎「ひっ……」 京太郎「やめろ……やめてくれぇ……!」 プスッ チュー 京太郎「あ……あぁ……ぁぁーー」 淡「さっ……しよっか♡」 京太郎の何かが確実に音も立てずに堕ちた。 その場合、何かと言うのは心と言うのだろう。 844 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 16 16 44.31 ID M+62ZsC1O [1/4] 淡「良かったよ」ナデナデ 京太郎「うぅ……」グスグス 淡(ただの精力剤だけどね) 淡「ふふっ……」 --- 麻雀部 淡「はーい」ガララッ 京太郎「……」 照「京ちゃん?」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 照「京……ちゃん?」 淡「きょーたろー!打とう!」 京太郎「……」スッ 照の知っている京太郎はもう居なかった。 京太郎は心を何処かに置いて行ったのだ。 新たな心が目覚める時、その時にはきっと大星淡の手中に堕ちているだろうーー カンッ 846 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 16 20 41.89 ID M+62ZsC1O [2/4] ふぅ…… 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 京太郎が通う高校は?(まだキャラが固まっていない高校はナシだヨ!) 安価下8 863 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 21 59 26.46 ID 01JFbTFzO [1/2] プロローグ 須賀京太郎、高校三年生の夏。 ミーンミーンミーン 京太郎「ここが新しい住処か……」 質素なマンション、最低限の生活は送れそうではある。 とある人物の手引きによって当分の生活は保証されている。 京太郎「……」 京太郎「力だ、力……」 京太郎「まずは力を手に入れなければ……」 京太郎「さて……偽名は何にするか……」 安価下2 自由安価(酷かったら安価下) 867 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 22 08 37.88 ID 01JFbTFzO [2/2] (三浦京平になりました) 京太郎「三浦京平にするか……」 京太郎「さて、俺が通う高校は……」 安価下8 自由安価(キャラが固まっていない高校はダメダヨ!) 876 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 22 38 39.11 ID Rg5WrFgOO [1/6] ゾロ目ボーナス(震え声) 翌日 千里山高校 京太郎「転校生の三浦京平です」ペコッ パチパチパチ 泉「……」 京太郎「短い間ではありますがよろしくお願いします」 泉「三浦京平……か」 泉 好感度判定安価下 +50 879 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 22 46 23.26 ID Rg5WrFgOO [2/6] 泉 88 放課後 京太郎「さて、帰るか」テクテク ふと、足が止まる。 そこには…… 麻雀部の文字があった。 京太郎「……」 京太郎「俺には関係の無い事だ」スッ ガラッ 泉「なぁ……君」 部室から同じクラスの女の子が姿を現す。 京太郎「……」 泉「麻雀部、入らへん?」 京太郎「ーー」 1.入る 2.入らない 安価下3 883 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 22 50 48.76 ID Rg5WrFgOO [3/6] 街 京太郎「買い出しから……か」 「なぁ……あんた」 京太郎「……?」 「千里山の生徒やろ?」 京太郎「……」 「ちょっと顔貸し」ガシッ 京太郎「ちょっと……」 浩子「うちも、千里山の生徒だったんやで?」ニッ 浩子 好感度判定安価下 +50 887 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 22 58 34.11 ID Rg5WrFgOO [4/6] 浩子 68 連れられた先はーー 雀荘。 京太郎「……」 セーラ「なんやこいつ?」 浩子「後輩やで?」 セーラ「それは知っとるわ」 浩子「まぁ、なんとなくですわ」 セーラ「怜は?」 浩子「清水谷先輩を連れてそろそろ来るらしいですよ」 セーラ「連れられるの間違いやろ」アハハ 浩子「間違いないですわ」 京太郎「……」 京太郎(この男勝りな女……役に立つかもな……眼鏡をかけた女は賢いように見える……利用はできない) セーラ 好感度判定安価下 +50 890 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 23 12 02.78 ID Rg5WrFgOO [5/6] セーラ 54 ガララッ チリンチリン 怜「お待たせー」 セーラ「遅いわ」 怜「すまんなー」 セーラ「竜華は?」 怜「そろそろ来るで」 セーラ「そか」 怜「そろそろ打とか?」 セーラ「揃うまで待っとこうや」 京太郎「……」 怜「うちは園城寺怜、よろしくな金髪君」 京太郎「はい」ペコッ 京太郎(園城寺……まさか?) 怜 好感度判定安価下 +50 906 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/23(水) 23 38 07.91 ID dcZZIXNuO [4/5] とりあえずキープ 怜 max 京太郎(園城寺怜の反応がおかしい……まさか) 竜華「すまんなー遅れたわー」 怜「遅いわーアホー」 竜華「あんたのせいやろ!」ビシッ 怜「痛いわーひどいわ~」 怜「京太郎、膝枕してぇな」 京太郎「……はい」 怜「……」チョコン 竜華「……金髪君やるな」 竜華「名前は?」 京太郎「三浦京平です」 竜華「うちは清水谷竜華、よろしゅう」 京太郎(清水谷……俺はついているな……) 竜華 好感度判定安価+50 918 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 00 30 02.83 ID 6IDPoC19O [1/12] 竜華 98 2ですね、了解しました 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.情報収集をしよう 安価下2 921 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 00 40 44.25 ID 6IDPoC19O [2/12] 京太郎「……」 京太郎「なるほど……今現在はまだ動いていないのか」 『うん』 京太郎「助かる」 『大丈夫』 『でも姫様はかなり焦っている』 京太郎「そうか……悪い」 『動き始めたら連絡をする』 京太郎「悪いな」 922 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 00 41 10.95 ID 6IDPoC19O [3/12] 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.情報収集をしよう 安価下2 925 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 00 46 25.52 ID 6IDPoC19O [4/12] 京太郎「街をうろうろするか」 0~30 お好きな千里山(OB含む) 31~60 お好きな姫松(OB含む) 61~99 プロ 933 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 00 51 44.10 ID 6IDPoC19O [6/12] 雅枝「あんま夜に街をうろうろしたらあかんで?」 京太郎「あ、えっと……」 雅枝「麻雀部の顧問、愛宕雅枝や」 京太郎(愛宕……!?) 雅枝「なんや?私の顔になんか付いてるか?」 京太郎「いえ……大丈夫ですよ」 雅枝「……」 雅枝(訳ありの一人暮らし君やったな) 雅枝「私の家で飯ごちそうしたろか?」 1.はい、是非 2.気持ちはありがたいですが遠慮します 安価下3 937 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 00 59 33.29 ID 6IDPoC19O [7/12] 京太郎「はい、是非」 --- 洋榎「オカンーー!!!!」 雅枝「なんや!?」 洋榎「お化けーー!!!」 雅枝「んな訳あるか!!アホ!!!」 京太郎(お化けって俺か……?) 洋榎「よろしゅうな、金髪」 京太郎「あ、はい」 洋榎「私は愛宕洋榎、とある強豪大学麻雀部のエースや」 雅枝「洋榎も最近はメキメキ強くなったなぁ」 洋榎 好感度判定安価下 939 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 01 07 32.25 ID ojG/fVr1O 洋榎16 絹恵「ただいま」ガララッ 洋榎「おかえりー」 雅枝「ご飯そろそろできるでー」 絹恵「お客さん?」 雅枝「うちの生徒や」 雅枝「……スカウトがてらな」ボソッ 絹恵「へぇ……って事は」 京太郎「……」ゴゴゴゴゴ 絹恵「相当やな」 洋榎「うちほどではないな」キリッ 雅枝「当たり前やろアホ」 絹恵 好感度判定安価下 941 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 01 11 50.88 ID S4yLt/v1O ハッピーエンドスレの反動かな? 雅枝「さっ……打とか」 洋榎「上等やで」 絹恵「四人で打てるのはええなぁ」 京太郎「えっ?」 雅枝「な?ええやろ?」 京太郎「大丈夫ですけど……」 安価下 4位は? 0~40 絹恵 41~60 京太郎 61~80 洋榎 81~99 雅枝 945 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 01 16 44.26 ID bOHiD3H8O 1位 洋榎 2位 雅枝 3位 絹恵 4位 京太郎 雅枝「これが本気……か?」 京太郎「正確には本気を出せないと」 雅枝「怜の奴みたいやな」 京太郎「見抜ける辺りは流石です」 絹恵「んー上手やったなー」 洋榎「なかなかうまかったなー」 京太郎の麻雀におけるオカルトは? (意味あるかは分からない) 1.神降ろし 2.落とした女降ろし 3.自由安価 安価下1~8 多数決 954 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 02 15 21.19 ID IViReYoVO 2と3で決戦多数決 安価下1~5 2か3かの投票をお願いします 959 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 02 24 57.01 ID R+F6De0/O 2ですね、かしこまりました 朝 行動フェイズ 1.登校 2.サボる 安価下2 962 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 14 32 26.89 ID 6IDPoC19O [8/12] 京太郎「……登校するか」 0~20 怜 21~40 泉 41~60 セーラ 61~80 浩子 81~99 竜華 964 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 14 43 30.44 ID 6IDPoC19O [9/12] 竜華「ん……」ウトウト 京太郎「あ、清水谷さん」 竜華「ん、京太郎か……おはよう」ファァ 京太郎「寝不足ですか?」 竜華「朝まで麻雀やっとったからなぁ」 京太郎「お体には気を付けてください」 竜華「ん、おーきに」 竜華「頑張りや、高校生」 京太郎「清水谷さんこそ頑張ってください、大学生」 竜華「……竜華」 竜華「竜華って呼んでや」 京太郎「あーーはい。竜華さん」 ※竜華が落ちました 竜華 好感度上昇安価下 966 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 15 21 30.24 ID 6IDPoC19O [10/12] 竜華 108 放課後 京太郎「顧問の人にも麻雀部に誘われたけど……どうするか」 1.顔を出す 2.帰る 3.街をうろうろする 安価下3 970 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 16 10 02.89 ID 6IDPoC19O [11/12] 偽名の存在忘れてました 竜華の場合は京平に脳内変換お願いします 泉「ん……来たんか」 京太郎「少しだけだけど」 雅枝「来た以上は教えたるさかい、卓に座り」 京太郎「はい、分かりました」 泉「行くで……」 京太郎(清水谷竜華でいいか……) 泉 好感度上昇安価下 雅枝 好感度判定安価下2 973 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 16 18 57.21 ID 6IDPoC19O [12/12] 泉と雅枝が落ちました 泉108 雅枝 210 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.情報収集をしよう 安価下2 983 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/24(木) 17 56 22.85 ID ri9mJlJbO [3/3] 京太郎「園城寺怜に電話をするか」 京太郎「丁度……聞きたいこともあった」ピッ pr 怜「もしもし」 京太郎「あ、園城寺さん……すこし聞きたい事が」 怜「……えーよ」クスッ 怜「ーーただし」 怜「今から会う事が条件やで?」 京太郎「どうして会う必要が?」 怜「会いたいからじゃ駄目なん?“京太郎”」 京太郎「……」 1.会って話をする(怜ルート) 2.会わない 安価下2
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咲「嘘だよね?」 京「本気だ」 咲「だって京ちゃんには・・・」 京「本気でお前が好きなんだ」 咲「嘘よ!だって京ちゃんにはハギヨシさんがいるじゃない」 京「は?」 京太郎「え……ハギヨシさん?」 咲「ハギ×京じゃないなんてそんなオカルトありえない!!」 京太郎「ハギ……なんだって?」 咲「私の今日からのオカズはどうすればいいの!?」 京太郎「は……?オカズ?」 咲「京ちゃんのバカーーー!!!!!!」タッタッタ 咲「うぅ……なんか涙でてきた……」タッタッタ 咲「お願い……泣きそう……」グスッ 咲「ハギ×京……このカップリングも今日で終わりか……」 咲「ああハギ×京……いいよ……妄想出来なくなるなんて……考えられない……」 咲「ああ……もう 終わるのか……」 咲「ああ……死ぬ 死のう……」 咲「ああ、いいんだもう、私はもう いい、くそぅ……」 咲「もういいんだ、何もかも終わっ……ん?」 南浦「ちょっと真っ昼間っからもう飲めませんって大沼プロ……」 大沼「はっはっは、いいじゃないかほら付き合え付き合え」 咲「ちょwwwwwwwwwwwwww」 咲「大沼×南浦キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!」 咲「これは期待wwwwwwwwwwww」ゴクリ 深夜宮永卓 咲「・・・」カリカリカリカリ 咲「・・・ふう」ノビ 咲「煮詰まっちゃったな・・・」 咲「京ちゃんが龍門渕の地下室に監禁されるまではいいんだけど・・・その後の展開がどうも滾らないよ」 咲「・・・12時か」 咲「今日はもう寝よっかな」 パチン 咲「お休み、京ちゃん」 翌日 咲「ふああぁ・・・」 咲「(結局ふとんに入ってからも次の展開を考えてたらあんまり眠れなかったよ・・・)」 京太郎「おっす!咲」 咲「あ、京ちゃんおはよー」 京太郎「相変わらず麻雀してないときはボーっとした顔してんなぁ」 咲「なっ!ちょっと寝不足なだけだよ!」 京太郎「寝不足って・・・何してたんだ?」 咲「それはその・・・」 咲「(・・・言えない)」 京太郎「あっ原村さんだ!」 咲「えっ」 和「宮永さん、京太郎さん、おはようございます」 咲「おはよう原村さん」 京太郎「おはよう!」 和「あら?宮永さん目の下にクマが・・・大丈夫ですか?」 咲「う、うん」 京太郎「どうせ何か変な妄想でもしてたんだろ」 咲「ちっ!違うよっ!!」 京太郎「そんな大声出さなくても・・・」 和「では私はちょっと職員室へ寄るので・・・」 咲「あ、うん。また部室でね」 京太郎「部活で~」 和「はい」 スタスタ 京太郎「いや~やっぱ原村さんは可愛いな~」ニヘラ 咲「ム」 男子「オッス京太郎!」ガシッ 京太郎「うわっ!引っ付いてくるんじゃねえ!」 男子「おはよー咲ちゃん」 咲「おはよ」 京太郎「離れろっつーの」 男子「照れんなって!」 京太郎「キモイっつーの!」グイグイ 咲「(・・・友達と戯れる京ちゃん)」 咲「(触れ合う肌と肌、互いに激しくなっていく動悸)」 咲「(気がつけば二人は手を握り合い・・・唇と唇の距離が近づいていく)」 咲「(これぞ禁断の皆既日食―!)」ニヤニヤ 京太郎「咲?」 咲「わっ!」 京太郎「どした?ニヤニヤして」 咲「なっ何でもないよ。私先行くね!(やばいやばい)」タッ 男子「嫁さんに振られちまったな京ちゃん♪」 京太郎「なっ」 咲「嫁さん違いますから!」 タタタタタ・・・ 京太郎「・・・真っ向否定ですか」ボソッ 男子「ん?」 京太郎「・・・・・・」グイ 男子「あ、あれ怒った?」 京太郎「・・・怒ってないよ」スタスタ 男子「怒ってる・・・」 京太郎「・・・・・・」 京太郎「・・・鈍いんだよ、咲は」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1381592064/ 部室 咲「……」ペラッ ガチャ 京太郎「ウィース」 咲「京ちゃん、おはよう」 京太郎「なんだ咲だけか」 咲「みんなまだ来てないよ」 京太郎「一番最初に来たなら、部屋の掃除とかやれよ」 咲「う、うん。読みたい本があって」 京太郎「そんなのは家で読めばいいんだよ。ほら、俺の代わりに掃除しろ掃除」 咲「わかったよ。いつも京ちゃんに雑用任せっきりだもんね」 京太郎「そうそう。俺はお前らのマネージャーじゃないぞ」カチッ、ポチポチ 咲「うん。もちろんだよ。何やってるの?ゲーム?」 京太郎「ゲームだよゲーム。見りゃわかんだろ」ポチポチ 咲「最近流行ってるモンスターと戦うゲームかな?」 京太郎「そうだよ。クラスのみんなやってるぞ。やってないのはお前くらいだ」 咲「そっか……。私、ゲーム苦手だから」 京太郎「いいから、早くバケツに水くんで来い」 咲「わかった」 ビュウウウウウウ 咲「ううっ……最近、冷えて来た…」 咲「バケツに水を入れてっと」ジャーーー 咲「お、重い……うんしょ、うんしょ」プルプル 咲「学校もお湯出るといいんだけどね」キュキュ 京太郎「そんなもん俺が知るか。ちゃんと端っこまで丁寧に拭けよ。 部長は自分じゃしないくせに、いちいちうるさいんだから」ポチポチ 咲「わかってるよ。家でもやってるし大丈夫だよ」キュキュ 京太郎「家でも奴隷か。哀れなヤツだ」ポチポチ 咲「中学の時に比べたら……こんなの全然マシだよ」 30分後 京太郎「そろそろか。俺も手伝うぞ」 咲「いいの?ってもうすぐ終わるけど」 京太郎「高い所は届かないだろ?」 咲「う、うん。ありがとう」 京太郎「どう致しまして」 ガチャ まこ「今日は寒いのぉ」 久「あらま!」 京太郎「ふーむ、この汚れがなかなか落ちないんだな」キュキュ 咲「……」ペラッ まこ「京太郎が窓拭きやっとる」 久「一年生が一番最初に来て掃除とか、感動だわ!」 京太郎「別にやる事なかったから、やっただけですよ」 咲「……」ペラッ まこ「いやー、わしは感動した!京太郎が居て助かっとる」 久「ホントよねー。入部してくれてありがとう」 京太郎「俺、麻雀じゃ役に立たないっすからね///これくらい」 咲「……」ペラッ まこ「偉い!久、次期部長は京太郎とかどうじゃ?」 久「それまこが部長やりたくないからでしょ~、駄目よ。次の部長はまこ。咲の世代は知らないけど」 咲「……」ペラッ 京太郎「麻雀のルールも最近覚えたばっかりなのに俺に部長とか無理っすよー」 まこ「いやぁ、咲や優希よりだいぶいい人選じゃ。まぁ和か京太郎じゃな」 久「咲はどう思う?」 咲「京ちゃんでも和ちゃんでも清澄麻雀部を引っ張って行ってくれる素晴らしい部長になると思いますよ」ニコッ 久「まぁ二年も後の事はいいとして。まこ、部長の引き継ぎだけど」 まこ「まだあるんかい!わし、疲れたぞ」 久「先生にも挨拶しておかないとね。今なら職員室にいっぱい居るし」 まこ「荷物置くから待っとれ」 ガチャ、バタン 京太郎「俺が部長で和が副部長。これは、フラグだよな?」 咲「んー何の?」 京太郎「そりゃもうアレよアレ。部長と副部長なら……絆も深まりやすい」 咲「恋愛的な?」 京太郎「それしかないだろ。和と友情深めてどうするんだバカ」 咲「バカはひどいよ」 京太郎「友達であの爆乳揉めるのか?いや揉めない」 咲「そりゃそうだよ」 京太郎「以前、和に聞いたんだ」 京太郎『和ってどんなタイプが好きなの?』 和『はい?私のですか』 京太郎『そうそう。好きなタイプ。芸能人なんかでもいいぜ』 和『芸能人は詳しくないので……。そうですね……、好きなタイプってたまに聞かれるんですよ。雑誌のインタビューとかで』 京太郎『ごめん俺、麻雀雑誌とか読まないから』 和『たまには読んで下さいよ。勉強になる事も書いてますよ。で、私の答えですが』 和『私よりも麻雀が強い人』 京太郎「だとよ」 咲「和ちゃんらしいね。麻雀が大好きだもんね」 京太郎「麻雀で俺が和より上手くなるとか無理じゃん?」 咲「そんな事無いと思うよ。和ちゃんはデジタルだから、京ちゃんもデジタルを勉強していっぱい打ったら……」 京太郎「あー無理無理。麻雀にそんなに情熱を注ぎこむつもりはない」 京太郎「まっ三年間もあるんだ。地道にやって行くさ」 咲「付き合えるといいね」 京太郎「振られたら何のために麻雀部に入ったかわからん……。って咲、お前も協力するんだぞ?」 咲「してるよー。私、友達とか遊びに誘うの下手なのに、和ちゃんをいっぱい誘ってるよ」 京太郎「そうだな。お前が誘うと100%来るもんな。やっぱり俺、信用されてねーのか」 咲「和ちゃんは少し男性恐怖症な所があるかもしれないね」 京太郎「そうなのか?」 咲「うーん。男の子の話題とか全く食いついて来ないし……、あんまり興味も無さそう」 京太郎「付き合った事もないのか」 咲「ないって言ってたよ。私もないけど」 京太郎「お前の事なんかどうでもいいんだよ!」 咲「だよね。和ちゃんに私のオススメの漫画貸したら、あんまり良くなかったって」 京太郎「また気持ち悪い漫画貸したのか。男同士が絡んでるヤツ」 咲「……うっ」 咲「物語的には……男同士で恋愛しても変な流れじゃない漫画だし」 咲「戦国時代は男性同士で……その……よく絡んでたり…」 京太郎「変だよ。ありえないし、気持ち悪い。そして今は戦国時代じゃない」 咲「……そうかな」 京太郎「中学の時も学校に持ち込んで見つかって、その後どうなったか忘れたか?」 咲「クラス全員に無視されました」 京太郎「あの時、男子の間ではかなりヤバかったんだぞ。お前の評判」 京太郎「ホモ永ってさ」 咲「はははっ……傷つくかも。嘘、そのあだ名知ってた」 京太郎「だろうな。でも男子の方がマシじゃん?お前に何もしなかったろ」 咲「うん、特に何もされなかったよ。女子の方が陰湿だからね」 京太郎「女は怖いなぁ。やられたら倍返しだ!とか思わないの?」 咲「私には無理かな……」 咲「あの時、助けてくれた京ちゃんへの恩は忘れないつもりだよ」 京太郎「お前みたいな麻雀しか取り得の無い女に感謝されても……」 京太郎「うーん」 咲「何でもするよ」 京太郎「あぁそうだ。昨日、憩ワン見てたんだ」 咲「憩ワン?」 京太郎「格闘技のテレビ。こんな感じで闘うんだぜ」シュシュ 咲「そうなんだ」 京太郎「ちょっと蹴り技が試したい。咲、蹴らしてくれ」 咲「うんうん、蹴りたい背中だねー。ってええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!???!?!?!」 京太郎「友達には頼み辛いしさ」 咲「蹴るって……痛いよ……」カタカタ 京太郎「まぁ手加減はするさ。ってお前、もっと痛い事されてたろ?」 咲「好きでされてたわけじゃないよ」グスン 京太郎「あの時に比べたら俺の蹴りなんて屁みたいなもんだ」 咲「……そうかもしれない」 京太郎「顔を蹴るわけじゃないしさー。そうだな」 ペタペタ 咲の体中を触る京太郎 咲「んっ……///」 京太郎「尻にしよう。一番ダメージ少ないし、いい音鳴りそうだ」 咲「う、うん。それで京ちゃんが満足するなら」 京太郎「よし決まった。早速……ってほど俺はバカじゃない」 咲「え?」 京太郎「この時間だと、和や優希が来る可能性がある」 咲「うん」 京太郎「和に見られたら俺がコツコツ積み重ねてきた好感度が全部パーだ。優希も同じだ、アイツは口が軽い」 咲「じゃあ、蹴らなきゃいいんじゃ……」 京太郎「それは嫌だ。放課後にしよう」 放課後 久「じゃあ戸締りお願いね」 まこ「じゃあのー、わしCS見ないといけんし」 優希「タコス屋のスペシャルメニューが完売しちゃうじぇ」 和「今日はネトマの大会がありまして……。ログインしないと駄目なんです」 京太郎「わかったわかった。咲と二人で後片付けするから」 咲「任せて下さい」 京太郎「じゃあ、とりあえず後片付けだ。俺が一クエクリアーするまでにしろよ」ピコピコ 咲「うん」 咲「終ったよ」 京太郎「おぅ、ご苦労。咲と当番の日は助かるわ。優希とか喋るばっかりで作業が進まねぇ」 咲「他の人は?」 京太郎「和とやる時は俺も真面目にするから最短で終わるよ。 部長とやる時は時間かかるし、まこ先輩はケ○カスだから鬱陶しいし」 咲「そうなんだ。和ちゃんといる時は真面目にするんだね」 京太郎「俺が全部やるって言っても、いいですって断るんだ。いい女だよ」 京太郎「よーし、早速蹴って帰るか」ポキポキ 咲「う、うん」ドキドキ 京太郎「麻雀卓に手をつけて尻を突き出してくれ」 咲「わかったよ」バン 咲は両手で麻雀卓をしっかり掴んで、尻を突き出した 咲「い、いつでもどうぞ///」 京太郎「素足の方がダメージ少ないかな?」ヌギヌギ 京太郎「咲!俺も脱いだんだ、お前も脱がなきゃ不公平だろ?」 咲「う、うん」スルスル 咲はスカートを降ろした 京太郎「しゃああああああ!オラァ!」ズバーーーン 京太郎は勢いよく右脚を咲の尻に叩きつけた バチーーーーーーン!!!!!!!! 咲「~~~~~~~~ッッ!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 咲「いっっっだだだだだい゛い゛い゛い゛゛い」ゴロゴロ 京太郎「わりぃわりぃ。やっぱり痛いのか?」 咲「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」ポロポロ 咲「お、お尻蹴られたはずなのに……頭が…い゛だい゛」ポロポロ 京太郎「知らねーよ。ほら、手を貸してやるから」グイッ 咲「足が震えて……上手く立てない……」ガクガク 咲「ふぅーふぅー……」 京太郎「おい、もう帰っていいか?」 咲「う、うん。先に帰ってて……ちょっと横になってから帰るから」 京太郎「そうかい。先に帰る」 京太郎「いいストレス解消になったよ。また頼むな」 咲「……まだやるの」グスン その日から京太郎は、時々咲の尻を蹴るようになった。 蹴るのが尻だったため、真っ赤に腫れ上がっても誰も気付かなかった。 そして二年と半年後くらい 大学の新歓 咲「お姉ちゃんと一緒の大学に入れてよかったよ」 菫「宮永さんと原村さんが来てくれたら、うちの部も安心だな」 照「おいピンクぅぅぅ、私の酒が飲めないのかぁ?」ヒクッ 和「いや…私、未成年ですし」 菫「お、おい照。未成年の子に飲ますなって」 照「そんなの私の勝手だろ~」フニャ 誠子「はーい、次は新一年生による隠し芸大会でーす」 和「えぇー聞いて無いですよ」 咲「困ったなぁ……芸なんて…」オロオロ 淡「ノリわるー、これだから田舎もんは……」 咲「!?」 咲(このままじゃ、私だけじゃなくて和ちゃんも仲間外れにされちゃう) 咲「すいません、Tバックお持ちの方いらっしゃいますか?」 尭深「私持ってますよ」 咲「すいません、貸して下さい。宮永咲、お尻で割り箸を割ります」 和「咲さん、何を!?」 咲「ふんっ!」 バキッ 咲ちゃんは尻圧だけで割り箸を割った 淡「ほぇー、やるじゃん」 誠子(酔ってもないのにケツを出すのか……) 尭深「いいケツしてるなぁ」ズズズ 咲は京太郎に蹴られるダメージを少なくするために尻を鍛えるのが日課になったのだ。 京太郎は和に振られて妥協で優希と付き合って幸せな日々を送っているらしい。 終わり
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照と洋榎はプロにいる設定です 須賀京太郎、3年生の夏 京太郎「っしゃー!!来たぜ東京!!」 咲「ちょっと京ちゃん!はしゃぎすぎだよ!」 和「もう、そもそも何回も来てるじゃないですか」 京太郎「お前らと違うんだよ。やっと自分の力で県大会も勝ち抜いて、全国に来れたと思うと嬉しくてな」 咲「そっか。今まで私達の付添だったもんね」 京太郎「ああ。だけど今年は違うぜ!俺は自分の力でここに来たんだー!」 和「だから静かにしましょうって。後輩たちも見てるんですよ」 優希「しょうがないじぇ。京太郎の念願だったし、好きにさせてやるのがいいじぇ」 咲「うん。京ちゃん本当に嬉しそうだしね」 京太郎「ああ。嬉しくって出場が決まった時はいろんな人に言っちまったよ」 和「はい?」 京太郎「はしゃぎすぎだったかな。みんな一度は来てるのにな」 優希「お、おい。そのいろんな人っていうのは…」 京太郎「ああ、今まで麻雀で知り合った人達だな」 衣「トーカ!東京行くぞ東京!」 透華「ええ、もちろんですわ!ハギヨシ、準備なさい。理由?京太郎くんの応援に決まってますわ!」 桃子「あ、蒲原元部長っすか?モモっす。ちょっと東京に応援に行きたいんでまたお願いできないかと……鶴賀全員で?いいっすね!!」 いちご「東京?そんなん考慮しとらんけど……行かんとね」 姫子「ぶちょ、じゃなくて哩さん!早く行きましょう!」 哩「待て待て。私らは応援に行くとやけんな?忘れ物とかなかか?鎖と首輪入れたか?」 初美「はい?姫様と六女仙全員も行く?私だけじゃないんですかー?私一人で応援したかったですー」 洋榎「今度の試合は東京?ええでー!ちゃんと応援する時間はあるんやろな?誰のって?姫松と京太郎に決まっとるやん!!」 淡「ごめーん、ちょっと行ってくるねー!え?清澄だよ?敵?男子だからだいじょーぶ!!」 照「はい、今度のインターハイは私としても注目している選手が多いのでスケジュールを調整して会場まで見に行きたいと思っています」 照「最後に一言?……京ちゃん、応援してるから頑張ってね!」 その年のインターハイ男子個人戦には、やけに多くのプロやインターハイ出場経験者が応援に来ていたとか 京太郎「なんか人多いな……誰か有名な人でもいんのか?」 咲「……京ちゃんだよ」 カンッ!!